📖 この記事で分かること
- スクエニがドラクエ10にGoogleのGemini AIを搭載すると発表
- AIキャラ「おしゃべりスラミィ」が音声でプレイヤーと会話
- Gemini 2.5 Flash+Live APIで画面認識・リアルタイム対話を実現
- CBTは4月下旬、正式版は2026年6月25日リリース予定
💡 知っておきたい用語
- Gemini Live API:まるで電話のように、AIとリアルタイムで音声会話できる仕組み。テキストを打つ手間なく、話しかけると即座に返事が返ってくるイメージです。
最終更新日: 2026年03月30日
ドラクエ10にAI相棒が登場する背景
スクウェア・エニックスが約20年続くオンラインRPG「ドラゴンクエストX オンライン」に、Googleの生成AI「Gemini(ジェミニ)」を組み合わせた対話型キャラクターを導入すると発表しました。大型IPへの生成AI本格搭載という点で業界から広く注目を集めています。
発表は2026年3月21日に行われ、同日からクローズドベータテスト(CBT)参加者の募集も開始されました。
CBT参加者募集サイトはこちら
- 発表日: 2026年3月21日
- 事前説明会: 2026年3月18日(スクウェア・エニックス×Google Cloud共同開催)
- CBT参加者募集期間: 2026年3月21日〜3月30日
- CBT開始予定: 2026年4月下旬
- 正式リリース予定: 2026年6月25日(Version 8.0拡張に合わせて)
「おしゃべりスラミィ」の機能と特徴
「おしゃべりスラミィ」は、ゲーム内で「死神見習い」という設定を持つスライム型のAIバディです。プレイヤーのゲーム履歴を「死神手帳」に記録し、チャットで話しかけると音声を自動生成して応答します。
技術面では、GoogleのAIモデル「Gemini 2.5 Flash」とリアルタイム対話API「Gemini Live API」を組み合わせて構築されています。単なるチャットボットではなく、ゲーム画面の情報をリアルタイムで認識するマルチモーダル【マルチモーダル】機能を備えており、次のような体験が想定されています。
- プレイヤーがチャットで話しかけると音声で即座に返答
- 強敵を倒したときや希少アイテム入手時にスラミィ側から話しかけてくることがある
- プレイヤーの進行状況に合わせた攻略アドバイスも提供
- ゲームの世界観に沿った会話トーンのカスタマイズが施されている
なぜGeminiが選ばれたのか
スクウェア・エニックスがGemini Live APIを採用した理由として、開発側はレスポンス速度の高さ、ゲームの世界観に合わせた回答カスタマイズ性、そして画面・テキスト情報を同時に扱えるマルチモーダル機能の3点を挙げています。
このプロジェクトのきっかけは、「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親・堀井雄二氏との対話にあったとされます。堀井氏はドラクエを「1冊の本」として捉えており、村人などのNPCにAIを使うことには否定的でした。一方で、「一緒に遊んでくれる友達や仲間として入ってくれるといい」と語ったことが開発チームのヒントになったと報じられています。
「ドラクエ10」の開発・運営責任者を務める安西崇氏は「子どものころ友達と一緒にゲームをしたように、自分だけの相棒になる。新規のプレーヤーが孤独にならない」とコンセプトを説明しています。
期待と懸念——ゲームAIとしての課題
肯定的な反応としては、過疎化が課題とされるMMORPGにおいて、新規プレイヤーの孤独感を緩和する効果への期待が挙げられます。プレイヤーの状況に合わせてリアルタイムで対話できるAI相棒は、攻略サイト的な役割も果たす可能性があります。
一方、ゲームメディアでは「攻略サイト終了のお知らせ?」といった見出しも登場しており、情報収集コンテンツへの影響を指摘する声もあります。また、「ドラクエらしさが壊れないか」というシリーズファンの懸念も根強く存在します。堀井氏自身がNPCへのAI適用に否定的だった背景を踏まえると、世界観との調和をどう保つかが今後の評価を左右すると考えられます。
よくある質問
Q: 「おしゃべりスラミィ」はどのプレイヤーでも使えますか?
A: CBT(クローズドベータテスト)の参加条件として、製品版を利用中であることなどの条件が設けられています。正式版については2026年6月25日のVersion 8.0拡張に合わせてリリース予定ですが、対象範囲の詳細は公式サイト「目覚めし冒険者の広場」でご確認ください。
Q: スラミィとの会話内容はどこかに保存されますか?
A: スラミィはプレイヤーのゲーム履歴を「死神手帳」に記録するとされていますが、音声会話ログの取り扱い詳細については、現時点で公式から詳細な情報は確認できていません。
Q: Gemini 2.5 Flashとは何ですか?
A: GoogleのAIモデルファミリー「Gemini」の中でも速度と効率のバランスを重視したモデルです。リアルタイム対話に向いており、ゲームのような応答速度が求められる場面での活用に適しています。
まとめ
スクウェア・エニックスは2026年3月21日、「ドラゴンクエストX オンライン」にGoogleの生成AI「Gemini 2.5 Flash」と「Gemini Live API」を組み合わせた対話型AIキャラクター「おしゃべりスラミィ」を導入すると発表しました。4月下旬からCBTが始まり、正式版は同年6月25日を予定しています。「友達と一緒にゲームをしていた体験を再現する」というコンセプトのもと、シリーズファンの懸念とゲームAIの可能性をどう両立させるか、続報に注目が集まります。
【用語解説】
- Gemini(ジェミニ): Googleが開発する大規模言語モデル(生成AI)のシリーズ名。テキスト・音声・画像など複数の情報形式を扱えるマルチモーダルAIとして知られる。
- Gemini Live API(ジェミニ ライブ エーピーアイ): Geminiを使ってリアルタイムの音声対話を実現するためのAPI(アプリケーション間連携の仕組み)。電話のように途切れなく会話できる点が特徴。
- マルチモーダル(Multimodal): テキストだけでなく、画像・音声・動画など複数の情報形式を同時に処理・理解できるAIの能力のこと。ゲーム画面を「見ながら」会話するスラミィの機能の核心にあたる。
免責事項: 本記事の情報は執筆時点(2026年3月30日)のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。
引用元:
- [1] スクウェア・エニックス 公式(目覚めし冒険者の広場)- 対話型AIバディ「おしゃべりスラミィ」クローズドベータテスト参加者募集! – https://hiroba.dqx.jp/sc/topics/detail/b207f5c56605a9d1a22e1e134fe95ba9/
- [2] 日本経済新聞 – スクエニ、ドラクエ10にGoogle「Gemini」搭載 AIキャラ自然な会話 – https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC212HX0R20C26A3000000/
- [3] ITmedia AI+ – 「ドラクエX」が生成AIキャラクター導入へ Gemini 2.5 Flash活用の「おしゃべりスラミィ」 – https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2603/21/news012.html
- [4] ASCII.jp – ドラクエXで冒険の相棒「おしゃべりスラミィ」開発中 なぜGoogleのAI・Geminiが選ばれた? – https://ascii.jp/elem/000/004/383/4383025/
- [5] Game*Spark – 『ドラクエX』に対話型AI搭載バディ実装へ! – https://www.gamespark.jp/article/2026/03/21/164183.html
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15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。
技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。
また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。