OpenAI データレジデンシー - OpenAIがリクエスト単位でリージョンを選べるように。日本は保管のみで処理は対象外 anchor left anchor right

Aug 22 2026 AIニュース

OpenAIがリクエスト単位でリージョンを選べるように。日本は保管のみで処理は対象外

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OpenAI データレジデンシーの更新により、Global geography のプロジェクトの API キーとプレフィックス付きドメインを使って、リクエスト1本ごとに処理リージョンを選べるようになりました。

📖 この記事で分かること

  • リクエスト1本ごとにリージョンを選べるようになった
  • 対応は10リージョン、処理まで選べるのは3つだけ
  • 日本の jp.api.openai.com は保管のみで処理は非対応
  • 利用には10%上乗せと米国外は追加契約が必要

💡 知っておきたい用語

  • データレジデンシー: データを置く国や地域を指定する仕組み。「顧客の情報は国内に置く」といった社内規程や契約条件に合わせるために使う

最終更新日: 2026年8月22日

▶ 公式ページ

OpenAI データレジデンシー - OpenAIがリクエスト単位でリージョンを選べるように。日本は保管のみで処理は対象外

リクエスト単位でリージョンを選べるようになった

この記事のポイント

  • OpenAI が2026年8月21日、API のデータレジデンシーでリクエスト単位のリージョン選択に対応しました。
  • 対応ドメインは10リージョン。ただし処理(推論)まで対応するのは米国・欧州・UAEの3つだけです(2026年8月時点)。
  • 日本の jp.api.openai.com は保管のみ。国内処理を要件にする組織は前提の確認が必要です。

OpenAI は2026年8月21日、API のデータレジデンシー機能を更新しました。Global geography のプロジェクトで発行した API キーを使い、プレフィックス付きドメインを指定してリクエストを送ると、リクエスト1本ごとに処理リージョンを選べます。

従来のデータレジデンシーはプロジェクト単位の設定でした。新規プロジェクトを作るときにドロップダウンでリージョンを選ぶ方式のため、地域ごとにプロジェクトとキーを分ける運用が必要でした。今回の更新では、公式ドキュメントに1つのクライアントと Global プロジェクトの API キーを使い回して global / US / EU のリクエストを出す例が掲載されています。

対応は10リージョン、ただし「保管」と「処理」は別枠

指定できるドメインは10種類です(2026年8月時点)。

  • 米国 us.api.openai.com
  • 欧州(EEA + スイス) eu.api.openai.com
  • オーストラリア au.api.openai.com
  • カナダ ca.api.openai.com
  • 日本 jp.api.openai.com
  • インド in.api.openai.com
  • シンガポール sg.api.openai.com
  • 韓国 kr.api.openai.com
  • 英国 gb.api.openai.com
  • UAE ae.api.openai.com

注意が必要なのは、公式の対応表が「Storage(保管)」と「Processing(処理)」を別の欄として持っている点です。処理まで対応するのは米国・欧州・UAEの3つで、オーストラリア・カナダ・日本・インド・シンガポール・韓国・英国は保管のみとなっています。ドキュメントにも「保管が対応していても処理が対応しているとは限らない」と明記されています。

選んだリージョンが処理に対応していない場合、OpenAI はサービス提供のためにリージョン外で顧客コンテンツを処理し、一時的に保管することがあると公式に記載されています。米国と欧州は音声系エンドポイント、/v1/batches/v1/chat/completions のいずれも保管と処理の両方に対応します。UAE は /v1/chat/completions が保管と処理の両対応である一方、音声系と /v1/batches は保管のみです。

使うには10%の上乗せと追加契約が要る

利用条件も確認が必要です。データレジデンシー対応エンドポイントは、2026年3月5日以降にリリースされ対象となるモデルについて、10%の上乗せ課金が発生します(2026年8月時点)。

適格性の確認には営業への問い合わせが必要で、米国以外のリージョンを使う場合は悪用監視コントロールの承認と Modified Retention amendment の締結が求められます。UAE はさらに追加承認が必要です。既存の適格性要件とデータ保持コントロールの要件は引き続き適用され、使うエンドポイントとモデル自体が処理リージョン指定に対応している必要があります。

なお米国と欧州宛のリクエストでは Cloudflare Regional Services を使い、TLS 終端と HTTPS の復号を選択したリージョン内で行うと説明されています。一方で、アカウント情報・メタデータ・利用統計・課金情報・サポート依頼・構造化出力のスキーマといったシステムデータはデータレジデンシーの対象外です。

編集部の見方

編集部は、今回の更新で実務上いちばん効くのは運用の柔軟さではなく、保管と処理のズレが表に出たことだと見ています。

  • 根拠1: 処理まで対応するのは10リージョン中3つ(米国・欧州・UAE)にとどまります(2026年8月時点)。日本を含む7リージョンは保管のみで、ドメインを jp.api.openai.com に変えても推論が国内で完結するわけではありません。
  • 根拠2: 公式ドキュメントがわざわざ「保管が対応していても処理が対応しているとは限らない」と書いているのは、この誤解が起きやすいことの裏返しです。国内処理を条件に社内審査を通した案件では、前提が崩れる可能性があります。
  • 根拠3: コスト面でも、対象モデルは10%の上乗せがかかり、米国外は追加契約が前提です。技術的にドメインを1つ足すだけの手軽さと、契約・審査の重さが釣り合っていません。

この見方が変わる条件は、日本リージョンが処理に対応した場合です。保管のみから処理対応に変われば、国内完結を求める案件でそのまま使える選択肢になります。現時点では、リージョン指定を導入する前に「その要件は保管の話か、処理の話か」を切り分けることをすすめます。


よくある質問

Q: 既存のプロジェクトを作り直す必要はありますか

A: 必要ありません。Global geography のプロジェクトで発行した API キーを使い、リクエスト先のドメインにプレフィックスを付ける方式です。地域ごとにプロジェクトを分ける従来の方法も引き続き使えます。

Q: jp.api.openai.com を指定すれば日本国内だけで処理されますか

A: いいえ。日本は公式の対応表で保管のみの扱いです。処理に対応していないリージョンを選んだ場合、リージョン外で処理・一時保管されることがあると公式に記載されています。

Q: 追加費用はかかりますか

A: データレジデンシー対応エンドポイントでは、2026年3月5日以降にリリースされ対象となるモデルについて10%の上乗せ課金が発生します(2026年8月時点)。


まとめ

OpenAI は2026年8月21日、Global geography のプロジェクトの API キーとプレフィックス付きドメインを組み合わせることで、リクエスト単位で処理リージョンを選べるようにしました。対応ドメインは10リージョンありますが、処理まで対応するのは米国・欧州・UAEの3つです。日本を含む7リージョンは保管のみのため、国内処理を要件にしている場合は導入前に保管と処理のどちらを指しているのかを確認する必要があります。


【用語解説】

  • Global geography: プロジェクト作成時にリージョンを固定しない設定。この設定のプロジェクトで発行したキーが、今回のリクエスト単位のリージョン指定に使える
  • Modified Retention amendment: データ保持の条件を変更する契約の追補。米国以外のリージョンでデータレジデンシーを使う際に締結が必要
  • TLS 終端: 暗号化された通信を受け取って復号する処理。どこで復号されるかがデータの扱われる場所に関わる

引用元:


この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。

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KOJI TANEMURA

15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。