📖 この記事で分かること
- 2026年4月30日、ManusがCloud Computerを全ユーザーに公開
- セッションをまたいでファイル・環境が維持される常時稼働マシン
- SlackボットやDBなど24時間稼働が必要な用途に対応
- 3月のデスクトップ版「My Computer」との組み合わせで両輪が揃う
💡 知っておきたい用語
- エフェメラル環境: 使い終わったら消えるクラウド上の一時的な作業スペース。Manusの旧サンドボックスがこれに当たり、セッションをまたいでデータが残らなかった。Cloud Computerはこの制約をなくした。
最終更新日: 2026年05月01日
Cloud Computerとは何か
ManusのCloud Computerは、Ubuntu Linuxベースのクラウドマシンをユーザーごとに割り当て、常時稼働させる新機能です。2026年4月30日に全ユーザー向けに一般公開されました。
従来のManusサンドボックス【サンドボックス】はタスクごとに使い捨ての隔離環境を立ち上げる方式で、セッションをまたぐとファイルや設定が消えていました。Cloud Computerはその制約を取り除き、ファイルと実行環境をセッション間で保持します。アクセス手段はSSH【エスエスエイチ】またはWebターミナルで、グラフィカルデスクトップはまだ提供されていません。Manusは「ラップトップを閉じても動き続ける、クラウド上の自分専用マシン」と表現しています。
何ができるようになるか
Cloud Computerが特に有効なのは、PCが落ちていても止まらずに動き続ける必要があるワークフローです。
公式が示している主なユースケースは以下の通りです。
- Slack・DiscordなどのチャットBot常時稼働
- ライブデータベースのホスティング
- 定期レポートのスケジュール実行
- WordPressやMetabaseなどのオープンソースツールのホスティング
Webとモバイルの両方からダッシュボードにアクセスでき、リージョンとストレージサイズを用途に合わせて選択できます。セキュリティについては、環境の隔離とチームごとのアクセス制御が設計されているとしていますが、詳細な仕様は公式ドキュメントを参照する必要があります。
「My Computer」との位置づけ
Manusは2026年3月16日に「My Computer」機能を搭載したデスクトップアプリを公開しています。こちらはMacとWindowsにインストールして、ローカルのファイルやアプリをエージェントが直接操作できるようにする機能です。
今回のCloud Computerと合わせると、Manusは「クラウド常時稼働PC(Cloud Computer)」と「ローカルPC直接操作(My Computer)」の両軸を持つことになります。クラウド側で受けた指示をローカル側に橋渡しするようなシナリオも想定されており、両者の組み合わせが今後の使い方の中心になる可能性があります。
今後の注目点
Cloud ComputerはBasic・Standard・Advancedの複数プランで提供されるとみられていますが、価格や詳細なスペックの差異については確認できる範囲が限られており、公式ページでの確認を推奨します。
なお、ManusをめぐってはMeta(旧Facebook)による約20億ドルの買収が進められていましたが、2026年4月27日に中国・国家発展改革委員会が買収禁止を決定し、取引の解消を命じたと報じられています。Cloud Computerは引き続き全ユーザーへの提供が続けられる見通しですが、会社の運営体制が今後どう変化するかは不透明な部分が残ります。
よくある質問
Q: Cloud Computerは無料プランでも使えますか?
A: 公式発表では「全ユーザー向けに公開」とされていますが、プランによってリソース量や稼働時間の上限が異なる可能性があります。詳細は公式ダッシュボードで確認してください。
Q: 従来のManusサンドボックスとの違いは何ですか?
A: 従来のサンドボックスはタスクが終わるとファイルや設定が消えるエフェメラル環境でした。Cloud Computerはセッションをまたいでファイルと環境が維持されるため、ボットや定期処理など継続的なワークフローに対応できます。
Q: グラフィカルデスクトップは使えますか?
A: 現時点では提供されていません。アクセス手段はSSHとWebターミナルのみです。
まとめ
ManusのCloud Computerは、クラウドエージェントの課題だった「セッションをまたいで動き続けられない」という制約を取り除く機能です。3月のMy Computer(ローカルPC操作)との組み合わせで、クラウドとローカルの両方をカバーする体制が整いつつあります。買収問題という不確定要素はあるものの、機能としての方向性は明確で、常時稼働型の自動化を検討しているユーザーにとって選択肢の一つになります。
【用語解説】
- サンドボックス: 本番環境に影響を与えないよう隔離されたテスト・実行用の仮想環境。Manusの旧方式では、タスクごとにサンドボックスが生成・破棄されていた。
- SSH【えすえすえいち】: Secure Shell の略。暗号化されたネットワーク接続でリモートのサーバーを操作するためのプロトコル。
- Ubuntu【うぶんとぅ】: Canonical社が開発するLinuxディストリビューション。サーバー用途でのシェアが高く、Cloud ComputerのベースOSとして採用されている。
免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。
引用元:
- [1] Testing Catalog「Manus launches Cloud Computer with hosting capabilities」- https://www.testingcatalog.com/manus-launches-cloud-computer-with-service-hosting-capabilities/
- [2] Manus公式ブログ「Introducing My Computer: When Manus Meets Your Desktop」- https://manus.im/blog/manus-my-computer-desktop
- [3] CNBC「Meta’s Manus launches desktop app to bring its AI agent onto personal devices」- https://www.cnbc.com/2026/03/18/metas-manus-launches-desktop-app-to-bring-its-ai-agent-onto-personal-devices.html
- [4] Invezz「Meta’s Manus drops desktop AI: is this the end of cloud-only agents?」- https://invezz.com/news/2026/03/18/metas-manus-drops-desktop-ai-is-this-the-end-of-cloud-only-agents/
- [5] AdwaitX「Meta’s Manus Unveils Cloud Sandbox for AI Agent Execution」- https://www.adwaitx.com/meta-manus-sandbox-cloud-ai-execution/
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15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。
技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。
また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。