📖 この記事で分かること
- Codex Security Review が research preview で提供開始
- PRの差分と脅威モデルを読むセキュリティ専用レビュー
- 手動コマンドと自動実行の2系統で起動できる
- Plusは対象外。検出結果はPRの公開範囲を継承する
💡 知っておきたい用語
- プルリクエスト(PR): 変更したコードを本体に取り込む前に、他のメンバーへ確認を依頼する仕組み。書類を回覧して承認をもらう流れに近いものです
最終更新日: 2026年8月7日
▶ 公式ページ
- Codex Security Review ドキュメント(ChatGPT Learn)
- Codex の GitHub 連携ドキュメント(ChatGPT Learn)
- 発表投稿(OpenAI Developers 公式X)

Codex Security Review が research preview で提供開始
この記事のポイント
- OpenAI が Codex Security Review を research preview として公開しました(2026年8月時点)。
- PRの差分とリポジトリ文脈、設定済みの脅威モデルを読み、通常のコードレビューより深くセキュリティ固有のリスクを見ます。
- 対象は ChatGPT Enterprise・Business・Edu・Pro で、Plus は対象外です(2026年8月時点)。
OpenAI は Codex Security Review を research preview として提供開始しました。GitHub のプルリクエストを対象に、セキュリティ観点だけを専門に見るレビュー層を追加するものです。
公式ドキュメントによれば、Codex Security Review はPRの差分に加えて、それを支えるリポジトリ側のコードと、設定済みの脅威モデルやセキュリティガイダンスを読み込んで解析します。既存の Codex コードレビューが一般的なコード品質を対象にしていたのに対し、こちらは認証・認可・入力処理・ファイルシステムアクセス・ネットワークリクエスト・シークレットの取り扱いといった領域に重点を置きます。
起動方法は手動と自動の2系統
起動経路は2つ用意されています。設定を変えずに試すなら手動、恒常的に回すなら自動という切り分けです。
手動の場合は、PRのコメント欄に @codex security review と書き込みます。通常のコードレビューを呼ぶ @codex review とは別のコマンドとして分かれており、必要なPRだけを指定して走らせられます。
自動実行を選ぶ場合は、どのPRを対象にするかをリポジトリ側の設定で指定したうえで、実行タイミングを選びます。用意されているのは「On PR open」(PRが作成された時)、「Every push」(プッシュのたび)、「Whenever code review runs」(コードレビューが走るタイミングに合わせる)の3種類です。この自動実行を設定するには、対象リポジトリに対する GitHub の push または admin 権限が必要になります。
レビュー観点をリポジトリ固有の事情に寄せたい場合は、AGENTS.md にカスタムルールを記述する方法が案内されています。避けたい実装パターンと、その代わりに使う安全な書き方をサービス単位・コンポーネント単位で整理しておく形です。
なお検出結果は、設定した重大度のしきい値に基づいてPRへ投稿されます。しきい値を上げれば投稿は減り、下げれば拾う範囲が広がります。CLI 経由で使う場合は、重大度・確信度・CWE 識別子・該当ファイルの位置を含む構造化 JSON として出力でき、GitHub Actions・GitLab CI/CD・Azure Pipelines・Jenkins といった CI 環境に組み込めます。
利用条件と、検出結果の可視性という注意点
利用できるのは ChatGPT Enterprise・Business・Edu・Pro の各プランです(2026年8月時点)。Plus は対象に含まれていません。導入期間中は ChatGPT のクレジットを消費しないと明記されていますが、利用制限がかかる場合があるとの但し書きも付いています。
運用面で最も注意が必要なのは、検出結果の見え方です。公式ドキュメントは、PRに投稿された検出結果はそのPRの GitHub 上の可視性をそのまま引き継ぐと明示しています。つまり公開リポジトリのPRでレビューを走らせた場合、まだ修正されていない脆弱性の指摘が、誰でも読める状態で並ぶ可能性があります。
非公開リポジトリであれば影響は限定されますが、OSS を公開リポジトリで運用しているチームがそのまま自動実行を有効にすると、修正前の弱点を自ら公開する形になりかねません。重大度のしきい値設定と、対象PRの絞り込みを先に決めておく必要があります。
編集部の見方
編集部は、今回の更新で効くのは検出の賢さより レビューが走る場所がPRに移ったこと だと見ています。
- 根拠1: 手動の
@codex security reviewに加えて、PR作成時・プッシュのたび・コードレビュー実行時の3タイミングで自動化できます。セキュリティレビューを「思い出したらやる作業」から外せる点が実務上は大きい変化です。 - 根拠2: 通常のコードレビューは表示をP0/P1に絞る設計になっており、そこにセキュリティ固有の観点を混ぜると埋もれます。別レイヤーとして切り出したのは構造として妥当です。
- 根拠3: 導入期間中はクレジットを消費しないため、既存の GitHub ワークフローを変えずに試験導入できます(2026年8月時点)。
この見方が変わる条件は、検出結果の可視性の扱いです。PRの公開範囲を継承する仕様のままであれば、公開リポジトリ中心の OSS プロジェクトでは自動実行を有効にしにくく、採用は社内の非公開リポジトリに偏ります。可視性を切り離す設定が入るかどうかが、適用範囲を左右します。
よくある質問
Q: 通常の Codex コードレビューとは何が違いますか
A: 対象範囲が違います。通常のコードレビューは一般的なコード品質を見て、表示をP0/P1の重要度に絞ります。Codex Security Review は認証・認可・入力処理・ファイルシステムアクセス・ネットワークリクエスト・シークレットといったセキュリティ固有の領域を、脅威モデルの設定を踏まえて深く見ます。
Q: ChatGPT Plus でも使えますか
A: 使えません。対象は ChatGPT Enterprise・Business・Edu・Pro です(2026年8月時点)。
Q: 公開リポジトリで使っても問題ありませんか
A: 検出結果はPRの GitHub 上の可視性を引き継ぎます。公開リポジトリでは指摘内容が第三者からも読める状態になるため、重大度のしきい値と対象PRの範囲を決めてから有効化する必要があります。
まとめ
Codex Security Review は、GitHub のプルリクエストに常駐するセキュリティ専用のレビュー層として research preview で公開されました。手動コマンドと3種類の自動実行タイミングが用意され、AGENTS.md でリポジトリ固有のルールも設定できます。対象プランは ChatGPT Enterprise・Business・Edu・Pro で、導入期間中はクレジットを消費しません。導入判断で先に決めておくべきは、検出結果がPRの公開範囲を継承する点への対応です。
【用語解説】
- 脅威モデル: そのシステムがどこから、どんな手口で攻撃されうるかを事前に整理したもの。レビュー時に「何を優先して疑うか」の基準になります
- CWE【シーダブリューイー】: ソフトウェアの弱点の種類に共通の番号を振った分類体系。指摘が同じ弱点を指しているかを機械的に照合できます
- research preview: 正式提供の前段階として、機能を限定的に公開して評価を集める提供形態
引用元:
- [1] Codex Security Review(ChatGPT Learn / OpenAI)
- [2] Codex code review in GitHub(ChatGPT Learn / OpenAI)
- [3] Review code changes for security(ChatGPT Learn / OpenAI)
- [4] Codex Security Review 発表投稿(OpenAI Developers 公式X)
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。