Jan 29 2026
Anthropic×Teach For All、63カ国10万人の教師をAI研修で支援
📖 この記事で分かること
- AnthropicがTeach For Allと提携し教師向けAI研修を開始
- 63カ国・10万人以上の教育者にClaudeへのアクセスを提供
- リベリアやバングラデシュで既に教育アプリが開発されている
- 教師がAI開発の「共同設計者」として参画する新しいモデル
💡 知っておきたい用語
- Claude Artifacts: AIとの対話中に、アプリやゲーム、図表などをその場で作成できるClaudeの機能。プログラミング知識がなくても教材を作れる点が教育現場で注目されている。
最終更新日: 2026年01月29日
AnthropicがTeach For Allと教育パートナーシップを発表
AI開発企業のAnthropicは2026年1月21日、世界的な教育ネットワークTeach For Allと提携し、「AI Literacy & Creator Collective(AI LCC)」を立ち上げたと発表しました。このプログラムを通じて、63カ国・10万人以上の教師や卒業生にAI研修とツールを提供します。
Teach For Allは、Teach For Americaのモデルを基盤とした2007年設立のグローバルネットワークです。Teach For India、Enseña Chile、Teach For Nigeriaなど各国の独立組織が加盟し、リソースの限られた学校の生徒150万人以上を支援しています。
3つのプログラムで教師のAI活用を支援
AI LCCは、以下の3つのプログラムで構成されています。
- AI Fluency Learning Series: Anthropicの教育チームと共同開発した全6回のライブ研修。AIの基礎からClaudeの機能、教室での実践的な活用法までをカバーします。2025年11月の初回には530名以上が参加しました。
- Claude Connect: 60カ国以上から1,000名以上の教育者が参加するオンラインコミュニティ。プロンプトや活用事例を日常的に共有し、学び合う場となっています。
- Claude Lab: 先進機能を試したい教師向けのプログラム。Claude Proへのアクセスに加え、Anthropicチームとの月例オフィスアワーや、製品開発への直接フィードバックの機会が提供されます。発表後4日間で200件以上の応募がありました。
世界各地で生まれる教育ツール
このパートナーシップの特徴は、教師を単なるAIの利用者ではなく「共同設計者(co-architects)」として位置づけている点です。Teach For AllのCEOであるWendy Kopp氏は、AIが教育の公平性に貢献するためには、教師自身が設計や活用方法を決める立場にいる必要があると述べています。
既に具体的な成果が出始めています。リベリアの教師はAI研修を受けた後、数週間でClaude Artifactsを使った気候変動教育のインタラクティブなカリキュラムを開発しました。バングラデシュでは、基礎的な計算に苦手意識を持つ6〜7年生向けに、ボス戦やリーダーボード、経験値システムを備えたゲーム形式の算数アプリが作られています。
今後の注目点
Anthropicは教育分野への取り組みを拡大しています。アイスランド政府との国家規模のAI教育パイロット、ルワンダ政府およびALXとのアフリカ向けAI教育プログラム、米国ホワイトハウスのAI教育タスクフォースへの参加など、複数の施策を展開中です。
今回のTeach For Allとの提携は、リソースの限られた地域の教育者もAI開発に参画できる仕組みとして注目されます。教師がClaudeの製品ロードマップにフィードバックを提供し、それが将来の機能改善に反映されるという双方向の関係が、今後どのような成果を生むか見守る必要があります。
よくある質問
Q: AI LCCに参加できるのは誰ですか?
A: Teach For Allネットワークに所属する教師および卒業生が対象です。63カ国の加盟組織に属する10万人以上の教育者が参加資格を持っています。
Q: Claude Labとは何ですか?
A: より高度な機能を試したい教師向けのプログラムです。Claude Proへのアクセス、Anthropicチームとの月例オフィスアワー、製品開発へのフィードバック機会が提供されます。
Q: 日本からこのプログラムに参加できますか?
A: Teach For Japanは2012年からTeach For Allネットワークの一員です。ただし、本プログラムへの具体的な参加可否については公式発表では確認できていません。
まとめ
Anthropicは、Teach For Allとの提携を通じて63カ国・10万人以上の教師にAI研修とClaudeへのアクセスを提供します。教師を「共同設計者」として位置づけ、製品開発にフィードバックを反映させるアプローチが特徴です。リベリアやバングラデシュでは既に教育アプリが開発されており、AI教育の新しいモデルとして注目されます。
【用語解説】
- Teach For All【ティーチ・フォー・オール】: 2007年設立。Teach For Americaをモデルとした世界的な教育ネットワーク。63カ国の独立組織が加盟し、リソースの限られた学校の生徒を支援している。
- Claude Pro【クロード・プロ】: Anthropicが提供するClaudeの有料プラン。より高度な機能や優先的なアクセスが利用可能。
- AI Fluency【エーアイ・フルーエンシー】: AIを理解し、効果的に活用できる能力のこと。AIリテラシーとも呼ばれる。
免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。
引用元:
- [1] Anthropic公式ニュース – https://www.anthropic.com/news/anthropic-teach-for-all
- [2] GovTech – https://www.govtech.com/education/k-12/anthropic-teach-for-all-team-up-for-global-ai-training
- [3] Dataconomy – https://dataconomy.com/2026/01/20/anthropic-partners-with-teach-for-all-to-train-100000-global-educators/
15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。
技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。
また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。