Gemini Omni 1.1 Flash は、Google が 2026年8月27日に開発者向けへ公開した生成動画モデルです。シーン延長が参照する直前の映像が従来の1秒から最大10秒に拡大し、10秒刻みで累計40秒まで継ぎ足せるようになりました。
📖 この記事で分かること
- シーン延長の参照が1秒から10秒へ拡大した点
- 10秒刻みで累計40秒まで継ぎ足せる上限
- 360pで下書きし4Kで仕上げる二段構えの狙い
- 有料ティア限定で1秒約$0.10という実費感
💡 知っておきたい用語
- シーン延長:できあがった動画の続きを、同じ世界観のまま描き足す機能。前の場面をどれだけ覚えていられるかで、続きの自然さが決まります。
最終更新日: 2026年8月28日
▶ 公式ページ
- Gemini Omni 1.1 Flash lets you build with more control(Google 公式ブログ)
- Gemini API の料金表(Google AI for Developers)

Gemini Omni 1.1 Flash で何が変わったか
この記事のポイント
- Google は 2026年8月27日、生成動画モデル Gemini Omni 1.1 Flash(2026年8月時点)を開発者向けに公開しました。
- シーン延長が参照する直前の映像は、従来モデルの「最後の1秒だけ」から最大10秒へ拡大。10秒刻みで累計40秒まで延長できます。
- 提供は Gemini API の有料ティア限定で、720p 動画の実効価格は1秒あたり約$0.10(2026年8月時点)です。
今回の更新の中心は、映像の品質そのものより「思いどおりの画にする手綱」の側にあります。Google は Omni 1.1 を、Google AI Studio 経由の Gemini API で本番利用できる状態(production-ready)になったと位置づけました。公式の料金表でも、モデル ID gemini-omni-1.1-flash は有料ティアでの一般提供と明記されています。
制御のために足された5つの機能
追加されたのは、生成した映像を後から寄せていくための操作系です。
- シーン延長: 既存の動画の続きを生成します。従来モデルが直前の1秒しか参照しなかったのに対し、Omni 1.1 は最大10秒を解析します。10秒刻みで延長でき、累計の長さは最大40秒までです。
- 最初と最後のフレーム指定: 開始フレームと終了フレームを与えると、その間の映像が連続生成されます。カメラのオービットやズーム遷移、途切れないループ映像に向きます。
- 360p ドラフト: 標準の 720p と比べ、生成が最大60%高速でコストは3分の1になります。Google は「最大60%高速」を 360p と 720p のシステムスループット比較に基づく値だと注記しています。
- アップスケール: 最終出力を 1080p または 4K で生成できます。
- 動画リファレンス: マルチモーダル入力に最大3秒の動画を参照として渡し、視覚的な文脈やキャラクターの見た目を保てます。
API 上では、client.interactions.create に直前の生成 ID(previous_interaction_id)を渡してシーンを継ぎ、response_format の resolution で解像度を指定する形が公式例として示されています。
料金と使える場所
有料ティアのみの提供で、無料枠はありません。100万トークンあたりの単価は入力が $1.50(テキスト・画像・動画・音声)、出力がテキスト $9.00、動画 $17.50(2026年8月時点)です。課金は出力トークンの総量で決まり、720p 動画は1秒あたり 5,792 トークン換算になります。Google はこれを実効で1秒あたり約$0.10と説明しています。上限いっぱいの40秒を 720p で作り切ると、単純計算で約$4.0です。
利用経路は Google AI Studio(Gemini API)と Gemini Enterprise Agent Platform の Agent Platform API。加えて発表と同日から、Google AI Plus / Pro / Ultra の契約者に Google Flow で全世界提供され、シーン延長は Gemini アプリでも同じ契約者が使えます。導入例として Google は Adobe(Firefly への統合)、Figma Weave、GMI Cloud、Runway を挙げました。
一方で、1080p / 4K のアップスケールに追加課金があるかは公式価格表に個別記載がなく不明です。360p の「3分の1のコスト」も Google の表現で、価格表に 360p 単体の単価はありません。日本語 UI での提供時期と、Flow で消費するクレジット量も未記載です。
編集部の見方
編集部は、実務に一番効くのは 4K でも40秒でもなく 360p ドラフトだと見ます。
- 根拠1: 参照が1秒から10秒に伸びたことで、延長の成否が運とキャラ崩れに左右されにくくなりました。ただし40秒を 720p で作り切ると単純計算で約$4.0かかり、試行回数がそのまま費用になります。
- 根拠2: 360p は最大60%高速でコストは3分の1(Google の表現)。当たりが出るまで安く回し、通ったカットだけ 4K に上げる二段構えが取れます。制御機能が増えるほど「試す回数」が増えるので、下書き段の安さが効きます。
- 根拠3: 無料ティアが提供対象外である以上、検証コストは最初から全額が実費です。安い下書き手段の有無が、検証を回せるかどうかを分けます。
この見方が変わる条件は、1080p / 4K のアップスケールに別料金が設定されていた場合です。公式価格表に個別記載がなく現時点では不明なため、「安く試して高く仕上げる」の総額試算は料金表の更新を確認してから固めるのが安全です。
よくある質問
Q: 40秒より長い動画は作れますか
A: シーン延長で継ぎ足せる累計の長さは最大40秒までと公式に記載されています。10秒刻みでの延長になります。
Q: 無料で試せますか
A: 公式の料金表では Gemini Omni 1.1 Flash の無料ティアは「Not available」と記載され、有料ティア限定の提供です。ただし Google AI Plus / Pro / Ultra の契約者は Google Flow から利用できます。
Q: 既存の Gemini Omni から乗り換える必要はありますか
A: モデル ID が gemini-omni-1.1-flash として一般提供されているため、シーン延長の参照長やフレーム指定を使いたい場合に切り替える価値があります。旧モデルの提供終了時期は公式に記載がありません。
まとめ
Gemini Omni 1.1 Flash は、生成そのものより制御を厚くした更新です。シーン延長の参照が1秒から10秒に伸び、累計40秒までの継ぎ足しと、最初と最後のフレーム指定が可能になりました。360p で安く試し、通ったものを 4K に上げる流れが公式に用意された点が、費用面での実務的な変化です。提供は有料ティア限定で、720p は1秒あたり約$0.10です。
Gemini Omni の他の使い方は、以下の記事でも詳しく解説しています:
【用語解説】
- アップスケール: できあがった低い解像度の映像を、より高い解像度に引き上げる処理。ここでは 1080p や 4K での出力を指します。
- API【エーピーアイ】: 外部のプログラムから機能を呼び出すための窓口。ここでは自作アプリから動画生成を実行する経路を指します。
- 有料ティア: 課金を有効にした利用区分。Gemini API では無料の試用枠と区別され、今回のモデルは有料側だけで提供されます。
引用元:
- [1] Gemini Omni 1.1 Flash lets you build with more control(Google 公式ブログ)
- [2] Gemini API pricing(Google AI for Developers)
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。