Manus「My Computer」 は、AIエージェントがユーザーのローカルPC上でファイル管理やCLI実行・アプリ制御まで自律的に行える新機能で、クラウドからデスクトップへ動作範囲を広げます。
📖 この記事で分かること
- ManusのAIエージェントがクラウドからローカルPCへ進出
- ファイル管理・CLI実行・アプリ制御がmacOS/Windowsで利用可能
- ローカルGPUを活用した推論・機械学習タスクにも対応
- 操作ごとに承認が必要な権限管理でセキュリティを担保
💡 知っておきたい用語
- CLI(コマンドラインインターフェース)【シーエルアイ】:テキスト入力でコンピュータを操作する仕組み。スマホの音声アシスタントが「話して操作する」のと同様に、AIが文字コマンドでPCの深い機能を動かすイメージです。
最終更新日: 2026年5月21日

Manus「My Computer」とは何か
ManusはDesktopアプリの新機能として「My Computer」を発表し、AIエージェントがユーザーのローカルマシン上で直接動作することが可能になりました。この機能により、これまでクラウド環境に限定されていたManusの動作範囲が、手元のPCやMacへと大きく広がります。
2026年3月16日、ManusはX(旧Twitter)で「クラウドからデスクトップへ」というメッセージとともに、Manus Desktopアプリの中核機能としてMy Computerを正式発表しました。
主な機能:ローカル環境でできること
My Computerが実現する主な操作は以下のとおりです。
- ファイル管理:ローカルファイルへのアクセス・読み込み・編集・整理
- CLIタスクの実行:Python、Node.js、Swift、Xcodeなど各種コマンドラインツールの利用
- アプリの制御:ローカルアプリケーションの起動・操作
- ローカルGPUの活用:軽量な推論や一部の機械学習処理への利用(本格的なモデルトレーニングは環境依存)
Manusの公式ブログでは、あるチームメンバーがMac上でSwiftによるリアルタイム会議翻訳・字幕アプリをManusに構築させた事例を紹介しています。プロジェクト作成からコーディング・デバッグ・パッケージングをターミナルコマンドのみで処理させ、20分で完成したと報告されています。ただしこれはデモ事例であり、実際の作業時間や結果は環境や条件によって異なります。
電源を入れたままManusデスクトップを起動しておけば、外出先のスマートフォンから指示を出し、自宅のPCがタスクを処理する構成も想定されています。この場合、適切な起動状態・接続設定・認証が必要となります。
既存サービスとの連携——クラウドとローカルの橋渡し
ManusはすでにGoogleカレンダー・GmailなどさまざまなサービスとConnectorで統合されており、My Computerはそこにローカルリソースを追加することで、クラウドとローカルを横断するワークフローを実現します。たとえば外出先から「PC内にある契約書を見つけてクライアントにメールで送って」と指示するだけで、ManusがPCにアクセスしてファイルを見つけ、Gmailで送信することが可能です。
権限管理とプライバシーへの懸念
My Computerはすべてのターミナルコマンドをユーザーが明示的に承認してから実行する設計となっており、「Always Allow(常に許可)」と「Allow Once(一度だけ許可)」の2段階で信頼する操作を細かく制御できます。
一方でプライバシーに関する指摘も出ています。ManusはクラウドでAI推論を行う設計上、ローカルファイルのパスや内容の一部がManusのサーバーに送信される可能性があると、セキュリティ研究者が警告しています。機密性の高い法的書類や医療記録などはMy Computerで許可するフォルダに含めないことが推奨されており、利用前にManusのTrust CenterおよびPrivacy Policyを確認することが求められます。具体的にどのデータが送信・保持されるかはManusの公式情報を参照してください。
提供状況と対応プラットフォーム
My Computerは2026年3月16日時点で、macOSおよびWindowsの全ユーザー向けに提供開始されたとManus公式ブログで案内されています。
編集部の見方
誰に向くか: CLI ツール(Python・Node.js・Swift・Xcode)を日常的に扱う開発者・技術者にとって、ローカルでの自律実行は明確に価値がある。複数アプリを横断する日次バッチ処理を AI エージェントに委譲したい層には特に向く
誰に向かないか: 法的書類・医療記録・顧客 PII を扱うフォルダにアクセスさせるのは現時点では推奨されない。クラウド推論の設計上、ローカル情報の一部がサーバー側に送信される余地があり、規制業界での全面導入はまだ慎重な検証が要る
競合との位置づけ: OpenAI Operator や Anthropic Computer Use など他社のコンピュータ操作エージェントが「ブラウザ・仮想 PC」中心であるのに対し、My Computer は「ユーザー本人のローカル PC を直接動かす」点で異質。Meta 傘下になった後の OS 連携(将来的に Meta デバイスや Quest 系との接続)が次の注目点になる 短期的に見るべきは、Always Allow 設定の運用ガイドラインがどこまで成熟するか、そして Trust Center の透明性開示がアップデートされるかの2点だ。
よくある質問
Q: My ComputerはMacとWindowsの両方で使えますか?
A: 2026年3月16日時点で、ManusはmacOSとWindowsの全ユーザー向けに提供開始したと案内しています。
Q: AIが勝手にファイルを削除したり変更したりする心配はありますか?
A: Manusの設計では「ユーザーが指揮官、Manusは実行者」という原則が採用されており、すべてのターミナルコマンドの実行前にユーザーの明示的な承認が求められます。「Always Allow」設定を使う場合は承認なしに実行されるため、設定には注意が必要です。
Q: Manusは現在どの企業が運営していますか?
A: 2025年12月、MetaがManusの買収を発表しました。Manusのサブスクリプションサービスは引き続き提供されており、MetaはManusの技術をMeta AIなどの製品に統合する方針を示しています。
まとめ
Manusが発表した「My Computer」は、クラウドベースのAIエージェントがローカルPCの操作権限を持つという新たな一歩です。ファイル管理からアプリ開発、リモートタスク実行まで幅広い自動化が期待される一方、ローカルデータのクラウド送信に関するプライバシーリスクも指摘されています。利用前にManusのプライバシーポリシーを確認したうえで、機密フォルダへのアクセスは慎重に設定することが望ましいでしょう。
【用語解説】
- Manus【マナス】: ラテン語で「手」を意味する自律型AIエージェント。Butterfly Effect社が開発し、2025年12月にMetaが買収を発表したサービス。
- CLI(コマンドラインインターフェース)【シーエルアイ】: テキストコマンドでOSやソフトウェアを操作する仕組み。ターミナルやコマンドプロンプトとも呼ばれる。
- ローカルGPU【ローカルジーピーユー】: ユーザーのPC内に搭載されたグラフィック処理ユニット。AI推論や一部の機械学習処理に活用できる(本格的なトレーニングは環境による)。
免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。
引用元:
- Manus公式ブログ – https://manus.im/blog/manus-my-computer-desktop
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。