NemoClaw は、NVIDIAがGTC 2026で発表したOpenClaw向けの新スタックで、1コマンドでプライバシーとセキュリティのガードレールを追加し常時稼働するAIエージェントを実現します。
📖 この記事で分かること
- NVIDIAがGTC 2026でNemoClawスタックを発表した
- 1コマンドでOpenClawにプライバシー・セキュリティ機能を追加できる
- ローカルとクラウドのAIモデルを組み合わせて常時稼働エージェントを実現
- GeForce RTX PCからDGX Sparkまで幅広いハードウェアに対応
💡 知っておきたい用語
- OpenClaw(オープンクロウ):誰でも自分のAIエージェントを作れるオープンソースのAIプラットフォーム。パソコンにおけるWindowsやmacOSのように、個人AIの「OS」として機能するとされています。
最終更新日: 2026年5月21日

NemoClawとは何か——OpenClawのセキュリティ問題を解決するスタック
NemoClawはOpenClaw上で動くAIエージェントに、プライバシーとセキュリティのガードレールをコマンド1つで追加できるソフトウェアスタックです。NVIDIAが2026年3月16日(現地時間)に開催中のカンファレンス「GTC 2026」で発表しました。
正式名称は「NVIDIA NemoClaw」。NVIDIA Agent Toolkitを使ってOpenClawを最適化し、NVIDIAのオープンモデル「Nemotron」と新たに発表されたランタイム「NVIDIA OpenShell【オープンシェル】」をインストールします。OpenShellはオープンモデルと隔離されたサンドボックスを提供し、エージェントに必要なアクセス権を与えながら、ポリシーベースのセキュリティ・ネットワーク・プライバシー管理を強制する仕組みです。
NVIDIAの創業者兼CEOジェンスン・ファン氏は基調講演で次のように述べています。「OpenClawは個人AIのOSだ。すべての企業がOpenClaw戦略を持つ必要がある」。
ローカルとクラウドを組み合わせた「ハイブリッドAIエージェント」
NemoClawのカギは、ローカルとクラウドのAIモデルを柔軟に使い分けられる設計にあります。
- ローカルモデル:Nemotronなどのオープンモデルをユーザーの端末上で直接実行
- クラウドモデル:プライバシールーターを介してフロンティアモデルにアクセス
- ポリシー管理:定義されたプライバシー・セキュリティポリシーの範囲内でエージェントが新スキルを習得しタスクを実行
この組み合わせにより、企業は自社のデータを外部に出さず、必要に応じてクラウドの高性能モデルも活用できます。NVIDIAは現時点でNemoClawをアルファリリースとして位置づけており、公式サイトでは「本番環境向けサンドボックスオーケストレーションに向けて開発中」と明記しています。
対応ハードウェアと企業向けの展開
常時稼働するAIエージェントには専用コンピューターが必要です。NemoClawが動作するプラットフォームは以下のとおりです。
- GeForce RTX搭載PC・ノートPC
- RTX PRO搭載ワークステーション(最大4,000 TOPSのローカルAI演算・96GB GPU メモリを提供)
- NVIDIA DGX Station
- NVIDIA DGX Spark
ハードウェアに依存しない設計であり、NVIDIAのGPU以外でも動作するとされています。
企業向けには、OpenShellがエージェントのデータアクセス方法・ツール使用・ポリシー境界内での動作を定義し、セキュアな常時稼働AIシステムの基盤となります。RTX PRO 6000 Blackwell搭載ワークステーションを使えばオンプレミスで複雑な業務タスクをすべて処理することも可能、とNVIDIAは述べています。
今後の注目点——OpenClawエコシステムへの影響
OpenClawはPeter Steinberger氏が開発したオープンソースのAIエージェントプラットフォームで、NVIDIAのファン氏は「史上最も急成長したオープンソースプロジェクト」と評しています。NVIDIAはSteinberger氏と協力してNemoClawを開発したとのことです。
NVIDIAはNemoClaw発表と合わせて、言語・推論モデル「Nemotron」をはじめ、世界・ビジョン向け「Cosmos」、ロボティクス向け「Isaac GR00T」など6つのフロンティアモデルファミリーを擁する「Nemotron Coalition」の設立も発表しています。AIエージェントの安全な普及に向けたエコシステム整備が加速する見込みで、今後の本番環境対応バージョンのリリース時期が注目されます。
編集部の見方
誰に向くか: オンプレ運用や規制業界でAIエージェントを導入したい企業に向く。OpenShell によるサンドボックス + ポリシー管理 + ローカル Nemotron という3点セットは、ガバナンス担当者にとって稟議が通しやすい構成だ
誰に向かないか: 個人開発者や PoC 段階のチームには現時点ではオーバースペックになりやすい。アルファ段階で「ラフエッジがある可能性」が公式に明記されているため、本番投入は本番リリースを待つのが現実的
戦略的な意味: NemoClaw は単体機能というより、Nemotron Coalition(6つのフロンティアモデルファミリー)を取り囲む「OpenClaw 向けセキュリティ層」として戦略的に置かれている。OpenClaw が個人 AI の OS だとするなら、NemoClaw はその「企業向けセキュリティパッチ」に近い役割だ 短期的な注視点は、本番リリース時期と、NVIDIA GPU 以外での実動作レポートが出てくるかどうかだ。
よくある質問
Q: NemoClawを使うにはNVIDIAのGPUが必要ですか?
A: 必須ではありません。NemoClawはハードウェアに依存しない設計で、NVIDIAのGPU以外でも動作するとされています。ただし、NVIDIAはGeForce RTX PCやDGX Sparkなど自社プラットフォームでの利用を推奨しています。
Q: OpenShellとは何ですか?
A: NVIDIA OpenShellはオープンソースのランタイムで、自律型AIエージェントが安全かつ高速に動作・適応できる環境を提供します。エージェントのデータアクセス方法やポリシー境界を定義し、企業のガバナンス要件に対応します。
Q: 現在のリリース状況は?
A: 2026年3月時点でアルファリリースです。NVIDIAの公式サイトでは「本番環境向けサンドボックスオーケストレーションに向けて開発中であり、ラフエッジがある可能性がある」と明記されています。
まとめ
NVIDIAはGTC 2026で、OpenClaw向けのソフトウェアスタック「NemoClaw」を発表しました。1コマンドでNemotronモデルとOpenShellランタイムをインストールでき、企業が懸念するセキュリティ・プライバシー問題に対処します。ローカルとクラウドのモデルを組み合わせた設計で、常時稼働AIエージェントの安全な運用を目指します。現在はアルファ段階であり、本番対応に向けた開発が続いています。
【用語解説】
- NemoClaw【ネモクロウ】: NVIDIAが開発したOpenClaw向けのソフトウェアスタック。Nemotronモデルとセキュリティ機能を1コマンドで追加できる。
- OpenShell【オープンシェル】: NVIDIAが発表したオープンソースのランタイム。AIエージェントが安全に動作するためのサンドボックス環境とポリシー管理機能を提供する。
- Nemotron【ネモトロン】: NVIDIAのオープンソースAIモデルファミリー。言語・推論に特化しており、NemoClawを通じてローカル環境で動作させることができる。
免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。
引用元:
- [1] NVIDIA公式プレスリリース – https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-announces-nemoclaw
- [2] NVIDIA Blog GTC 2026 ライブアップデート – https://blogs.nvidia.com/blog/gtc-2026-news/
- [3] NVIDIA NemoClaw 製品ページ – https://www.nvidia.com/en-us/ai/nemoclaw/
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。