📖 この記事で分かること
- LM Studioが公式iPhoneアプリ「Locally」を公開した
- 新機能「LM Link」で自宅PCのモデルを遠隔利用できる
- 端末間の通信はエンドツーエンド暗号化される
- スマホ本体でモデルを動かすのとは仕組みが異なる
💡 知っておきたい用語
- LM Link:手元のスマホと自宅PCを安全につなぎ、PC上のAIモデルを外出先から使う機能。リモートデスクトップのAI版のようなもの。
最終更新日: 2026年6月5日
▶ 公式ページ
- Locally(App Store)(Apple App Store)
- LM Link 公式ページ(LM Studio)
- 発表ブログ「Run (your largest) local models from your iPhone」(LM Studio Blog)
LM Studioの公式iPhoneアプリが登場
LM Studioが、公式モバイルアプリ「Locally」(2026年6月時点)と新機能「LM Link」をiPhone・iPadで利用可能にしました。これにより、自宅や職場のPCで動かしている大きめのモデルを、外出先のスマホから使えるようになります。
この記事のポイント
- LM Studioが2026年6月4日、公式iPhone/iPadアプリ「Locally」と「LM Link」を公開しました(2026年6月時点)。
- LM Linkは端末同士を安全に接続し、PC上のローカルモデルを遠隔利用する機能で、通信はエンドツーエンド暗号化されます。
- 利用にはPC側のLM StudioとLM Linkの起動、iPhone側のLocallyアプリ導入が必要です。
LM Studioは6月4日、iPhone向け公式アプリの提供開始を発表しました。同社は今年初めにモバイルアプリ「Locally」の買収を発表しており、今回その統合の第一弾として、LM Studioの公式モバイルアプリとしてLocallyを正式に位置づけました。今回のリリースはLM Linkの初版にあたります。
LM Linkは「スマホで動かす」ではなく「PCを遠隔で使う」
ここが最大の誤解ポイントです。今回の発表は、LM Studio本体がiPhone上で直接動くようになったという話ではありません。
LM Linkは、LM Studioに搭載された機能で、複数の端末を安全に接続し、ローカルモデルを遠隔から利用できるようにするものです。端末間のすべてのデータと通信はエンドツーエンドで暗号化され、チャット履歴は各端末のローカルに保存されます。
つまり実体は、自宅PCをAIサーバーにして、iPhoneをその遠隔操作の窓口にする構成です。スマホ単体でモデルを走らせるオンデバイス実行とは前提が異なり、PC側の電源が入っていてLM Linkが起動していることが利用条件になります。手元のスマホでは動かしきれない大きなモデルを、外出先からそのまま使える点が狙いです。
iPhone単体でローカルモデルを動かしたい場合は、オンデバイス実行に対応したアプリを検討する余地があります:
始め方の手順
利用開始の流れはシンプルです。LM Studioは次の手順を案内しています。
- PCにLM Studioを導入する(未導入の場合は公式サイトからダウンロード)
- PC側でLM Linkを起動しておく
- iPhoneまたはiPadにLocallyアプリを入れる
- アプリの案内に従い、iPhoneを自分のLinkに追加する
これで、LM Studioで動かしているモデルをスマホから直接呼び出せるようになります。LM Studioは、今後のアップデートで継続的に改善していくとしています。
編集部の見方
実用性の観点:この機能の価値は「最も大きなモデルを持ち歩ける」点に集約されます。自宅の高性能マシンを母艦として残しつつ、移動中や外出先のスマホをその窓口にできるため、ローカルLLMを日常使いする層には実利が大きい構成です。
プライバシーの観点:通信のエンドツーエンド暗号化と、履歴のローカル保存という設計は、クラウドAIに送りたくないデータを扱う用途と相性が良い設計です。データが手元の端末間で完結する点は、機密性を重視する業務での検討材料になります。
向く読者・向かない読者:自宅にApple SiliconのMacやGPU搭載PCを持ち、すでにLM Studioでモデルを運用している人には素直に便利です。一方で、PCを常時起動しておく前提や、初期接続のセットアップが必要なため、スマホ単体で完結させたい人には向きません。その用途には、オンデバイス実行に対応する別アプローチを検討する余地があります。
よくある質問
Q: iPhone単体でモデルが動くのですか?
A: 今回のLM Linkは、PC上のLM Studioで動くモデルを遠隔利用する仕組みです。利用にはPC側のLM Studioとの接続が前提になります。
Q: 通信のプライバシーは大丈夫ですか?
A: 端末間のデータと通信はエンドツーエンド暗号化され、チャット履歴は各端末のローカルに保存されるとされています。
Q: 何を準備すればいいですか?
A: PCのLM Studio、起動済みのLM Link、iPhone/iPadのLocallyアプリの3つです。アプリの案内に従って端末をLinkに追加します。
まとめ
LM Studioが公式iPhone/iPadアプリ「Locally」と、遠隔利用機能「LM Link」を公開しました。スマホで直接モデルを動かすのではなく、自宅PCの大きなモデルを暗号化通信で遠隔から使う設計です。すでにLM Studioでローカルモデルを運用しているなら、母艦PCを起動したまま外出先のスマホから同じモデルへアクセスできる点が実利になります。
【用語解説】
- LM Studio: PC上でローカルにLLMをダウンロードして動かせるデスクトップアプリ。モデル管理やローカルサーバー機能を備える。
- LM Link: LM Studioの端末接続機能。手元の端末からPC上のモデルを安全に遠隔利用できる。
- エンドツーエンド暗号化: 通信の送信元と受信先以外が中身を読めないようにする暗号化方式。
引用元:
- [1] Run (your largest) local models from your iPhone(LM Studio Blog)
- [2] LM Link 公式ページ(LM Studio)
- [3] Locally – AI Local AI Chat(App Store)(Apple App Store)
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。