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Feb 27 2026

Perplexity Computerとは?19のAIモデルを統合する新エージェント

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📖 この記事で分かること

  • Perplexity AIが複数AIモデルを統合する新製品を発表
  • 19以上のAIモデルを自動で使い分けるマルチエージェント設計
  • Max契約者向けに月額200ドルで提供開始、従量課金制
  • AI業界は「チャットボット」から「自律型エージェント」へ移行中

💡 知っておきたい用語

  • マルチエージェント・オーケストレーション:1つの大きな仕事を小さなタスクに分解し、それぞれ得意なAIモデルに自動で振り分ける仕組みのこと。会社でいえば、プロジェクトマネージャーが専門チームに仕事を割り振るイメージです。

最終更新日: 2026年02月27日

Perplexity Computerの概要:検索AIから「汎用デジタルワーカー」へ

Perplexity AIは2026年2月25日、新製品「Perplexity Computer」を発表しました。従来のAI検索エンジンの枠を超え、リサーチ・設計・コーディング・デプロイまでを一気通貫で実行するマルチエージェント・システムです。

CEOのアラヴィンド・スリニヴァス氏はX(旧Twitter)上で、過去2カ月間の開発成果として本製品を公開しました。同社はPerplexity Computerを「2026年のパーソナルコンピュータのあるべき姿」と位置づけています。従来のチャット型AIが「回答」を返し、エージェント型AIが「タスク」を実行するのに対し、Perplexity Computerは「ワークフロー全体」を自律的に作成・実行する点が特徴です。

ユーザーが求める成果を自然言語で記述すると、システムがタスクとサブタスクに自動分解し、それぞれに最適なAIモデルを割り当てるサブエージェントを生成します。処理は非同期で行われるため、ユーザーはバックグラウンドで作業を進めながら他の業務に集中できます。

19以上のAIモデルを使い分けるマルチモデル設計

Perplexity Computerの中核的な特徴は、単一のAIモデルに依存しない「マルチモデル・オーケストレーション【多モデル連携】」アーキテクチャです。現時点で19以上のフロンティア【最先端】AIモデルを統合しており、タスクの性質に応じて最適なモデルを自動選択します。

公式ブログで公開されている主なモデル構成は以下のとおりです。

  • Claude Opus 4.6(Anthropic):コア推論エンジン。タスクの分解・計画・統括を担当
  • Gemini(Google):ディープリサーチ。サブエージェントを生成して調査を実行
  • Nano Banana:画像生成
  • Veo 3.1(Google):動画生成
  • Grok(xAI):軽量タスクの高速処理
  • ChatGPT 5.2(OpenAI):長文コンテキスト処理と広範なWeb検索

Perplexity側は「モデルアグノスティック【モデル非依存】な設計」と説明しており、各モデルの進化に応じて構成を柔軟に変更できるとしています。ユーザー自身が特定のサブタスクに使用するモデルを手動で指定することも可能です。

各タスクは隔離されたコンピューティング環境(サンドボックス【隔離領域】)で実行され、実際のファイルシステム、ブラウザ、ツール連携機能にアクセスできます。数時間から数カ月にわたって継続的に稼働でき、過去の作業内容を記憶する永続メモリや、数百種類の外部サービスとの連携コネクタも備えているとのことです。

利用料金とプラン:Max契約者向けに従量課金制を導入

Perplexity Computerは、同社として初めてコンシューマー向けにトークン【処理単位】ベースの従量課金を導入しました。これまでの定額サブスクリプション【月額制】モデルからの大きな転換です。

現時点での提供条件は以下のとおりです。

  • 対象プラン:Perplexity Max(月額200ドル/年額2,000ドル)の契約者のみ
  • 月間クレジット:10,000クレジットが月額に含まれる
  • ローンチ特典:既存ユーザーにはローンチ時点で、新規ユーザーにはサインアップ時に20,000クレジットのボーナスが付与(付与から30日間有効)
  • 支出管理:ユーザーが利用上限(スペンディングキャップ)を設定可能
  • モデル選択:サブタスクごとに使用モデルを選択し、トークン消費量をコントロール可能

Perplexity Pro(月額20ドル)およびEnterprise向けの展開は、今後数週間以内に予定されていますが、クレジット配分の詳細はまだ公表されていません。

競合比較と今後の注目点

Perplexity Computerは、OpenClaw(オープンソースAIエージェント)やMeta Manus AIなど、近年急速に増えている「パーソナルAIエージェント」カテゴリに参入する製品です。ただし、競合製品とはいくつかの点で設計思想が異なります。

OpenClawがユーザーのローカル環境で直接動作するのに対し、Perplexity Computerはクラウド上のサンドボックス環境で完結します。これはセキュリティ面では利点ですが、ローカルデバイスとの直接的な連携には制約があります。PCWorldの報道によると、Perplexity社はOpenClawのメール誤削除事件を踏まえた安全設計を意識しているとされています。

Semaforは、AI企業が新製品を発表するたびに市場の期待と不安の両方が増幅される傾向を指摘しており、製品の実際の性能よりもその期待感そのものが話題の中心になりがちだと報じています。

今後の注目ポイントをまとめます。

  • Pro・Enterpriseプランへの展開時期と料金体系:一般ユーザーが使えるようになるかは料金次第
  • 実際のタスク完了精度と信頼性:長時間稼働での安定性や、サブエージェント間の連携品質
  • 従量課金モデルの持続性:19のAPIプロバイダーの料金変動やモデル廃止サイクルへの対応
  • 競合エージェント製品との差別化:OpenClaw、Manus AI、さらにはGoogleやOpenAI自身のエージェント製品との競争

よくある質問

Q: Perplexity Computerは無料で使えますか?

A: 現時点では利用できません。Perplexity Max(月額200ドル/年額2,000ドル)の契約者のみが対象です。今後、Pro(月額20ドル)やEnterprise向けにも展開される予定ですが、時期やクレジット配分は未公表です。

Q: Perplexity Computerはパソコンにインストールして使うものですか?

A: いいえ。Perplexity Computerはクラウド上で動作するサービスです。ユーザーのローカル環境にインストールする必要はなく、Perplexityのウェブアプリからアクセスします。タスクはクラウド上のサンドボックス環境で実行されます。

Q: どのAIモデルが使われるかは自分で選べますか?

A: はい。基本的にはシステムがタスクに応じて最適なモデルを自動選択しますが、ユーザーが特定のサブタスクに対して使用モデルを手動で指定することも可能です。これにより、トークン消費量やコストのコントロールもできます。


まとめ

Perplexity Computerは、AI業界が「チャットボット」から「自律型デジタルワーカー」へ移行する潮流を象徴する製品です。19以上のフロンティアAIモデルをClaude Opus 4.6で統括し、リサーチからコーディング、デプロイまでを一気通貫で処理するマルチエージェント設計は、単一モデルに依存する従来のアプローチとは一線を画しています。一方で、月額200ドルの料金設定や従量課金の導入、クラウド限定の動作環境など、ユーザーにとっての費用対効果は実際の利用量と業務内容に大きく左右されます。まずはローンチ特典の20,000ボーナスクレジット(既存・新規ユーザーともに対象)を活用しながら、自身のワークフローに合うかどうかを試してみるのがよいでしょう。


【用語解説】

  • オーケストレーション: 複数のAIモデルやツールを連携させ、全体のワークフローを自動で管理・調整する仕組み。指揮者がオーケストラの各楽器を統率するように、適切なモデルに適切なタスクを割り振ります。
  • サンドボックス: プログラムを隔離された安全な環境で実行する仕組み。万が一AIが予期しない動作をしても、ユーザーのデバイスや他のシステムに影響が及ばないように設計されています。
  • フロンティアモデル: 現時点で最も高性能とされる最先端のAIモデルの総称。GPT-5.2、Claude Opus 4.6、Geminiなど、各社が開発競争を繰り広げている大規模言語モデルを指します。
  • トークン: AIがテキストを処理する際の最小単位。日本語の場合、おおよそ1文字が1〜2トークンに相当します。AIの利用料金は、処理したトークン数に基づいて計算されることが一般的です。

免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。


引用元:

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KOJI TANEMURA

15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。

技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。

また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。