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Apr 22 2026 AIニュース

Codex大型アップデートは「Claude Code・Cowork」と何が違うのか

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📖 この記事で分かること

  • Codex新機能の核は「コンピュータ操作」と90超プラグイン
  • Claude Code・CoworkはDispatchでスマホ連携を先行
  • Mac中心の提供範囲と権限設計に両者は差がある
  • 選び方はワークフローの軸で変わる可能性があります

💡 知っておきたい用語

  • コンピュータ操作:AIが画面を見て、自分のカーソルでクリックや入力をする仕組み。いわば「目と手を与えられたAIの遠隔作業」です。

最終更新日: 2026年4月22日

Codex「for (almost) everything」で何が変わったのか

OpenAIは2026年4月16日、Codexデスクトップアプリを大幅に更新し、コーディング以外の作業にも軸足を広げました。単なるコード補助から「デベロッパー業務のハブ」へと位置付けが変わったアップデートです。

2月2日にmacOS版、3月4日にWindows版として登場したCodexアプリが、今回の更新で次のような機能を取り込みました。

  • バックグラウンド コンピュータ操作(macOSで先行提供、EUと英国は後日)
  • Codex内ブラウザ(ローカルや未ログインの公開ページ向け)
  • gpt-image-1.5による画像生成
  • メモリ プレビュー(Enterprise、Education、EU、英国は順次提供)
  • 長期稼働の自動化(日単位・週単位の継続タスク)
  • 90を超えるプラグイン(MCP【エムシーピー】サーバーやアプリ連携を統合)
  • 複数ターミナルタブ、SSH越しのリモートdevbox接続、PRレビュー、ファイルのリッチプレビュー

OpenAIはCodexを週3百万人以上の開発者が利用していると公表しています。公式チェンジログや公式発表は、今回の更新を「アプリの新規ローンチ」ではなく、既存アプリの役割拡張と位置付けている点に注意が必要です。

Claude CodeとCoworkの現状

Anthropicは、Claude CodeとCoworkに対し、2026年3月23日付で「コンピュータ操作」機能を研究プレビューとして追加しました。4月3日にはWindowsへも提供範囲が広がりました。

AnthropicのサポートドキュメントとClaude公式リリースノートによると、現状の特徴は次のとおりです。

  • 提供対象は現時点でClaude ProとMaxプラン(Team・Enterpriseは当初対象外)
  • まずコネクタ(Google Workspace、Slackなど)を優先し、対応がない場合のみ画面を操作する「コネクタ優先」設計
  • CoworkはClaude Desktop内のタブとして利用し、非エンジニアも想定
  • Claude Codeはターミナル中心のコーディング エージェントを拡張する位置付け
  • Dispatch(3月17日ローンチ、Cowork内の研究プレビュー)により、iPhoneや他のスマホからタスクをデスクトップ側のセッションに引き渡せる
  • Claude CodeはCLI、Desktop、IDE拡張、Web、モバイルから利用でき、v2.1系でgit worktreeのネイティブ対応やサブエージェントの並列実行などが入っています

The New Stackなどの報道は、AnthropicがCowork初期に指摘されたデータ流出脆弱性に言及し、機微データと並行利用しない運用を推奨していることも伝えています。

比較:Codex vs Claude Code・Cowork

ここでは公開情報の範囲で両者を横に並べ、差分の輪郭を整理します。断定的な優劣はつけず、「どこを強みに置いたか」の違いとして読むのが実態に近いはずです。

観点OpenAI Codex(4月16日更新後)Claude Code / Cowork
主対象デベロッパー中心、業務周辺にも拡張Claude Code=デベロッパー、Cowork=非エンジニア含む
コンピュータ操作バックグラウンド実行、macOSで先行、複数エージェント並列を公式に訴求コネクタ優先のフォールバック設計、macOS先行でWindowsへ拡大
ブラウザ連携アプリ内ブラウザ(ローカル・未ログインの公開ページ向け)基本はデスクトップ側のアプリ/ブラウザを画面操作
モバイル連携公式発表ではモバイル起点の持続スレッドは中心機能として強調されていませんDispatchでスマホからタスクをハンドオフ
拡張・統合90超のプラグイン(MCPサーバー・連携アプリを統合)コネクタ、MCP、サブエージェント、worktree並列など
メモリプレビュー提供(Enterprise、Edu、EU、英国は順次)ClaudeのメモリやDispatchの継続スレッドで文脈を保持
対応プランChatGPTサインインのCodexデスクトップ利用者に順次Claude ProとMax(Team・Enterpriseは当初対象外)
料金体系ChatGPT各プラン内の提供として運用Claude ProとMaxの月額プランに付帯

いくつか補足があります。Codexの「複数エージェント並列」はMac上のアプリをまたいだ作業の同時進行を前面に出した設計です。一方のClaude Codeは、git worktreeを使ったコード領域の並列化が得意領域で、狙う並列性のレイヤーが異なります。ブラウザ連携も、Codexはアプリ内の専用ブラウザを備えるのに対し、Claude側はコネクタがない場面で画面をクリックするアプローチを取っています。

運用者が考えたい選び方

どちらを主軸にするかは、チームの業務設計次第と考えられます。単純な優劣比較ではなく、「その組織で何を自動化したいのか」に照らすほうが実態に合います。

開発プロセスのハブとしてAIを置きたい場合、CodexはPRレビュー、複数ターミナル、リモートdevboxなど開発ライフサイクルを広く覆う方向に寄せています。プラグインが厳選された90超という規模もカウントできます。非エンジニアを含めて「手の作業」を渡したい場合、Coworkがファイル操作や画面操作を標準装備するうえ、Dispatchでモバイルからのタスク投入も研究プレビューの段階から使えます。

実運用面での注意点も両者に共通します。

  • 画面操作型AIは現状どれも研究プレビューや早期段階で、完璧ではありません。再試行が必要な場面があります
  • 機微データや本番の金融・医療・人事情報との同居は避けるのが無難です。両社とも注意を呼びかけています
  • EUや英国での提供は段階的で、Codexのコンピュータ操作とメモリの一部は順次展開、CoworkもWindows対応が4月3日に追加された新段階にあります

企業導入ではセキュリティ レビューとログ監査の設計が前提になります。両社とも安全策を強化していますが、プロンプト インジェクション対策など、運用側の手当ても必要な領域です。

今後の論点

今回の更新で鮮明になったのは、コード生成以上の「作業の委任」がAIアシスタントの主戦場になりつつあるということです。OpenAIはCodexを業務全般の制御レイヤーへ、Anthropicは開発者向けのClaude CodeとDesktop統合のCoworkを両輪に据え、互いに近接領域で競り合っています。

今後の注目は次の3点です。第一に、macOS先行の機能がEU・英国・Enterpriseにどう広がるか。第二に、プラグインとMCPを軸とした拡張エコシステムの選別(キュレーション型vs開放型)の行方。第三に、スマホ起点(Dispatch)やスケジュール実行など、「人がいない時間」に動くAIの安全性と信頼性の積み上げです。

どちらも研究プレビューや段階提供が多く、仕様は変動します。現時点では「触って見極める」局面であり、本番依存の前に小さな業務から試すのが現実的な入り口になりそうです。


よくある質問

Q: Codexの新機能はすべての人にすぐ使えますか?

A: バックグラウンド コンピュータ操作は当初macOS限定で、EUと英国は後日提供とされています。メモリ プレビューもEnterprise、Education、EU、英国は順次展開です。自分のプランや地域での提供状況は、OpenAIのチェンジログやアプリ内の案内で確認するのが確実です。

Q: Claude Code・Coworkのコンピュータ操作はどのプランで使えますか?

A: Anthropicの公表情報によると、現状はClaude ProとMaxのサブスクリプションが対象で、Team・Enterpriseは当初対象外です。macOSは3月23日、Windowsは4月3日に提供開始となっています。

Q: どちらを選べば良いですか?

A: 開発ライフサイクルの自動化が軸なら Codex が選択肢になりやすく、非エンジニアを含むチームのデスクトップ業務やモバイル起点のタスクハンドオフを重視するなら Claude Code・Coworkが合う可能性があります。最終的にはチームの業務設計とセキュリティ要件に照らす判断となります。


まとめ

Codexの4月16日アップデートは、コード生成ツールから開発業務のハブへと役割を広げるものでした。対するAnthropicは、3月以降のClaude Code・CoworkとDispatchで、デスクトップとモバイルを結ぶハンドオフを先行させています。どちらも研究プレビュー段階の機能が多く、画面操作の性質上、セキュリティ設計と併走させる運用が求められます。製品差の本質は「何を軸に置いたワークフローか」にあり、選択は機能リストの多寡ではなく、自組織の業務構造との相性で決まります。


【用語解説】

  • コンピュータ操作: AIが画面を見てクリックや入力を行い、アプリをまたいだ作業をこなす機能です。CodexはmacOS先行で並列実行を訴求、Claudeはコネクタ優先のフォールバックとして設計しています。
  • プラグイン: 外部ツールやサービスをAIから呼び出せるようにする拡張モジュールです。Codexは90超のキュレーションされたプラグインを公式に提供しています。
  • MCP【エムシーピー】: Model Context Protocolの略で、AIと外部ツール・データ源を標準的につなぐ取り決めです。CodexのプラグインやClaude側のコネクタ・拡張の基盤として利用されています。
  • Dispatch【ディスパッチ】: Anthropicが2026年3月17日にCowork内で開始した研究プレビュー機能です。iPhone等からタスクを送ると、デスクトップ側のClaudeが持続的なスレッドで作業を進めます。
  • 研究プレビュー: 本番提供前の試験運用版を指します。仕様や挙動は変動する前提で、機微データや本番依存の業務は避けるのが一般的です。

免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。


引用元:

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KOJI TANEMURA

15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。

技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。

また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。

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