Googleの新文字起こしGemini 3.5 Transcribe公開。話者の聞き分けは3人まで anchor left anchor right

Aug 27 2026 AIニュース

Googleの新文字起こしGemini 3.5 Transcribe公開。話者の聞き分けは3人まで

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Gemini 3.5 Transcribe は、Google が2026年8月26日に public preview として公開した音声文字起こしモデルで、85言語超の自動検出と最大3話者の聞き分けに対応します。

📖 この記事で分かること

  • 精度の数字が2組ある理由と、その読み分け方
  • 公開された2つのモデルIDと対応API
  • 議事録用途に直接効く「話者3人まで」の制約
  • public preview 段階で判断材料に足りていない点

💡 知っておきたい用語

  • WER: 文字起こしの成績表。読み上げた語のうち何語を取り違えたかの割合で、低いほど正確

最終更新日: 2026年8月27日

▶ 公式ページ

Gemini 3.5 Transcribe とは

この記事のポイント

  • Google が 2026年8月26日、音声文字起こしモデル「Gemini 3.5 Transcribe」を public preview で公開しました(2026年8月時点)。
  • 85言語超を自動検出。録音済み音声で WER 2.6%、リアルタイムで 4.0% と、条件によって精度が変わります。
  • 話者の聞き分けは最大3人まで。料金は公式に未記載で、本番採用の判断材料は揃っていません。

Google は2026年8月26日、音声文字起こしモデル「Gemini 3.5 Transcribe」を public preview として公開しました。前世代の Chirp 3 からの置き換えにあたるモデルで、雑音や専門用語、言い淀みを含む生の音声を、整形済みのテキストへ直接変換することを狙っています。

特徴は、単一モデルではなく用途で2つに分かれている点です。リアルタイム処理向けの gemini-3.5-transcribe-live は Live API 経由で、双方向ストリーミングとサブ秒のレイテンシに対応します。録音済み音声向けの gemini-3.5-transcribe は Interactions API 経由で、話者の帰属と単語レベルのタイムスタンプを返します(2026年8月時点)。

精度の数字は2組ある

公開された精度の数字は2組あり、測定条件が異なります。ここを混ぜると評価を誤ります。

1組目は WER【ダブリューイーアール】で、ストリーミング 4.0%、非ストリーミング 2.6% です。2組目は多言語ベンチマーク FLEURS 上の値で、ストリーミング 5.50%、非ストリーミング 5.04% です。同じ「WER」という単位でも、対象とする音声と言語セットが違うため、そのまま横並びで比較できる数字ではありません。他社モデルとの比較記事を読むときも、どちらの条件の数字を引いているかを確認する必要があります。

もう一つ、両方の組に共通して読み取れることがあります。どちらの条件でも、非ストリーミングのほうがストリーミングより精度が高いという点です。差は1組目で1.4ポイント、2組目で0.46ポイント。リアルタイム性と精度のトレードオフが、公式の数字にそのまま出ています。

速度面では、最終確定までの時間が Chirp 3 比で70%改善したとされています(Artificial Analysis 測定)。ここで改善したのは「文字が出るまでの速さ」ではなく「訂正が止まって確定するまでの速さ」である点は、リアルタイム字幕を設計する上で意味が違います。

議事録に使うなら話者3人の制約を先に見る

日本の業務利用でまず想定されるのは会議の議事録ですが、この用途には制約が直接効きます。話者分離が対応するのは最大3話者までで、それを超える人数は experimental の扱いです(2026年8月時点)。

つまり、1対1の商談録音や2〜3人の打ち合わせなら仕様の範囲に収まりますが、5人以上が参加する定例会議やパネル形式の収録は、現時点で仕様上の保証対象外ということになります。話者ラベルの取り違えは議事録の信頼性を直撃するため、パイロット導入するなら参加人数で切り分けるのが現実的です。

提供先は、Gemini API(Google AI Studio 経由)、Google Antigravity、そして企業向けのGemini Enterprise Agent Platformです。プロダクト側では既に Gemini アプリと Android、Gboard の Rambler 機能に投入済みで、macOS 版 Gemini アプリでは function calling と組み合わせて利用できます。Chrome のディクテーション対応は coming soon とされています。

編集部の見方

編集部は、今回の更新で最も効くのは WER の改善そのものではなく、リアルタイム用と録音済み用でモデルとAPIを分けた構成だと見ます。

  • 根拠1: 精度の数字が示すとおり、両者にはトレードオフが存在します。1つのモデルで両方をまかなう設計では、どちらかに寄せた妥協が避けられません。分離されていれば、用途ごとに最適な側を選べます。
  • 根拠2: 改善したのが「最終確定までの時間」70%である点も、この読みを補強します。確定の速さが効くのはリアルタイム側であり、録音済みバッチ処理では優先度が下がる指標です。指標の選び方自体が、用途分離を前提にしています。
  • 根拠3: 一方で、現時点では本番採用の判断はできません。public preview であり、料金が公式に記載されていないためです。文字起こしは処理量が読みやすく、単価が総コストをほぼ決めます。単価不明のまま移行計画を立てるのは順序が逆です。

この見方が変わる条件は2つあります。料金が公開され、かつ話者分離の上限が experimental を外れて4人以上へ引き上げられた場合、議事録用途でも第一候補になり得ます。逆に3話者の制約が残るなら、当面は「会議録」ではなく「音声入力とリアルタイム字幕」のモデルとして位置づけるのが妥当です。


よくある質問

Q: すぐに業務システムへ組み込めますか

A: 技術的には Gemini API 経由で試せますが、public preview 段階であり料金も公式に記載されていません(2026年8月時点)。検証環境での評価に留め、本番移行はGA と料金の公開を待つのが安全です。

Q: WER 2.6% と 5.04% は、どちらが本当の実力ですか

A: どちらも公式の数字で、測定条件が違います。2.6% は非ストリーミングの値、5.04% は多言語ベンチマーク FLEURS 上の非ストリーミング値です。自社で扱う言語と、リアルタイムか録音済みかによって、参照すべき数字が変わります。

Q: 4人以上の会議では使えませんか

A: 使えないわけではなく、3話者を超える分離が experimental の扱いという意味です。話者ラベルの精度が保証されないため、誰の発言かを正確に残す必要がある議事録では、事前に自社の音源で検証する必要があります。


まとめ

Google が公開した Gemini 3.5 Transcribe は、リアルタイム用と録音済み用でモデルとAPIを分けた構成を取り、非ストリーミングで WER 2.6%、ストリーミングで 4.0% を示しています。85言語超の自動検出に対応する一方、話者の聞き分けは最大3人までという制約があります。public preview で料金が未記載である以上、現時点では検証対象であり、移行判断の材料はまだ揃っていません。


【用語解説】

  • ストリーミング: 音声を受け取りながら逐次テキストを返す方式。字幕や音声入力のように、話し終わる前から結果が必要な場面で使う
  • 話者分離: 録音の中で「誰が話したか」を区別してラベルを付ける処理。議事録では発言者の特定に直結する
  • public preview: 一般に試せる状態で公開されているが、正式提供前の段階。仕様変更や制限が残る

引用元:


この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。

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KOJI TANEMURA

15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。