📖 この記事で分かること
- コードレビューの深さがLite/Balancedの2段階
- 既定が9月28日にBalancedへ変わる
- Liteを維持するには事前の明示選択が必要
- Balancedは実行時間とクレジットを多く消費
💡 知っておきたい用語
- effort level: レビューにどれだけ手間をかけるかの設定。人間のレビューにも「ざっと目を通す」と「腰を据えて読む」があるが、その切り替えを設定として持たせたもの。
最終更新日: 2026年9月30日
Copilotのコードレビューに「深さ」の設定が入り、既定が切り替わる
この記事のポイント
- GitHubは2026年8月7日、Copilotコードレビューのeffort levelを一般提供にしました。
- 深さは「Lite」と「Balanced」の2段階です。
- 既定は当初Liteでしたが、2026年9月28日からBalancedに変わります(2026年9月時点)。
- Liteを維持するには、9月28日より前に設定でLiteを明示選択する必要があります。
- 対象はCopilot Pro / Pro+ / Max / Business / Enterprise。
GitHubはCopilotコードレビューのLiteとBalancedというeffort levelを一般提供に切り替えました。これによりプルリクエストの複雑さやリスクに合わせて、レビューにかける深さを選べます。
その後の公式発表で、この設定に大きな変更が加わりました。effort levelの一般提供に続き、Copilotコードレビューの既定の深さがLiteからBalancedに変更されます。具体的には、2026年9月28日以降、既存・新規のリポジトリと組織で「Default」の値がBalancedを使うようになります。Liteを既定として維持したい場合は、9月28日より前に設定でDefaultから外してLiteを明示的に選択すれば、その選択が尊重されBalancedへ切り替わりません(2026年9月時点)。
つまり、深さを明示していないチームは、9月28日を境に自動的に深い側のレビューへ移行します。設定を触っていないこと自体が「Balancedを選んだ」のと同じ結果になる点が、この変更の要注意ポイントです。
なお、プレビュー段階の「Low」「Medium」は、それぞれ「Lite」「Balanced」へ改称されました。既存の設定は新しい名称へ自動的に引き継がれるため、設定し直す必要はありません。

LiteとBalancedの違い
Liteが軽量な標準レビュー、Balancedがより深い分析、という役割分担です。Liteはバグ・セキュリティ脆弱性・スタイルの不整合など目立つ問題に的を絞った、コスト効率のよいレビューです。Balancedは複雑なロジック、セキュリティ上重要なコード、サービスをまたぐ変更を、より高い推論能力のモデルで深く分析します。
単に文章量が増えるのではなく、読む対象の広さとモデルが変わる設定だという位置づけです。ドキュメント更新や小さな修正には的を絞ったフィードバックで十分な一方、複雑なロジック・セキュリティ上重要なコード・サービスをまたぐ変更は、より深い分析の恩恵を受けます。
深さには代償があります。Balancedのレビューはより多くのAIクレジットを使い、GitHub Actionsの実行時間もわずかに多く消費する場合があります。ルーチンな変更をLiteで流し、リスクの高い変更をBalancedへ寄せるCopilotのレビュー機能全体の使い分けを意識すると、コストと精度のバランスを取りやすくなります。
ただし、追加コストの具体的な数値は公開されていません。公式ドキュメントの表現は「より多くのクレジット」「わずかに多い実行時間」という定性的なもので、消費量の定量値やプレミアムリクエスト課金への影響は明記がありません(2026年9月時点)。
誰がどこで深さを決めるのか
設定は組織とリポジトリの2階層が基本です。組織の既定は、自前の深さを選んでいない配下の全リポジトリに適用されます。リポジトリの既定は、そのリポジトリ内で自動リクエストされる全レビューに適用されます。リポジトリ側で設定した場合は、組織の既定を上書きします。
個々のユーザーが、レビュー単位で深さを選ぶこともできます。Copilotにレビューを依頼するとき、ルーチンな変更ならLite、規模が大きい・複雑・機微な変更ならBalancedを選べます。この選択はそのレビューだけに適用され、リポジトリや組織の既定は変わりません。
実行後の透明性も用意されています。Copilotコードレビューは、どの深さで実行されたかをタイムラインのイベントとプルリクエストの概要コメントの両方に表示します。BalancedとLiteのどちらで走ったかが一目で分かり、リポジトリをまたいでレビューの深さを追いやすくなっています。指摘の漏れを追うとき、浅い設定で流したのか、深く読ませた上で出てこなかったのかを切り分けられます。
設定できる範囲も広がりました。2026年9月23日以降、Copilot設定内の専用「コードレビュー」ページが、Copilot BusinessやCopilot Enterpriseを含む全プランで利用できるようになりました。加えて、認可されたエンタープライズ管理者は、エンタープライズ全体に1つの既定の深さ(Lite / Balanced / GitHubの既定)を設定できるようになりました。この既定は継承を通じて組織所有のリポジトリに適用されます。
対象プランはCopilot Pro / Pro+ / Max / Business / Enterpriseです(2026年9月時点)。
編集部の見方
編集部は、今回のポイントは新しい使い方の習得ではなく、9月28日の既定切替に対して各組織が「意識的に選ぶ」ことだと見ます。放置は選択の放棄であり、コストと深さの両面で結果が変わります。
- 根拠1: 既定がLiteからBalancedへ変わり、9月28日より前にLiteを明示選択したチームだけが従来の深さを維持できます。設定を触らないチームは、自動的に深い側へ移行します。
- 根拠2: Balancedはより多くのAIクレジットと、わずかに多いActions実行時間を消費します。全リポジトリを一律Balancedのまま走らせるとコストへ跳ね返るため、どのリポジトリを深く読ませるかの線引きが要ります。
- 根拠3: 使われた深さがタイムラインとプルリクエストのコメントに記録されます。指摘が出なかった理由を「浅く流したから」か「深く読んでも無かったから」かで切り分けられます。
この見方が変わる条件は、Balancedの追加コストが定量的に示された場合です。現時点では消費量の具体的な数値が公開されていないため、線引きの基準は各組織の実測に委ねられています。深さと同様にコスト面の運用管理を進めたいなら、Copilotエージェントの活動を監視ツールで追う仕組みも合わせて検討する価値があります。
よくある質問
Q: 既存のeffort level設定は作り直しが必要ですか
A: 不要です。プレビュー時の「Low」「Medium」は「Lite」「Balanced」へ改称され、既存の設定は新しい名称へ自動的に引き継がれます。
Q: これまで通りLiteのままにしたい場合はどうすればよいですか
A: 9月28日より前に、組織またはリポジトリの設定で「Default」から外してLiteを明示的に選択してください。その選択は尊重され、既定がBalancedへ切り替わることはありません(2026年9月時点)。
Q: Balancedにすると料金はどれだけ増えますか
A: 具体的な増加量は公開されていません。Liteより多くのAIクレジットを使い、GitHub Actionsの実行時間もわずかに多く消費する場合があるとされていますが、消費量の数値やプレミアムリクエスト課金への影響については明記がありません(2026年9月時点)。
Q: 組織の既定とリポジトリの設定が食い違ったらどちらが優先されますか
A: リポジトリ側の設定が組織の既定を上書きします。組織設定は、リポジトリが個別に指定しない場合の既定として働きます。
まとめ
GitHubは2026年8月7日、Copilotコードレビューのeffort levelを一般提供にしました。LiteとBalancedの2段階で、当初の既定はLiteでしたが、2026年9月28日から既定がBalancedへ変わります。Liteを維持するには、それより前に設定でLiteを明示選択する必要があります。Balancedは複雑なロジックやセキュリティ上重要なコード、サービスをまたぐ変更をより深く分析する一方、Actionsの実行時間とAIクレジットを多く消費します。AIによるコードレビューは、常に同じ深さで走らせるものから、対象のリスクに応じて深さとコストを配分するものへ移りつつあります。
AI主導のコードレビューが広がる中、専用のセキュリティレビュー機能を持つ別サービスの動きは以下の記事で詳しく解説しています:
【用語解説】
- プルリクエスト: コードの変更をチームに提案し、取り込む前にレビューを受けるための単位。
- ランナー: GitHub Actionsの処理を実際に動かす実行環境。処理が重いほど、性能の高いランナーが必要になる。
- セルフホストランナー: GitHubが用意する環境ではなく、自社で管理するマシン上で処理を動かす方式。
免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
💡 編集部メモ
編集部が注目しているのは、この既定切替が単発ではなく、同じ週にチャットのデータ保持や課金の見直しと同時に走っている点です。GitHubがCopilotを「開発者向けの一機能」から、予算管理・データガバナンス・管理者の統制を前提とした企業向けソフトとして扱い始めた兆候だと読めます。まずは自組織のコードレビュー設定を開き、Default表示のままか、明示的にLite/Balancedを選んでいるかを確認しておくことをおすすめします。
引用元:
- [1] Copilot code review effort levels are generally available(GitHub Changelog) – https://github.blog/changelog/2026-08-07-copilot-code-review-effort-levels-are-generally-available
- [2] Upcoming changes to GitHub Copilot policies and billing(GitHub Changelog) – https://github.blog/changelog/2026-08-28-upcoming-changes-to-github-copilot-policies-and-billing/
- [3] More ways to request and configure Copilot code reviews(GitHub Changelog) – https://github.blog/changelog/2026-09-23-copilot-code-review-more-ways-to-request-and-configure-reviews/
- [4] Configuring code review by GitHub Copilot(GitHub Docs) – https://docs.github.com/en/copilot/how-tos/copilot-on-github/set-up-copilot/configure-code-review
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。