📖 この記事で分かること
- AIブラウザとは何か、どんなことができるのか
- Claude for Chromeの主な機能と他のAIブラウザとの違い
- 実際に使い始めるための具体的な手順
- ビジネスでの活用シーンと注意点
💡 知っておきたい用語
- AIエージェント:人間が指示を出すと、自分で考えて複数の作業を自動でこなしてくれるAIのこと。例えば「明日の会議資料を作って」と頼むと、情報を集めて、整理して、資料にまとめるところまで勝手にやってくれる便利な存在です。
最終更新日: 2025年12月23日
AIがブラウザを操作してくれる時代が来た
「この情報をまとめて表に入力して…」「複数のサイトから価格を比較して…」こんな面倒なブラウザ作業、AIに任せられたらどれだけ楽か。そう思ったことはありませんか?
実はいま、そんな願いを叶える「AIブラウザ」が続々と登場しています。2025年は、Perplexity CometやGenspark、ChatGPT Atlasそして今回紹介するClaude for Chromeなど、AIがブラウザを操作してくれるツールが一気に増えた年なんです。
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https://tech-noisy.com/tag/ai-browser
そして2025年12月18日、Anthropic社が開発するAIアシスタント「Claude」のChrome拡張機能が、ついに全有料ユーザーに開放されました。これまで月額200ドルのMaxプラン限定だった機能が、Pro(月額20ドル)、Team、Enterpriseプランでも使えるようになったのです。
正直なところ、他のAIブラウザも色々見てきましたが、Claude for Chromeの特徴は「普段使っているChromeに拡張機能として組み込める」という点です。専用ブラウザに乗り換える必要がないのは、思った以上に便利ですね。
AIブラウザとは?なぜいま注目されているのか
AIブラウザとは、AI技術を統合し、ユーザーの代わりにウェブサイトを操作したり、情報を収集・整理したりできるブラウザ環境のことです。
従来のブラウザは「人間が操作する道具」でしたが、AIブラウザは「AIが操作できる道具」でもあります。これにより、以下のような作業が自動化できるようになりました:
- フォームの自動入力:住所や連絡先などの繰り返し入力作業
- 複数サイトからの情報収集:価格比較や競合調査など
- カレンダーやメール管理:スケジュール調整やメール返信
- データの抽出と整理:ウェブページから必要な情報だけを取り出す

2025年は、各AI企業がこの分野に本格参入した年です。OpenAI、Google、Anthropicといった大手が相次いで「コンピューター操作」「ブラウザ制御」といった機能を発表しています。
AIの進化が「チャットで質問に答える」段階から、「実際に作業を代行する」段階へと移行しつつあることを、Claude for Chromeの登場は象徴しているのです。
Claude for Chromeの主な機能
では、Claude for Chromeで具体的に何ができるのでしょうか?主な機能を見ていきましょう。
サイドパネルでいつでもアクセス
Claude for Chromeは、ブラウザの横に常駐するサイドパネルとして動作します。タブを切り替えても消えないので、どのウェブページを見ていてもすぐにClaudeに相談できます。
これが意外と便利で、「このページの内容を要約して」「このフォームの入力例を教えて」といった質問を、ページを行き来せずにできるんです。
ウェブページを実際に操作
実に興味深いのは、Claudeが実際にウェブページを操作できる点です。具体的には:
- フォーム入力の自動化:「この申込フォームを埋めて」と指示すると、必要な情報を入力
- 複数タブの管理:複数のタブを行き来しながら情報を収集・比較
- スケジュール実行:定期的に実行したい作業を設定すれば、自動で繰り返し実行
Claude Codeとの連携でデバッグ支援
開発者にとって特に注目すべきは、Claude Codeとの統合です。
ターミナルでコードを書いた後、Chrome拡張機能を使ってブラウザで動作確認ができます。Claudeはコンソールエラーやネットワークリクエスト、DOM【ドム】(ページの構造情報)を読み取って、バグの原因を特定し、修正案を提案してくれます。
「コードを書く→ブラウザで確認→エラーを見つける→修正する」という一連の流れが、一つの環境で完結するのは効率的ですね。
ワークフローの記録と再利用
面白い機能として、作業手順を記録してClaudeに「教える」ことができます。

例えば、毎週行う定型作業(特定のサイトからデータを取得して、スプレッドシートに転記する等)を一度実行しながら記録すれば、次回からは「あの作業やっといて」の一言で済むわけです。
これは「/slash commands」という機能で、よく使うプロンプトをショートカット化できます。

他のAIブラウザとの違いは?
正直に言うと、現時点では「これが決定的に違う!」という特徴は、まだはっきりとは感じていません。
Perplexity CometやGensparkなどの専用AIブラウザと比較すると、基本的な機能は似通っています。どれもAIがブラウザを操作して、情報収集や作業の自動化ができる点は共通です。
ただ、Chromeの拡張機能として提供されるという戦略は、実用上大きなメリットがあります:
メリット:
- 既存の環境をそのまま使える:ブックマーク、拡張機能、設定を引き継げる
- 学習コストが低い:新しいブラウザの操作を覚える必要がない
- 他の拡張機能と併用可能:パスワード管理ツールや広告ブロッカーなども使える
デメリット:
- Chrome専用:Firefox【ファイアフォックス】やSafari【サファリ】では使えない
- 有料プラン必須:無料では利用できない(Pro:月額20ドル〜)
個人的には、「普段使いのブラウザにAIを組み込む」というアプローチは、専用ブラウザに乗り換えるより心理的ハードルが低いと感じます。
Claude for Chromeの始め方【5ステップ】
では、実際にClaude for Chromeを使い始める手順を見ていきましょう。
ステップ1:有料プランに登録
まず、Claudeの有料プラン(Pro、Team、Enterpriseのいずれか)に登録する必要があります。
- Proプラン:月額20ドル(個人向け)
- Teamプラン:月額30ドル/ユーザー(チーム向け)
- Enterpriseプラン:要問い合わせ(大企業向け)
公式サイト(https://www.claude.com/chrome)から登録できます。
ステップ2:Chrome拡張機能をインストール
Chrome Web Storeで「Claude for Chrome」を検索するか、以下のURLから直接アクセスします:
https://chromewebstore.google.com/detail/claude/fcoeoabgfenejglbffodgkkbkcdhcgfn
「Chromeに追加」ボタンをクリックしてインストールします。
ステップ3:Claudeアカウントでログイン
拡張機能をインストールしたら、有料プランに登録したClaudeアカウントでログインします。
ログイン後、すぐに全機能が利用可能になります。待機リストや追加申請は不要です。
ステップ4:サイドパネルを開く
ブラウザ右上のClaude拡張機能アイコンをクリックすると、サイドパネルが表示されます。
ここがClaudeとの対話の場所になります。ウェブページを見ながら、横のパネルでClaudeに指示を出す、という使い方です。
ステップ5:まずは簡単な指示から試す
いきなり複雑な作業を任せるより、まずは簡単な指示から試してみましょう:
- 「このページの内容を3行で要約して」
- 「このフォームの入力例を教えて」
- 「この2つのタブの価格を比較して」
Claudeがどのように動作するか、どこまでできるか、感覚を掴むことが大切です。
慣れてきたら、定型作業の自動化やワークフローの記録など、より高度な使い方にチャレンジしてみてください。
ビジネスでの活用シーン
Claude for Chromeは、日常業務のどんな場面で役立つでしょうか?具体例を見てみましょう。
情報収集・競合調査
活用例:
- 複数の競合サイトから価格情報を収集して比較表を作成
- 業界ニュースサイトを巡回して最新動向をまとめる
- 採用サイトから求人情報を抽出してリスト化
「これらのサイトから価格を抽出して、比較表にまとめて」と指示すれば、Claudeが複数タブを行き来しながら情報を集めてくれます。
フォーム入力・データ登録
活用例:
- 経費精算システムへの定期的な入力作業
- 複数のプラットフォームへの同じ情報の登録
- 定型的な問い合わせフォームへの回答
住所や連絡先など、何度も入力する情報をClaudeに覚えさせておけば、「このフォームに会社情報を入力して」の一言で済みます。
メール・スケジュール管理
活用例:
- カレンダーの空き時間を確認して会議を設定
- 定型的なメール返信の下書き作成
- 複数の予定を調整して最適な日時を提案
「来週の水曜午後で、参加者全員が空いている時間を見つけて」といった複雑な調整作業も、Claudeに任せられます。
開発・デバッグ作業
活用例:
- ローカル開発環境のブラウザテスト
- コンソールエラーの原因特定と修正案の提示
- API【エーピーアイ】レスポンスの確認と検証
Claude Codeとの連携により、「このエラーの原因を調べて修正案を教えて」と指示すれば、DOM構造やネットワークリクエストを分析して答えてくれます。
使う上での注意点
便利な反面、注意すべき点もあります。
セキュリティとプライバシー
Claudeはブラウザの内容を読み取れるため、機密情報や個人情報を扱うページでは使用を控えるべきです。
企業利用の場合、管理者が以下の設定を行えます:
- 組織全体で拡張機能の有効/無効を管理
- Claudeがアクセスできるサイトの許可リスト・ブロックリストを設定
完璧ではない実行精度
AIの判断には限界があります。複雑な作業や重要な判断が必要な場合、Claudeが誤った操作をする可能性もゼロではありません。
最初は監視しながら使い、どこまで任せられるか見極めることが大切です。特に、金銭が絡む操作や個人情報の入力は、必ず確認してから実行するようにしましょう。
対応サイトの制限
すべてのウェブサイトで完璧に動作するわけではありません。複雑なJavaScript【ジャバスクリプト】で構築されたサイトや、特殊な認証が必要なサイトでは、うまく動作しないこともあります。
また、サイトによってはボット(自動操作)を禁止している場合もあるので、利用規約の確認も忘れずに。
AIブラウザ選択の新時代
AnthropicがClaude for Chromeを全有料ユーザーに開放したことは、「AIがブラウザを操作する」という方向に、同社も本格的に舵を切ったことを意味します。
2025年は、まさに「AIブラウザ元年」と呼べる年でした。OpenAIのComputer Use、GoogleのProject Mariner、そしてこのClaude for Chromeと、主要AI企業が相次いでブラウザ操作機能を発表しています。
現時点では各ツールの差はそれほど大きくありませんが、今後の開発で差別化が進んでいくでしょう。
個人的には、「専用ブラウザ」と「拡張機能」というアプローチの違いが、今後どう進化していくか注目しています。専用ブラウザはAIに最適化された設計ができる一方、拡張機能は既存の使い慣れた環境を活かせる。どちらが主流になるかは、まだ分かりません。
一つ確かなのは、「AIが勝手に作業してくれる」未来が、もう目の前まで来ているということです。
よくある質問
Q: Claude for Chromeは無料で使えますか?
A: いいえ、Claudeの有料プラン(Pro、Team、Enterprise)への加入が必須です。Proプランは月額20ドルから利用できます。以前はMaxプラン(月額200ドル)限定でしたが、2025年12月18日から全有料プランで利用可能になりました。
Q: どんな作業を自動化できますか?
A: フォーム入力、情報収集、カレンダー管理、メール対応、データ抽出など、ブラウザ上で行う多くの定型作業を自動化できます。ただし、複雑な判断が必要な作業や、セキュリティ上機密性の高い操作は、人間の確認を挟むことをおすすめします。
Q: 他のブラウザ(Firefox、Safariなど)でも使えますか?
A: 現時点ではGoogle Chrome専用です。他のブラウザには対応していません。Chromium【クロミウム】ベースのブラウザ(Microsoft Edge等)での動作は公式には保証されていませんが、試してみる価値はあるかもしれません。
Q: 会社の機密情報を扱っても大丈夫ですか?
A: Enterprise【エンタープライズ】プランでは、管理者がアクセス可能なサイトを制限できる機能があります。ただし、極めて機密性の高い情報(財務データ、個人情報、パスワードなど)を扱う際は、Claudeの使用を控えるか、十分な確認を行うことを推奨します。
Q: Claude Codeとの連携機能は誰でも使えますか?
A: はい、Claude for Chromeをインストールしている全ユーザーが利用できます。デスクトップ版のClaude Codeで開発を行い、拡張機能でブラウザ上の動作確認やデバッグができます。開発者にとって特に便利な機能です。
まとめ
Claude for Chromeは、普段使っているChromeブラウザをAI化できる便利な拡張機能です。2025年12月18日に全有料プランユーザーに開放され、より多くの人が「AIによるブラウザ操作」を体験できるようになりました。
フォーム入力、情報収集、スケジュール管理など、日常的なブラウザ作業の多くを自動化でき、特に定型作業が多い業務では大きな効率化が期待できます。
ただし、まだ発展途上の技術であり、すべての作業を完璧にこなせるわけではありません。セキュリティやプライバシーにも配慮しながら、「どこまで任せられるか」を見極めつつ使うことが大切です。
2025年は各社がAIブラウザに本格参入した年であり、今後さらに進化していくでしょう。Claude for Chromeも、これから新機能が追加され、精度も向上していくはずです。
まずは月額20ドルのProプランで試してみて、自分の業務にどれだけ役立つか確かめてみてはいかがでしょうか。AIが作業を代行してくれる未来を、いますぐ体験できますよ。
【用語解説】
- AIエージェント:人間の指示を受けて、自律的に複数の作業を実行するAIシステム。単なる質問応答ではなく、実際に作業を「代行」できる点が特徴。
- API【エーピーアイ】:Application Programming Interfaceの略。ソフトウェア同士が情報をやり取りするための「窓口」のような仕組み。
- DOM【ドム】:Document Object Modelの略。ウェブページの構造を表現するデータ形式。Claudeはこれを読み取ることで、ページの内容や構成を理解できる。
- Chrome拡張機能:Google Chromeブラウザに追加できる小さなプログラム。ブラウザの機能を拡張したり、特定の作業を自動化したりできる。
- Claude Code:Anthropic社が提供する、プログラミング支援に特化したClaudeの機能。コード生成、デバッグ、テストなどを支援する。
免責事項: 本記事の情報は2025年12月23日時点のものです。Claude for Chromeの機能や料金プラン、対応環境は予告なく変更される場合があります。最新情報は公式サイト(https://www.claude.com/chrome)でご確認ください。また、業務での利用にあたっては、所属組織のセキュリティポリシーを必ず確認してください。
Citations:
[1] https://support.claude.com/ja/articles/12306336-claude-in-chrome-%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88
[2] https://www.claude.com/chrome
