GLM-5.3 - Z.aiがGLM-5.3の重みを公開。土台は前世代のまま、伸びは追加学習だけ anchor left anchor right

Aug 29 2026 AIニュース

Z.aiがGLM-5.3の重みを公開。土台は前世代のまま、伸びは追加学習だけ

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GLM-5.3 は Z.ai が 2026 年 8 月 27 日に重みを公開したオープンウェイトの MoE モデルで、土台は GLM-5.2 と同一のまま事後学習だけで性能を伸ばしたと開発元が明記しています。

📖 この記事で分かること

  • GLM-5.3の重みが公開された時期と配布形態
  • 前世代GLM-5.2から何がどれだけ伸びたか
  • 自前で動かすのに必要な容量と実行基盤
  • ライセンスに付いた大手事業者向けの条件

💡 知っておきたい用語

  • オープンウェイト: モデルの中身である重みが配布され、手元の機材で動かせる状態のこと。学習データや訓練手順まで開示する形とは範囲が違います
  • 事後学習: 土台のモデルを作り終えた後、目的に合わせて追加で仕込む訓練のこと

最終更新日: 2026年8月29日

▶ 公式ページ

GLM-5.3 - Z.aiがGLM-5.3の重みを公開。土台は前世代のまま、伸びは追加学習だけ

Z.aiがGLM-5.3の重みを配布開始

この記事のポイント

  • Z.aiがGLM-5.3(2026年8月時点)の重みをHugging Faceで公開しました。公開コミットは2026年8月27日、最終更新は8月28日です。
  • 土台のモデルはGLM-5.2と同じで、性能の伸びはすべて事後学習によるものだと開発元が明記しています。
  • 重みは合計755.6GB(2026年8月時点)。手元で動かすには相応の機材が必要です。

Z.ai は GLM-5.3 の重みを Hugging Face 上で配布し、誰でもダウンロードして自分の環境で動かせる形にしました。公開コミットは 2026 年 8 月 27 日で、評価結果を追記した最終更新が 8 月 28 日です。

この公開で目を引くのは順位表の数字そのものより、モデルカードに書かれた作り方の説明です。Z.ai は「GLM-5.3 は GLM-5.2 と同じ土台のモデルを使っており、すべての向上は事後学習によるもの」と明記しています。土台を作り直さず、その後の訓練だけで性能を動かしたという主張です。

公開されたベンチマークの中身

開発元は複数のベンチマーク結果を表で公開しています。同じ土台のまま数字が大きく動いたのは、端末上で作業を完了させる課題を測る Terminal Bench 3.0 です。GLM-5.2 の 4.6 に対し GLM-5.3 は 28.3 で、6 倍を超える差が付きました。コーディング面では自社内製の Z.ai Code Bench で GLM-5.2 比 50% の改善があったとしており、開発元は「コーディングで最も高性能なオープンウェイトモデル」と位置づけています。

ただし表全体で最高というわけではありません。Terminal Bench 3.0 の表中最高は GPT-5.6 Sol の 34.6 で、Fable 5(w/ fallback)が 33.7、Opus 4.8 が 21.1 と続きます。Terminal Bench 2.1 も GLM-5.3 の 88.2 に対し GPT-5.6 Sol が 88.8、Kimi K3 が 88.3 です。Agents’ Last Exam(ALE-CLI)も GLM-5.3 の 28.5 に対し GPT-5.6 Sol が 28.6 でわずかに上回っています。

GLM-5.3 が表中で最高値を取ったのは 3 項目です。脆弱性の発見を測る CyberGym が 84.5(Fable 5 は 83.8、GPT-5.6 Sol は 83.6)、AutomationBench(v1.0.6)が 48.2、GDPval-AA v2 が 1769 でした。

セキュリティ関連の項目については、開発元自身が想定を超えたと書いています。モデルカードには「事後学習を拡大するにつれ、サイバー能力が予想より速く伸びた」との記述があり、ExploitGym(2 時間 / 6 時間)は GLM-5.2 の 29 / 39 から 105 / 130 へと 2 倍以上に、ExploitBench も 24.4 から 54.4 に上がりました。もっともこの領域も最高値ではなく、ExploitGym は GPT-5.6 Sol が 216 / 293、ExploitBench は Fable 5 が 78.0 と、いずれも GLM-5.3 を上回っています。

動かす条件とライセンスの制約

配布されている重みは safetensors 形式で 141 ファイル、合計 755.6GB(2026年8月時点)です。fp8(e4m3)のブロック量子化が適用済みの状態でこの容量のため、個人の手元で気軽に試せる規模ではありません。

構成は MoE【エムオーイー】で、78 層、hidden_size は 6144、ルーティング用の専門家 256 個に共有 1 個を加え、1 トークンあたり 8 個の専門家を使います。最大コンテキストは 1,048,576 トークン、語彙数は 154,880 です。実行基盤としては SGLang、vLLM、TokenSpeed、Transformers、KTransformers、Unsloth が挙げられており、Ascend NPU 向けには vLLM-Ascend、xLLM、SGLang が対応するとされています。

挙動の制御では、reasoning_effort に low / high / max の 3 段階が用意されています。指定しない場合は max が使われるため、思考量を抑えたい場合は明示的に渡す必要があります。またチャット用途では clear_thinking=true を明示的に渡すようモデルカードが指示しています(既定値は false)。

ライセンスは「GLM-5.3 License」という独自の名称です。中身は使用・改変・再配布・販売まで広く許可する内容ですが、条件 2 に固有の制約が置かれています。API などを通じて第三者が入力・パラメータ・学習データを実質的に制御できる形で推論や微調整を提供する事業(Model as a Service)を運営し、かつ関連会社を含む累計総収入が任意の連続 12 か月で 100 億ドルを超える場合、商用利用の前に Z.AI のセキュリティレビューを通過する必要があります。問い合わせ先として glmlicense@z.ai が示されています。

編集部の見方

編集部は、今回の公開で注目すべきは順位表の上位争いではなく、土台を作り直さずに性能を動かせたという手順の側だと考えます。

  • 根拠1: Terminal Bench 3.0 が 4.6 から 28.3 へ動いた一方で、開発元は土台のモデルが GLM-5.2 と同一だと明記しています。事前学習をやり直さずに済むなら、更新の間隔と費用の前提が変わります。
  • 根拠2: ただし総合力で先頭に立ったわけではありません。表中最高は GPT-5.6 Sol と Fable 5 に多く、GLM-5.3 が最高値なのは CyberGym 84.5、AutomationBench 48.2、GDPval-AA v2 1769 の 3 項目です。「オープンウェイトの中で」という限定が付く主張だと読むのが妥当です。
  • 根拠3: 755.6GB という容量は、手元での検証コストがそのまま導入判断の壁になることを意味します。まず試すなら自前構築より対応済みの実行基盤経由が現実的です。
  • この見方が変わる条件: 第三者による再現結果が出て、自社内製の Z.ai Code Bench 以外でも同じ幅の改善が確認できた場合、評価の重心は手順論から性能そのものに移ります。

なお、サイバー能力の伸びを開発元自身が「予想より速い」と記述している点は、能力の公表姿勢として記録しておく価値があります。数値は公式の自己申告であり、第三者検証を経たものではありません。


よくある質問

Q: GLM-5.3 は誰でも無料で使えますか?

A: 重みは Hugging Face から取得できます。ライセンスは使用・改変・再配布・販売を広く許可していますが、Model as a Service 事業を運営し、かつ関連会社を含む累計総収入が任意の連続 12 か月で 100 億ドルを超える事業者は、商用利用の前に Z.AI のセキュリティレビュー通過が必要です。

Q: GLM-5.2 から何が変わったのですか?

A: 土台のモデルは同じで、事後学習だけが変わったと開発元が説明しています。Terminal Bench 3.0 は 4.6 から 28.3、ExploitBench は 24.4 から 54.4 に上がりました。

Q: 手元の PC で動かせますか?

A: 重みは 141 ファイル・合計 755.6GB(2026年8月時点)です。一般的な個人用 PC の容量とメモリでは動きません。SGLang や vLLM などの対応実行基盤を備えた環境が前提になります。


まとめ

Z.ai は GLM-5.3 の重みを 2026 年 8 月 27 日に公開し、翌 28 日に評価結果を追記しました。土台は GLM-5.2 と同一で伸びは事後学習によるものだと明記されており、Terminal Bench 3.0 は 4.6 から 28.3 に動いています。一方で表中最高値の多くは GPT-5.6 Sol と Fable 5 が占めており、GLM-5.3 が最高なのは CyberGym・AutomationBench・GDPval-AA v2 の 3 項目です。導入を検討する場合は、755.6GB という容量と、大手 Model as a Service 事業者に課される事前審査の条件を先に確認しておく必要があります。


【用語解説】

  • MoE: 多数の専門家モジュールを抱えつつ、入力ごとに一部だけを呼び出す構成。全体を動かさないため計算量を抑えられます
  • fp8 量子化: 数値を 8 ビットで表して重みの容量を圧縮する手法。精度と引き換えに配布と実行の負荷を下げます
  • コンテキスト: モデルが一度に読み込める文章量の上限。GLM-5.3 は 1,048,576 トークンです

引用元:


この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。

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KOJI TANEMURA

15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。