Bedrock AgentCore は、AWS が 2026 年 6 月 17 日に拡張した AI エージェント運用基盤で、組織・Web・有料ナレッジへの接続と継続的な改善機能を追加しました。
📖 この記事で分かること
- AWS が 2026 年 6 月 17 日に発表した AgentCore 新機能の要点
- 組織・Web・有料ナレッジへエージェントを接続する仕組み
- 継続学習とガバナンス機能で運用がどう変わるか
- 利用開始の条件と対応リージョン
💡 知っておきたい用語
- AIエージェント:指示を受けて自分で手順を考え、ツールを呼び出して作業を進める AI。問い合わせ対応や調査を自動でこなす役割を担います。
最終更新日: 2026年6月19日
▶ 公式ページ
- Amazon Bedrock AgentCore(AWS)
- 新機能の発表ブログ(AWS Machine Learning Blog)

AgentCore 拡張の全体像
AWS は AWS Summit New York 2026 に合わせ、AI エージェント運用基盤 Amazon Bedrock AgentCore(2026年6月時点)に複数の新機能を追加しました。狙いは、エージェントを「組織・Web・有料」のナレッジに接続し、運用しながら継続的に改善できるようにすることです。
この記事のポイント
- AWS が 2026 年 6 月 17 日、Amazon Bedrock AgentCore の新機能群を発表しました。
- Managed Knowledge Base と Web Search が一般提供(GA)になり、組織内データと最新の Web 知識へ接続できます。
- 改善ループ機能や Harness が加わり、米国西部2(us-west-2)でコンソール・CLI から利用できます(2026年6月時点)。
AWS が今回まとめて打ち出したのは、エージェントを「より広い知識につなぐ」「本番で起きる問題を見つけて直す」「能力が上がっても効く統制をかける」という 3 つの方向の機能です。単発のモデル発表ではなく、エージェントを実運用に乗せるための周辺基盤の強化が中心になっています。
組織・Web・有料ナレッジへの接続
エージェントが参照できる知識の幅を、社内データから最新の Web 情報、さらに有料コンテンツまで広げる機能が揃いました。
Bedrock Managed Knowledge Base は一般提供になりました。SharePoint、Google Drive、Confluence、Amazon S3 などの非構造化データソースを自動で統合し、エンタープライズ向けの RAG【アールエージー】パイプラインを構築します。従来の単純な検索を超える「agentic retriever」が、クエリ全体を計画して関連概念を接続し、中間結果を評価しながら回答を組み立てる設計です。
Web Search on AgentCore も一般提供となり、規制の変更・市場の動き・競合の製品発表といった「世界知識層」をエージェントに与えます。Alexa+、Amazon Quick Suite、Kiro が使う検索インフラを採用し、Zero data egress(顧客の AWS セキュリティ境界からデータを外に出さない)を特徴としています。
さらに AgentCore Payments(プレビュー)と WAF AI Traffic Monetization(一般提供)により、金融フィードやライセンス研究などの有料コンテンツへエージェントがアクセスする経路も用意されました。
継続学習とガバナンス
公開して終わりではなく、本番での挙動を観察して改善し続ける仕組みと、それを安全に保つ統制機能が同時に提供されます。
継続的学習にあたる AgentCore Optimization Loop は、機能ごとに提供段階が分かれています。Insights(プレビュー)は数百セッションにわたる失敗・意図・軌跡のパターンを可視化し、表面化しにくいサイレント障害を検出します。Recommendations & A/B Testing(一般提供)は、システムプロンプトやツール説明の改善案を提示し、テストデータセットに対するバッチ評価で効果を検証します。
エージェントの実行環境となる AgentCore Harness は一般提供です。ファイルシステム、シェル、セッション間メモリ、AWS がキュレーションしたスキル、Web ブラウジングを備え、モデル非依存の設計でセッション途中のモデル切り替えにも対応します。
統制面では Bedrock Guardrails の統合(一般提供)が、プロンプトインジェクション、有害コンテンツ、機密データの露出を検出します。ゲートウェイレイヤーで動作するため、エージェント側から迂回できない構造です。今後は Check Point、Zscaler、Rubrik、Netskope、SentinelOne との連携も予定されています。
編集部の見方
「モデル」より「運用基盤」に重心が移っている:今回の発表は新しい基盤モデルではなく、エージェントを本番運用するための周辺機能が主役です。知識接続・改善ループ・統制を一つのプラットフォームに束ねる方向は、PoC で止まりがちなエージェント導入を運用フェーズへ進めたい層に響きます。
ガバナンスを迂回不可にした設計が実務的:Guardrails をゲートウェイレイヤーで効かせ、エージェントから回避できないとした点は、社内導入の稟議で問われる「暴走・情報漏えいをどう止めるか」に答える形です。Zero data egress の Web Search と合わせ、セキュリティ要件の厳しい企業ほど評価しやすい構成といえます。
現時点では対応リージョンと提供段階に注意:利用開始は米国西部2(us-west-2)からで、機能によって一般提供とプレビューが混在します。日本リージョンでの本番採用を見込む場合は、対象機能の提供状況を都度確認する前提で検証を進めるのが現実的です。
まとめ的な位置づけ
AgentCore の今回の更新は、エージェントを「賢くする」より「運用に耐えるようにする」アップデートです。知識への接続、継続的な改善、そして迂回できない統制という三点が揃ったことで、検証段階のエージェントを本番に持ち込む判断材料が増えました。
よくある質問
Q: 新機能はすぐ使えますか?
A: 米国西部2(us-west-2)リージョンで、発表日からコンソールおよび AgentCore CLI を通じて利用できます。ただし機能により一般提供(GA)とプレビューが分かれます。
Q: Managed Knowledge Base は何が新しいのですか?
A: SharePoint や Google Drive などの非構造化データを自動統合し、クエリ全体を計画して関連概念を接続する「agentic retriever」で、従来の RAG より踏み込んだ検索を行う点です。
Q: セキュリティ面の特徴は?
A: Web Search は Zero data egress で AWS のセキュリティ境界内にデータを保ち、Guardrails はゲートウェイレイヤーで動作してエージェントから迂回できない設計です。
まとめ
AWS は 2026 年 6 月 17 日、Amazon Bedrock AgentCore にナレッジ接続・継続学習・ガバナンスの新機能を追加しました。Managed Knowledge Base と Web Search が一般提供となり、組織内データと最新の Web 知識をエージェントに与えられます。提供は米国西部2から始まり、機能ごとに提供段階が異なります。
【用語解説】
- RAG【アールエージー】: 外部のデータベースや文書を検索し、その結果を踏まえて AI が回答を生成する手法。社内情報に基づいた応答を作る際に使われます。
- Zero data egress: 処理に使うデータを、契約者のクラウド環境(セキュリティ境界)の外へ持ち出さない方式。情報漏えいリスクを抑えます。
- ガードレール: AI の入出力を監視し、不適切な内容や情報漏えいを防ぐ仕組み。今回はエージェントが回避できない位置に置かれています。
引用元:
- [1] New in Amazon Bedrock AgentCore: Build agents with broader knowledge and continuous learning(AWS Machine Learning Blog)
- [2] Top announcements of the AWS Summit in New York, 2026(AWS News Blog)
- [3] Amazon Bedrock AgentCore(AWS)
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。