NotebookLM の使い方を覚えるだけで、議事録作成の3時間が3分で終わります。月曜の朝9時15分。週次定例ミーティングが終わった瞬間。
「じゃ、議事録お願いします」。
上司の一言。固まる若手社員。テーブルに残された録音データ。45分の音声。誰がいつ何を決めたのか、もう一度聞き直す覚悟。ノートPCに広げた真っ白なWordファイル。タイピングする指先。気づけば11時30分。「決定事項とTODO、どこ行った?」。
オフィスのどこかで、毎日繰り返されている光景です。思い当たりませんか?
ところが、この作業は1時間が3分に縮みます。しかも、議事録のクオリティは上がる。使うのはGoogleのNotebookLM。録音をアップロードするだけで、誰が・いつまでに・何をやるかまで自動で抽出する仕組みです。
本記事では、議事録地獄から抜け出す5つの実用ステップを、営業・企画・マーケ・人事・事務、誰でも今日から使えるレベルに落として解説します。
なぜNotebookLMで議事録作成が劇的に変わるのか
ChatGPTで議事録を書かせて、痛い目に遭った経験はありませんか?
「会議で出ていない発言が混じる」「数字が微妙に違う」。よくある話です。これは生成AIが学習データから「それっぽい答え」を作ってしまうから。専門用語でハルシネーション(AIが事実でないことを事実のように生成する現象)と呼びます。
ところが、NotebookLMはここが違います。アップロードした資料以外は一切参照しない。回答は必ず会議の音声・資料の中身だけから組み立てる仕組み。ソースに書かれていないことは答えない、というルールが徹底されているのです。実は、これがNotebookLM最大の差別化ポイントです。
つまり、議事録に「会議で言ってないこと」が入り込むリスクが激減します。
しかも、スマホ1台で完結します。会議室でスマホ録音を回し、その場でアップロード。電車の中で要約まで仕上げてしまう。結果として、議事録のために残業する文化が消える。これは、組織の働き方そのものを変える破壊力です。
開発元はGoogle。Gemini 2.5 Proがバックで動いています。精度は世界最高峰のAIモデル。それを「資料限定モード」で使う発想がNotebookLMの本質です。さらに、同じNotebookLMの音声概要機能を使えばNotebookLMの使い方|通勤30分が学習時間に変わる方法(TechNoisy)も実現できます。議事録だけで終わらせるのは、もったいない。
NotebookLMの使い方ステップ1|録音音声をアップロード
最初のハードルはここです。とはいえ、難しくはありません。
会議が終わったら、録音ファイルをNotebookLM公式サイトの新規ノートブックにドラッグ&ドロップするだけ。対応形式は音声ファイル・PDF・Googleドキュメント・ウェブURL等、幅広い。スマホで録音したm4aファイルでも問題なく読み込めます。
ICレコーダーがなくても大丈夫。スマホの標準ボイスレコーダーで十分。会議室の中央にスマホを置いて録音開始。会議終了と同時に停止。それだけで議事録の素材が手に入ります。
ただし、ひとつ注意があります。NotebookLMはリアルタイム文字起こし機能を持っていません(2026年4月時点・NotebookLMヘルプセンター参照)。会議中にライブで議事録が流れる、ということはできない。あくまで「録音→アップロード→処理」の流れです。
とはいえ、これで十分。なぜなら、会議中はメモを取らずに議論に集中できるから。むしろ、議事録係として参加していた人が、本来の業務にリソースを戻せる。会議の生産性そのものが上がるのです。
NotebookLMでブリーフィング・ドキュメントを生成(ステップ2)
アップロードが終わったら、次のボタンを押します。
NotebookLMの画面右側「ブリーフィング・ドキュメント」を選択。クリック1回。数十秒待つだけで、会議の全体像が自動生成されます。具体的には、主要トピック・参加者の論点・決定事項の概観が一気にまとまる。45分の会議が、A4半ページの要約に圧縮される瞬間です。
ところが、ここで多くの人が止まります。「これで議事録できた」と思ってしまう。実は、ブリーフィング・ドキュメントはあくまで第一段階の要約。会社に提出する議事録としては、もう一段の整理が必要です。
そこで次のステップに進みます。
NotebookLMの使い方ステップ3|「決定事項とTODO」プロンプトを適用
ここが議事録革命の本丸です。NotebookLMのチャット欄に、次のプロンプトを貼り付けます。
「この会議の録音をもとに、以下の3項目を整理してください。①決定事項(誰が・何を・いつまでに)②TODO(担当者・期限・優先度)③継続課題(次回会議までに解決すべき論点)。曖昧な部分はソースに記載がない旨を明記してください」
このプロンプト、シンプルですが破壊力があります。なぜなら、NotebookLMはソースに書かれていないことは答えないルールだから。「ソースに記載がない旨を明記してください」と入れることで、AIが勝手に補完するリスクを完全にゼロにできるのです。
実は、マネーフォワードやソフトバンクの解説記事でも、NotebookLMで議事録を作る基本構造として「決定事項・TODO・継続課題」の三層分解が推奨されています(マネーフォワード「NotebookLMで議事録を作成する基本」 / ソフトバンク「NotebookLMで議事録を効率化」)。一次ソースで裏付けられた、信頼性の高い型です。
そして結果として、45分の会議が、A4一枚の議事録に整理される。所要時間、わずか3分。
NotebookLMで上司向け・チーム向けの二段階要約を生成(ステップ4)
議事録は一種類で終わりません。読み手が違えば、必要な深さも違うからです。
NotebookLMの強みは、同じソースから異なる要約を何度でも出せる点。たとえば次の2パターンを生成します。
- 上司向け(3行要約): 結論・予算インパクト・次のアクション
- チーム向け(詳細版): 担当タスク一覧・期限・関連資料リンク
プロンプトはこう。「この会議の内容を、忙しい経営層向けに3行で要約してください」。次に、「現場メンバーが翌日から動けるレベルで、担当者・期限・タスクを詳細に整理してください」。同じ会議録音から、異なる粒度の議事録が2分以内に2種類生成されます。
ところで、ここまでくると気づきます。議事録作成は「書く仕事」ではなく、「プロンプトを設計する仕事」に変わる。これが、AI時代のホワイトカラーの新しい働き方です。あわせて、Gemini初心者必見!やらないと後悔する初期設定5選(TechNoisy)で紹介した「AIへの指示設計」の発想とも完全に重なります。
NotebookLMの使い方ステップ5|過去議事録との横断検索
NotebookLMの真価は、ノートブックに過去の議事録を追加し続けることで爆発します。
たとえば、半年分の議事録を1つのノートブックに集約。そこで「先月のA案件、誰がTODOを止めたのか」「この継続課題、3ヶ月前にどう議論したか」と質問する。過去の議事録を横断してNotebookLMが答えを返すのです。
つまり、議事録は「書いて終わり」ではなく、「組織のナレッジベース」に変わる。実は、これがNotebookLMが他のAI議事録ツールと決定的に違う点です。一般的な議事録AIは「1会議完結」が前提。一方、NotebookLMはノートブック単位で継続的な知識蓄積が可能になっています(SHIFT AI「NotebookLMで議事録作成」)。
結果として、プロジェクトの引き継ぎ・離職時の知識移管・新人の過去経緯キャッチアップが、検索一発で終わるようになります。組織全体の生産性が、議事録の運用設計ひとつで変わる。これは、経営者が無視できない投資領域です。
NotebookLMで議事録を作る時の失敗パターン3つ
完璧な機能ではありません。3つの落とし穴を知っておきましょう。
第一に、話者識別機能がない。NotebookLMは録音音声を文字起こしできますが、「誰が発言したか」までは自動判定しません(2026年4月時点)。そのため、会議冒頭で「今日は田中と佐藤と山本が参加しています」と口頭で全員の名前を読み上げる運用が効きます。とはいえ、これでも完璧な話者分離は実現しません。重要会議では別途、議事担当者がメモを残す併用運用が推奨です。
第二に、録音品質に精度が依存します。会議室が広すぎる、声が遠い、複数人が同時に話す、ノイズが多い。こうした条件では、文字起こし精度が落ちる。ところが、これはNotebookLM固有の問題ではなく、すべての音声AIに共通する物理的制約です。対策はシンプル。スマホを話者の中央に置く・ホワイトボードへの板書音は最小化する・冷暖房の風切音を避ける。
第三に、機密情報の取り扱い。Googleの利用規約上、NotebookLM(無料版)にアップロードしたデータは学習データに使われない設計ですが、社外秘情報の取り扱いは社内ガイドラインに沿う必要があります。一方、有料のNotebookLM Plusではエンタープライズ向けのデータ保護が強化されています。ただし、機密情報を扱う場合は事前に法務・情報セキュリティ部門と相談するのが鉄則です。
NotebookLMの使い方を今日から始める次の一歩
NotebookLM は、議事録の世界を変える破壊的なツールです。とはいえ、頭で理解するだけでは何も変わりません。
そこで、明日の会議から実践する3アクションを提案します。まず、明日の会議でスマホ録音を回す。次に、会議終了後、その場でNotebookLMにアップロード。そして、本記事の「決定事項・TODO・継続課題」プロンプトを貼って3分で議事録を作る。
たったこれだけです。営業・企画・マーケ・人事・事務・カスタマーサクセス・管理職・新人〜中堅、職種を問わず効きます。もちろん、最初の1回は試行錯誤します。しかし、3回も使えば自分の型ができる。結果として、毎週3時間の議事録作業が、毎週9分に変わる。年間に換算すれば、約150時間の自分時間が手に入ります。
議事録地獄から抜け出すのは、今日からです。
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引用元・参考資料
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複数社を運営する経営者。上場企業の代表者取締役経験もあり。自らも様々な事業を手掛ける一方で、多数の会社の支援も行う。AIがもたらす経営のインパクトは巨大。だからこそ組織でのAI活用方法を提案したい。
