「また同じ前提説明をClaudeに入力してしまった……」と感じたことはありませんか?毎回「うちの会社は〇〇で、文体はですます調で」と書き直すのは、正直なところかなり手間ですよね。さらに「先週の打ち合わせメモ、どのチャットに書いたっけ?」とバラバラになった会話を探し回った経験がある方も多いと思います。
実は、そのすべての悩みをまとめて解消してくれる機能がClaudeには用意されています。それが「プロジェクト機能(Projects)」です。
この記事では、Claudeのプロジェクト機能についてわかりやすく解説していきます。
※ Claudeの基本からおさらいしたい方はこちらの記事もご参照ください→ 【今さら聞けない】Claudeとは?初心者向け使い方解説
Claudeのプロジェクト機能とは?――通常チャットとの違い
プロジェクト機能を一言で表すと、「Claudeに自社・自分専用の知識と指示を持たせる専用ワークスペース」です。
通常のチャットでは、Claudeは毎回まっさらな状態でスタートします。前回話した内容はもちろん、あなたの会社のルールや文体の好みも何も知らないため、「うちの会社は……」という前置きを毎回入力する必要がありました。プロジェクト機能を使うと、この問題がすっきり解消されます。
通常チャットとの違いを整理すると、次のようになります。
| 通常チャット | プロジェクト機能 | |
|---|---|---|
| 毎回の前提説明 | 必要 | 不要(ナレッジが自動読み込み) |
| 指示の持続 | 1チャット限り | プロジェクト内ずっと有効 |
| Memory | 全チャット共通 | プロジェクト専用Memoryで独立管理 |
| チャット整理 | バラバラ | プロジェクト単位でまとまる |
プロジェクト機能は2024年6月にリリースされ、2026年3月にはCowork(デスクトップエージェント)との統合も実現しました。毎回ゼロから説明していたClaude との関係が、長期的なパートナーシップへと変わる機能と言えます。
プロジェクト機能の主な5つの機能
プロジェクト機能は、大きく5つの要素で構成されています。順番に見ていきましょう。
① ナレッジベース
PDF・DOCX・TXT・CSVなど主要なファイル形式をプロジェクトにアップロードできます。アップロードしたファイルは、プロジェクト内のすべてのチャットで自動的に参照されるため、「この資料を読んだ前提で回答して」と毎回指示する手間がなくなります。
ファイルのアップロードだけでなく、テキストの直接ペーストにも対応しています。WebページのコピーやメモをそのままClaudeに渡せるのは便利な点です。
② プロジェクト指示(カスタム指示)
「常にですます調で回答してください」「専門用語は使わず高校生にもわかるように説明してください」「当社の製品名は必ず〇〇と表記してください」――そういった指示を一度設定するだけで、プロジェクト内のすべてのチャットに自動で適用されます。
開発者向けの「システムプロンプト」に近いイメージですが、設定は非常にシンプルです。「Set project instructions」をクリックして文章を入力するだけで完了します。
③ プロジェクト専用Memory
プロジェクト内で交わした会話の要点を、Claudeが自動で記録・蓄積してくれる機能です。「先月、Aプロジェクトで決めたことを踏まえて……」というような連続性のある作業も、Claudeが文脈を覚えた状態で対応してくれます。
重要なのは、このMemoryが通常チャットのMemoryとは完全に独立している点です。別のプロジェクトのコンテキストが混ざり込むことはなく、業務ごとにClaudeをきれいに使い分けられます。
④ RAG(検索拡張生成)
コンテキストウィンドウの上限(200,000トークン、約500ページ相当)に近づくと、ClaudeはRAGモードへ自動で移行します。RAGとは「Retrieval Augmented Generation」の略で、必要な情報だけをピンポイントで検索・参照することで、容量を最大10倍に拡張しながら応答の質を維持する仕組みです[3]。
設定は一切不要で、有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)で利用できます。「大量の資料を登録したら使えなくなるのでは」という心配は不要です[3]。
⑤ チャット履歴の整理
プロジェクト内のチャットはすべて1か所にまとまります。「どのチャットに書いたっけ?」という問題がなくなり、過去のやり取りをすぐに見つけられます。
また、単発で開始した既存のチャットも、後からプロジェクトに移動することが可能です。「このチャット、あのプロジェクトにまとめておけばよかった」という状況にも後から対処できます。
プロジェクト機能の始め方――5ステップで完成
では、実際にプロジェクトを作ってみましょう。操作はとてもシンプルで、初めてでも5分かかりません。
ステップ1:プロジェクトを作る 左サイドバーの「プロジェクト」をクリックし、右上の「+ 新規プロジェクト」を押します。プロジェクト名と説明を入力して作成します。なお、ここで入力する名前と説明はClaudeには参照されません。あくまでユーザー自身が管理するためのラベルなので、わかりやすい名前をつけておきましょう。

ステップ2:ナレッジを追加する プロジェクト画面右側のファイル覧にある「+」ボタンをクリックし、ファイルをアップロードします。テキストを直接ペーストすることもできます。社内規程・仕様書・スタイルガイドなど、「Claudeに前提として知っておいてほしい情報」をここに入れましょう。

ステップ3:プロジェクト指示を設定する 手順覧の「+」をクリックし、Claudeへの指示を入力して保存します。「〇〇の役割で回答してください」「回答は必ず箇条書きで」など、このプロジェクト専用のルールをここに書きます。
ステップ4:チャットを開始する プロジェクト内で「New Chat」をクリックすれば、設定済みのナレッジと指示が自動で読み込まれた状態でチャットが始まります。毎回の前置き説明は不要です。
ステップ5:既存チャットを移動する バラバラになっていた過去のチャットは、チャット名の右のドロップダウンから「プロジェクトに追加」を選ぶことでプロジェクトに移動できます。
料金・プランと知っておきたい制限事項
プロジェクト機能はすべてのプランで利用できますが、プランによって使える範囲が異なります。
| プラン | プロジェクト数 | RAG | Memory | チーム共有 | Cowork連携 |
|---|---|---|---|---|---|
| 無料 | 最大5 | × | △(容量制限あり) | × | × |
| Pro(約3,000円/月) | 大幅緩和 | ○ | ○ | × | ○ |
| Max(約15,000〜30,000円/月) | ほぼ無制限 | ○ | ○ | × | ○ |
| Team(約3,000〜3,750円/人月) | ほぼ無制限 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| Enterprise | ほぼ無制限 | ○ | ○ | ○(管理者権限付き) | ○ |
使う前に知っておきたい制限もあります。
チャット間でコンテキストは共有されない プロジェクト内に複数のチャットがある場合、あるチャットでの会話内容は別のチャットには引き継がれません。共有されるのは、ナレッジベースに追加したファイルや指示のみです。「前のチャットで話した内容」を別のチャットで参照させたい場合は、その内容をナレッジに追加する必要があります。
プロジェクト名・説明文はClaudeに参照されない プロジェクト名と説明文はユーザーの管理用ラベルです。Claudeへの指示は必ず「プロジェクト指示」に入力してください。名前を見てClaudeが空気を読んでくれるわけではないので注意しましょう。
チーム共有はTeam/Enterpriseプランのみ 「Can use(閲覧・チャットのみ)」と「Can edit(編集権限あり)」の2段階でメンバーを招待できますが、この機能はTeam以上のプランに限定されています[2]。
アーカイブすると共有権限がリセットされる プロジェクトをアーカイブすると、すべてのメンバーのアクセス権限が削除されます。セキュリティ上の仕様ですが、間違えてアーカイブしないよう注意が必要です。
2026年の新機能:Coworkとの統合でさらに進化
2026年3月17日、Cowork Projectsがリリースされました。これにより、ブラウザ版Projectsを1クリックでCowork(デスクトップアプリ)にインポートできるようになりました。
Coworと連携させると、プロジェクト内でCoworkを起動してローカルPCのファイルを読み書き・編集・整理するタスクを自動実行できます。ファイルはクラウドではなく、PCにそのまま保存されるためセキュリティ面でも安心です。
さらに、2026年3月2日には Memory機能が無料ユーザーへも開放されました。MemoryとCowork Projectsがほぼ同時期に強化されたことで、「忘れないClaude」がプロジェクト単位で本格的に機能するようになっています。これまでは「1回の会話が賢い」だけだったClaudeが、長期・反復作業でも圧倒的に頼れる存在へと進化しました。
まとめ
Claudeのプロジェクト機能を使うと、次の3つの悩みがまとめて解消されます。
- 毎回同じ前提説明を入力する手間
- チャットがバラバラに散らばる問題
- 指示の内容が毎回ブレる問題
無料プランでも最大5プロジェクトまで作成できます。まずは1つ、よく使う業務テーマでプロジェクトを作ってみましょう。「なぜもっと早く使わなかったのか」と思うはずです。
よくある質問(FAQ)
Q1. プロジェクト機能は無料プランでも使えますか?
基本的なプロジェクト機能は無料プランでも利用できます。無料プランでは最大5プロジェクトまで作成可能です。ただし、RAG(大容量のナレッジを扱う機能)とMemory機能は有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)が対象です。より本格的に活用したい場合はProプラン以上をご検討ください。
Q2. チャット間でナレッジは共有されますか?
ナレッジベースに追加したファイル・テキストはプロジェクト内のすべてのチャットで共有されます。ただし、あるチャットの会話内容は別のチャットには引き継がれません。「前のチャットで話した内容」を別のチャットで参照させたい場合は、その内容をナレッジに追加する必要があります。
Q3. プロジェクト名や説明文はClaudeに読まれますか?
読まれません。プロジェクト名と説明文はユーザーの管理用ラベルです。Claudeへの指示は必ず「プロジェクト指示(Set project instructions)」に入力してください。名前を見てClaudeが空気を読んでくれるわけではないので注意しましょう。
Q4. チームメンバーとプロジェクトを共有できますか?
Team・Enterpriseプランのみ可能です。「Can use(閲覧・チャットのみ)」と「Can edit(編集権限あり)」の2段階でメンバーを招待できます。Proプランでは共有機能は使えないため、チームでの利用にはTeamプランへのアップグレードが必要です。
Q5. Cowork連携はどのプランから使えますか?
Pro・Max・Team・Enterpriseプランが対象です。Cowork自体のご利用にはClaude Desktopアプリ(macOS・Windows対応)が必要です。無料プランではCowork機能は利用できません。
最終更新日:2026年04月19日
※免責事項 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、最新情報については各サービスの公式サイトをご確認ください。
Citations:
[1] Anthropic公式ヘルプ「What are projects?」
[2] Anthropic公式ヘルプ「How can I create and manage projects?」
[3] Anthropic公式ヘルプ「Retrieval augmented generation (RAG) for projects」
[4] Anthropic公式ヘルプ「Manage project visibility and sharing」
生成AI・IT活用の初心者向け解説を得意とするWebライター。
商品開発や業務効率化のコンサルタントとして10年以上の活動を行い、現在は中小企業のデジタル活用支援や、AIツールの導入・教育コンテンツ制作を多数手がける。DX研修の受講者数は100名を優に超える。
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