Gemini Robotics ER 2 - Gemini Robotics ER 2 が「脳」に専念。実行はVLAへ分離し異種ロボが連携 anchor left anchor right

Jul 31 2026 AIニュース

Gemini Robotics ER 2 が「脳」に専念。実行はVLAへ分離し異種ロボが連携

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Gemini Robotics ER 2 は、Google DeepMind が2026年7月30日に発表した、ロボットの高レベルな計画と複数ロボットの協調を担うモデルです。

📖 この記事で分かること

  • Google DeepMind が発表した3モデルの役割分担
  • 「計画する脳」と「動かす実行系」を分けた構造
  • ER 2 のベンチマークが得意な領域と苦手な領域
  • 今すぐ触れるのはどのモデルか(提供状況)

💡 知っておきたい用語

  • VLA【ブイエルエー】: 映像と言葉を受け取って、そのまま体の動きに変換するモデル。人でいえば「見て、聞いて、手を動かす」までを一息でやる部分
  • エンボディド・リージョニング: 現実の空間や物の位置関係を踏まえて考えること。地図を見て道順を組み立てる作業に近い

最終更新日: 2026年7月31日

▶ 公式ページ

Gemini Robotics ER 2 - Gemini Robotics ER 2 が「脳」に専念。実行はVLAへ分離し異種ロボが連携

Google DeepMind が発表した3モデルの構成

Google DeepMind は2026年7月30日、ロボット向けの次世代モデル群「Gemini Robotics 2」を発表しました。単一モデルの更新ではなく、役割の異なる3本立てになっている点が今回の特徴です。

この記事のポイント

  • Google DeepMind が2026年7月30日に Gemini Robotics 2 を発表(2026年7月時点)。
  • 計画を担う ER 2 と、体を動かす VLA が別モデルに分かれた構成。
  • ER 2 はモーメント検出91.3%、進捗分類57.4%。
  • ER 2 のみ Gemini API と Google AI Studio で一般提供、他はアーリーアクセス限定。

発表されたのは次の3つです。全身制御を担う VLA モデルの「Gemini Robotics 2」、高レベルの計画を担う「Gemini Robotics ER 2」、そしてローカル実行向けに効率化した「Gemini Robotics On-Device 2」(2026年7月時点)。On-Device 2 は新しいロボット機体への適応が「わずか数時間」で済むとされています。

このうち Gemini Robotics 2 は「feet to fingertips(足から指先まで)」という表現で全身制御をうたっており、自然言語の指示に従ってヒューマノイドがテーブルまで歩いてじょうろを取り、棚まで数歩進んで正確に置く、といった協調動作を実行します。

「脳」と「実行系」を分けた階層アーキテクチャ

今回の構成でいちばん構造的な変化は、考える側と動かす側が別モデルに切り離されたことです。

ER 2 は公式に「ロボットの高レベルな脳(the robot’s high-level brain)」と位置づけられています。自らモーターを制御するのではなく、映像・音声・テキストを実時間でストリーミングしながら行動をオーケストレーションし、実際のモーター実行は下位の VLA に委譲します。

この分離が効くのは、ロボットごとに違う「体」の部分を差し替えても、計画する側を共通で使い回せるからです。実際、対応プラットフォームには Apptronik Apollo 2、Franka Duo、Dexmate、SO101、Trossen が挙がっており、機体の種類は一様ではありません。

複数ロボットの協調も同じ考え方で成立しています。Apptronik Apollo 2 と Franka F3 Duo のような異なるロボット同士が、共有された意味理解(shared semantic understanding)を介して作業を受け渡し、単体では難しいワークフローを完了させます。機種ごとに専用の連携処理を書くのではなく、意味のレイヤーで揃える設計です。

ベンチマークが示す ER 2 の得意と不得意

公開された数値を見ると、ER 2 が現時点でどこまでできるかの輪郭がはっきりします。

強いのは時間軸の把握です。モーメント検出(Moment-Finding)は91.3%の精度、平均絶対距離0.96秒。映像のどのフレームで重要な出来事が起きたかを、ほぼ1秒以内の誤差で特定できます。成功/失敗の検出も、静止したスナップショットではなく連続した映像フィード上で動くようになりました。計器の読み取りはデジタル表示、リニアスケール、定規、液体温度計など10種類に拡張されています。

一方で、進捗分類(Progress Classification)は0〜100%の5段階で57.4%の精度にとどまります。「いつ起きたか」は高い精度で当てられるのに対し、「いま全体のどこまで進んだか」の判定はまだ半分強という段階です。長時間の自律作業を任せる前提なら、この差は運用設計で埋める必要があります。

安全面では、安全指示の遵守と人間近接の項目で ER 1.6 および競合のフロンティアモデルを上回るとされています。人が近くにいるとヒューマノイドを停止させ、その領域が空いたら自律的に作業を再開する動作が示されました。

VLA 側の数値も公開されています。全身マニピュレーション全般(Apollo + Inspire ハンド)で成功率45.7%〜76.3%、多指の器用さ(SharpaWave ハンド)はタスクにより32%〜92%、グリッパの器用さ(Franka Duo)で74.2%〜89.6%。タスクによる振れ幅が大きく、汎用の実行系としてはまだ幅を許容する前提での運用になります。

提供状況とどこから触れるか

3モデルは提供の段階が揃っていません。ここが実務上の判断を分けます。

ER 2 は Gemini API と Google AI Studio で一般提供され、GitHub にコード例も置かれています(2026年7月時点)。Gemini Enterprise Agent Platform では非公開プレビューの扱いです。対して VLA および On-Device モデルはアーリーアクセスのパートナーのみで、一般の開発者はまだ触れません。

つまり現時点で誰でも試せるのは「脳」の側だけです。ロボットを保有していない場合でも、ER 2 が扱うのは映像から進捗や成否を判定し、計器を読み、次の手順を組み立てる処理であるため、検証や監視の文脈で評価できる余地があります。

編集部の見方

編集部は、今回の発表で実務にいちばん効くのは全身制御の派手さではなく、ER 2 が API 経由で一般提供されたことだと見ています。

  • 根拠1: 3モデルのうち一般提供は ER 2 のみで、VLA と On-Device はアーリーアクセス限定(2026年7月時点)。今日から評価できるのは計画層だけであり、検証を始められる対象がここに限られます。
  • 根拠2: ER 2 の数値は操作系よりも監視・検証系に寄っています。モーメント検出91.3%、計器読み取り10種類という内容は、ロボットを持たない組織でも映像を扱う業務で意味を持ちます。
  • 根拠3: 異種ロボットの協調が共有された意味理解で成立している以上、機体側の選定を後回しにしても計画層の検討を先に進められます。

この見方が変わる条件は、VLA と On-Device 2 が一般提供に移ったときです。実行系が誰でも使えるようになれば、評価の重心は「計画をどう書くか」から「どの機体でどこまで成功率が出るか」へ移ります。進捗分類が57.4%にとどまっている点も、長時間の自律運用を検討する段階では改めて確認が要る数字です。


よくある質問

Q: ER 2 を使えばロボットを動かせますか

A: ER 2 自体はモーター制御を行わず、計画とオーケストレーションを担います。実際の動作は下位の VLA モデルに委譲される構成で、その VLA はアーリーアクセスのパートナーのみに提供されています(2026年7月時点)。

Q: 手持ちのロボットで使えますか

A: 公表されている対応プラットフォームは Apptronik Apollo 2、Franka Duo、Dexmate、SO101、Trossen です。これ以外の機体での動作可否は今回の発表からは不明です。

Q: 進捗分類の57.4%はどう解釈すべきですか

A: 0〜100%を5段階に分けた判定の精度です。出来事の発生時点を特定するモーメント検出の91.3%と比べて低く、作業全体のどこまで進んだかの把握は発展途上と読めます。


まとめ

Google DeepMind は2026年7月30日、計画を担う ER 2、全身制御の VLA、ローカル向け On-Device 2 からなる Gemini Robotics 2 を発表しました。考える層と動かす層が別モデルに分離され、異種ロボット間の協調は共有された意味理解で成立します。一般提供されているのは ER 2 のみで、実行系はアーリーアクセス段階にあります。


【用語解説】

  • 全身制御: 腕や手だけでなく、移動や姿勢を含めた体全体を一貫して動かすこと。歩きながら物を運ぶような動作が対象になります
  • 共有された意味理解: 複数のロボットが「何をしているか」を同じ言葉のレベルで把握している状態。機種が違っても作業の受け渡しが成立します
  • オンデバイス: クラウドに問い合わせず、機体の内部で処理を完結させる方式。通信の遅延や切断の影響を受けにくくなります

引用元:


この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。

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KOJI TANEMURA

15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。