VS Code Agent Merge は、Microsoft が 2026 年 9 月 2 日公開の Visual Studio Code 1.136.0 に載せたプレビュー機能で、プルリクエストがマージできる状態になるまでエージェントに障害要因を潰させ続けます。
📖 この記事で分かること
- Agent Merge が自動で潰す4つの障害要因
- 有効化に必要な設定と手順
- 有効化でセッションの権限がどう変わるか
- 同時に入ったマルチルート対応の制限
💡 知っておきたい用語
- プルリクエスト: 書いたコードを本流に取り込んでもらうための申請。レビューとテストを通ってから合流する
- 必須チェック: 合流の前に必ず通す自動テスト。1つでも落ちるとマージできない
最終更新日: 2026年9月3日
▶ 公式ページ
- Visual Studio Code 1.136 リリースノート(Microsoft)
- Agent Merge の使い方(Microsoft)
- エージェント関連の設定一覧(Microsoft)

VS Code 1.136 の Agent Merge とは
この記事のポイント
- Microsoft が2026年9月2日に Visual Studio Code 1.136.0 を公開し、Agent Merge をプレビュー提供しました(2026年9月時点)。
- Agent Merge は PR を監視し、レビュー指摘・CI【シーアイ】失敗・コンフリクトをマージ可能になるまで直し続けます。
- 有効化するとそのセッションは Autopilot に切り替わるため、設定を確認してから使う必要があります。
Microsoft は2026年9月2日、Visual Studio Code 1.136.0 を公開しました。リリースノートは今回を「プルリクエストをエージェントに仕上げさせ、複雑なワークスペースと関連チャットをまたいでエージェントの作業を管理できるようにするリリース」と要約しています。
目玉は Agent Merge(プレビュー・2026年9月時点)です。従来のエージェントはコードを書いたところで止まり、そこから先のレビュー対応や CI の直しは人が引き取っていました。Agent Merge はその後半部分を担当します。
同じリリースでは、Copilot と Claude のエージェントセッションがマルチルートワークスペースに対応しました(実験的・エディタウィンドウに限定)。エージェントフックは引き続き単一のワークスペースフォルダーが対象で、複数のフォルダーでフックが見つかった場合は読み込み元を選ぶよう促されます。非推奨になった機能・設定はありません。
何をどこまで自動でやるのか
Agent Merge はセッションに紐づく PR を監視し、マージできる状態になるまでエージェントに障害要因を潰させ続けます。公式ドキュメントが挙げる対応範囲は4つです。
- 未解決のレビュースレッド、changes-requested のレビュー、リポジトリのメンテナやCopilot の PR レビュアーからの新しいコメントへの対応
- 失敗した必須 CI チェックの修正
- ベースブランチに遅れているブランチの更新と、マージコンフリクトの解消
- 選んだ保守作業が終わったあとの、PR のマージまたはマージキューへの追加
どれを任せるかは個別に選べます。設定一覧には chat.agentMerge.addressReviews / chat.agentMerge.fixCI / chat.agentMerge.resolveConflicts / chat.agentMerge.mergePullRequest / chat.agentMerge.mergeMethod / chat.agentMerge.replyAttribution が並びます。レビュー対応だけ任せてマージは自分でやる、という切り分けができます。
必須チェックが保留中のあいだ Agent Merge は待機し、マージまたはマージキュー追加の直前に、PR が本当に準備できているかを再確認します。セッションが別のブランチや PR を追跡し始めた場合、Agent Merge は自動的にオフになり、あらためて有効化が必要です。
有効化と引き換えに渡すもの
使うには設定 chat.agentMerge.enabled を有効にし、Agents ウィンドウで PR に紐づくセッションを開いて、タイトルバーの「Agent Merge」から「Enable Agent Merge」を選びます。セッション単位の有効化は現時点で Agents ウィンドウからのみです。
公式ドキュメントは、この機能に注意書き(Caution)を置いています。Agent Merge はエージェントのターンを自分から開始し、PR のブランチを変更・同期し、モデルリクエストを消費します。そして有効化した時点で、そのセッションは Autopilot と Assisted permissions に切り替わります。自動マージを有効にする前にオプションを確認するよう明記されています。
つまり Agent Merge を入れることは、機能を1つ足すことではなく、そのセッションにおける承認の前提を変えることです。人が都度判断していた「ここで手を入れてよいか」が、事前に設定した範囲の中では聞かれなくなります。
編集部の見方
編集部は、この機能で本当に問われるのは自動化の精度より どこまでを事前承認に変えるか だと見ています。
- 根拠1: 公式ドキュメント自身が、エージェントのターンの自動開始・ブランチの変更と同期・モデルリクエストの消費を Caution として並べています。副作用は隠されておらず、判断が利用者に委ねられています。
- 根拠2: 対応範囲が6つの設定に分解されているのは、全部任せる前提の機能ではないことの表れです。レビュー対応だけ、コンフリクト解消だけ、という使い方が想定されています。
- 根拠3: 追跡対象のブランチや PR が変わると自動でオフになる設計は、権限の広がりを人の再確認で止める作りになっています。
この見方が変わる条件は、プレビューが外れてマージまでの既定値が「任せる」側に寄ったときです。既定が変われば、確認しないまま使う利用者が増え、論点は設定の設計から運用ルールへ移ります。
よくある質問
Q: Agent Merge は誰でも使えますか
A: 設定 chat.agentMerge.enabled を有効にすれば使えますが、プレビュー段階の機能です(2026年9月時点)。セッション単位の有効化は Agents ウィンドウからのみ行えます。
Q: マージまで自動でやらせずに使えますか
A: できます。対応させる障害要因と、最後にマージまでやらせるかどうかは設定で個別に選べます。
Q: 有効にしたあと途中で止められますか
A: タイトルバーの「Agent Merge」から無効化できます。セッションが別のブランチや PR を追跡し始めた場合は自動でオフになります。
まとめ
Visual Studio Code 1.136.0 の Agent Merge は、レビュー指摘・CI 失敗・マージコンフリクトをマージ可能になるまで直し続けるプレビュー機能です。対応範囲は6つの設定に分解されており、レビュー対応だけを任せる使い方もできます。ただし有効化するとセッションは Autopilot と Assisted permissions に切り替わり、エージェントが自分からターンを開始してモデルリクエストを消費します。導入判断は精度より、承認の前提をどこまで前倒しするかで決まります。
【用語解説】
- Agent Merge: PR がマージできる状態になるまで、エージェントに障害要因を潰させ続ける VS Code のプレビュー機能
- マージキュー: マージ待ちの PR を順番に並べ、順に検証してから本流へ入れる仕組み
- AHP【エーエイチピー】: Agent Host Protocol。エージェントの実行部分を専用プロセスで動かし、複数の VS Code ウィンドウから同じセッションに接続できるようにする規格
引用元:
- [1] Visual Studio Code September 2026 (version 1.136)(Microsoft)
- [2] Agents window – Finish a pull request with Agent Merge(Microsoft)
- [3] AI settings reference – Agent sessions(Microsoft)
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。