Claude CodeとCowork は、Anthropic が 2026 年 3 月 24 日にコンピューター使用機能を追加した AI アシスタントで、Mac 上のアプリやブラウザを自律的に操作できるようになりました。
📖 この記事で分かること
- AnthropicがClaude CodeとCoworkにPC操作機能を追加した
- スマホからタスクを指示してMacに自動実行させられる
- コネクター優先→ブラウザ→画面操作の三段階フォールバック設計
- 現時点はmacOS限定のリサーチプレビュー(ProまたはMaxプラン)
💡 知っておきたい用語
- コンピューター使用(Computer Use):AIがマウスのクリックやキーボード入力を実行する機能。人間が画面を見て操作するのと同じ方法でアプリを動かせる
最終更新日: 2026年5月21日

AnthropicがClaude CodeとCoworkにPC操作機能を追加
2026年3月24日、Anthropicはアシスタント「Claude」にコンピューター使用機能を追加した。この機能により、ClaudeはMac上でアプリを開き、ブラウザを操作し、スプレッドシートへの入力などを自律的に実行できるようになった。
対応ツールはClaude CodeとCowork(クロークゥ)の2種類で、Claude ProおよびMaxプランの契約者を対象にリサーチプレビューとして提供されている。
- 対象プラン: Claude Pro(月20ドル)、Max(月100〜200ドル)
- 対応OS: macOS(現時点はWindows・Linux非対応)
- 提供形態: リサーチプレビュー(今後変更あり)
- セットアップ: 不要(設定なしで利用開始できる)
「コネクター優先」の三段階フォールバック設計
ClaudeがタスクをこなすうえでAnthropicが採用した設計は、コネクター(直接API連携)を優先し、それが使えない場合に段階的に操作範囲を広げる方式だ。
具体的には次の順序で動作する。
- コネクター経由:SlackやGoogle カレンダーなど、専用連携が存在するサービスにはAPIで直接アクセス
- ブラウザ操作:コネクターがない場合、ブラウザを経由してウェブベースのタスクを実行
- 画面操作(スクリーンコントロール):それでも対応できない場合、人間と同様にカーソルを動かしてアプリを操作
Anthropicのアナウンスによると、Claudeは新しいアプリにアクセスする前に毎回ユーザーの許可を求め、ユーザーはいつでも処理を停止できる。コネクター優先の設計は、画面解釈に頼る競合ツールと比べてエラーの発生リスクを下げることを狙いとしている。
Dispatchとの連携でスマホからMacをリモート操作
コンピューター使用機能と合わせて注目されるのが、今回Claude Codeへも拡張された「Dispatch(ディスパッチ)」との組み合わせだ。DispatchはiPhone/Androidとデスクトップのセッションを一本化し、外出先からタスクを割り当てることを可能にする。
想定されるユースケースの例は以下の通りだ。
- スマホからClaudeに「ピッチデックをPDF化してミーティング招待に添付して」と依頼し、帰宅したら完了している
- 毎朝メールを確認して週次レポートのテンプレートに数字を自動入力させる
- ローカルファイルと連携ツールから競合分析レポートを自動作成させる
デスクトップがスリープ状態だと機能しない点、タスクによっては通常のチャットよりクォータ消費が大きくなる点は、利用にあたって留意が必要だ。
セキュリティと現在の制限
Anthropicは「コンピューター使用はコーディングやテキスト操作に比べてまだ発展途上だ」と認めている。主なリスクと制限は以下の通りだ。
- プロンプトインジェクション対策:悪意ある指示が外部コンテンツに埋め込まれるリスクに対してスキャンを実施
- VM分離(Cowork):Coworkではファイルやアプリへのアクセスがサンドボックス化されている
- センシティブデータの取り扱い:リサーチプレビュー期間中は重要データへのアクセスを避けるよう推奨
- OS制限:現時点はmacOSのみ対応。Windows対応は今後のロードマップに含まれる可能性がある
クラウドデータの扱いについては、スクリーンショットやキー操作などのデータはユーザー環境に保存され、Anthropicはリアルタイム処理後にデータを保持しない方針とされている。
競合との比較と今後の展望
コンピューター操作機能の実装はAnthropicに限らず、OpenAIのCodexやGoogleのProject Mariner、Perplexity Computerなども類似機能を持つ。Anthropicが差別化点として挙げているのは、コネクター優先設計、CoworkのVM分離、そしてDispatchによるスマホ連携の三点だ。
Claude Codeは2026年初頭に年間換算収益25億ドルを超えており、Anthropicは開発者向けツールのエコシステム拡大を加速させている。コンピューター使用機能の追加は、Claudeが「会話AIから実行AIへ」移行する戦略の一環と位置付けられている。
編集部の見方
「画面解釈」一本足からの脱却: コネクター→ブラウザ→画面操作という三段階は、画面OCR・要素解釈の不安定さを最小化する実務寄りの設計です。OpenAI/Googleの同種機能との差別化点になります
Dispatchとの組み合わせが本命: スマホで指示→デスクトップで非同期実行のワークフローは、エンジニア以外の業務利用でも刺さるシナリオです。スリープ問題とクォータ消費が普及のボトルネックです
macOS限定の意味: アクセシビリティ周りの安定性とテスト密度を考えるとmacOS先行は順当。Windows展開のタイミングが法人導入のスケール条件になります
よくある質問
Q: コンピューター使用機能はどのプランで使えますか?
A: 2026年3月時点では、Claude ProまたはMaxプランの契約者がリサーチプレビューとして利用できます。無料プランには提供されていません。
Q: WindowsやLinuxでも使えますか?
A: 現時点はmacOSのみ対応しています。Coworkは2026年2月にWindows対応を追加しており、コンピューター使用機能のWindows対応も今後のロードマップに含まれる可能性がありますが、公式なアナウンスはまだありません。
Q: Claudeが操作中にデータが外部に送られることはありますか?
A: スクリーンショットやマウス・キー操作のデータはユーザー環境に保存されます。AnthropicはAPIレスポンス返却後にデータを保持しない方針を取っており、ゼロデータリテンション(ZDR)対応とされています。ただし機密データへのアクセスはリサーチプレビュー期間中は推奨されていません。
まとめ
AnthropicはClaude CodeとCoworkにコンピューター使用機能をリサーチプレビューとして追加した。スマホのDispatchからタスクを割り当て、Macがバックグラウンドで処理を完了させるという「外出先でも仕事を進める」ワークフローが実現可能になった。コネクター優先のフォールバック設計でエラーリスクを低減する一方、現時点はmacOS限定かつセンシティブデータへの使用は非推奨という制限がある。AIが「話すだけ」から「実行する」ツールへ移行する重要なマイルストーンとして注目される。
【用語解説】
- Computer Use【コンピューターユーズ: AIがマウスやキーボードを操作してアプリを動かす機能。人間が画面を見て操作するのと同じ方法で、AIが自律的にタスクを実行する
- Dispatch【ディスパッチ】: Claude Cowork/Codeに搭載されたモバイル連携機能。スマートフォンから指示を出し、デスクトップ上でClaudeにタスクを実行させられる
- Fallback【フォールバック】: 優先手段が使えないときに次善の手段へ切り替える仕組み。今回はコネクター→ブラウザ→画面操作の順で自動的に切り替わる
- VM分離(VM Isolation)【ぶいえむぶんり】: 仮想マシン(Virtual Machine)を使い、AIのアクセス範囲をシステム全体から切り分けてサンドボックス化するセキュリティ機構
免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。
引用元:
- [1] Anthropic「Release Notes – Claude Apps」(公式リリースノート) – https://docs.anthropic.com/en/release-notes/claude-apps
- [2] Anthropic「Computer use tool」(公式APIドキュメント) – https://platform.claude.com/docs/en/agents-and-tools/tool-use/computer-use-tool
- [3] Anthropic「Claude Code overview」(公式ドキュメント) – https://code.claude.com/docs/en/overview
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。