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Feb 09 2026

Claude Codeに「Agent Teams」登場──複数AIが並列で協調する新機能

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📖 この記事で分かること

  • Claude Codeで複数AIエージェントが並列作業する新機能が登場
  • 従来のサブエージェントとの違いと使い分けのポイント
  • 16体のエージェントでCコンパイラを構築した実証事例
  • 導入方法と現時点での制約・コスト面の注意点

💡 知っておきたい用語

  • エージェントチーム:1人のリーダーが複数の作業者に指示を出し、作業者同士も直接やり取りできるAIの協調作業のしくみ。会社のプロジェクトチームをイメージすると分かりやすいです。

最終更新日: 2026年02月09日

Claude Code新機能「Agent Teams」とは何か

Anthropicは2026年2月5日、最新モデルClaude Opus 4.6の発表と同時に、Claude Codeの新機能「Agent Teams」をリサーチプレビューとして公開しました。複数のClaude Codeセッションを並列で起動し、チームとして協調作業させる仕組みです。

Agent Teamsでは、1つのセッションが「チームリード」として全体の調整・タスク割り当て・成果の統合を担当します。他のセッションは「チームメイト」として、それぞれ独立したコンテキストウィンドウ(処理対象のテキスト領域)を持ちながら作業を進めます。従来のサブエージェントとの最大の違いは、チームメイト同士が直接メッセージをやり取りできる点です。

Anthropicのプロダクト責任者であるScott White氏は、この機能について「優秀な人間のチームが働いているような感覚」と表現し、タスクを分担して並列に処理することで作業速度が向上すると説明しています。

利用するには、環境変数またはsettings.jsonに以下を設定します。

  • CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS=1

設定後、自然言語でチーム構成やタスク内容を指示すれば、Claudeがチームメイトを生成して作業を開始します。なお、ユーザーの承認なしにチームが自動的に作成されることはありません。

サブエージェントとの違いと使い分け

Agent Teamsとサブエージェントは似ているようで、設計思想が異なります。

サブエージェントは単一セッション内で動作し、結果をメインエージェントにのみ報告します。いわば「個別に用件を頼む外注先」のような存在で、作業者同士が直接やり取りすることはできません。一方、Agent Teamsのチームメイトはそれぞれ独立したセッションを持ち、共有タスクリストへのアクセスとメンバー間の直接メッセージが可能です。

公式ドキュメントでは、以下のような使い分けが推奨されています。

  • サブエージェントが適するケース:集中的で短時間のタスク、メインのコンテキストを汚したくない場合、コスト重視でHaikuなど軽量モデルを使いたい場合
  • Agent Teamsが適するケース:コードレビュー、バグ調査、マルチモジュールのリファクタリングなど、複数の視点や並列探索が価値を生む作業

重要な制約として、複数のチームメイトが同一ファイルを同時に編集すると上書きが発生する可能性があります。Anthropicは、各チームメイトが担当するファイルを明確に分離することを推奨しています。

実証事例:16エージェントでCコンパイラを構築

Agent Teamsの実力を示す事例として、Anthropicのエンジニアリングブログで公開された実験が注目されています。16体のエージェントを並列稼働させ、Rustベースのコンパイラをゼロから構築するというプロジェクトです。

この実験では、約2,000のClaude Codeセッションと約20,000ドルのAPI費用をかけ、約100,000行のCコンパイラが完成しました。このコンパイラはLinux 6.9カーネルをx86、ARM、RISC-Vの各アーキテクチャ向けにコンパイルできる水準に達しています。

実験を主導したエンジニアは、成功の鍵はテスト設計にあったと振り返っています。各エージェントが人間の介在なしに次のタスクを判断できるよう、テスト環境とフィードバックの設計に注力したとのことです。

ただし、完全な自律開発にはリスクもあると指摘されています。人間が同席する場合はリアルタイムで品質を担保できますが、長時間の無人稼働では作業の無駄が増える可能性があります。

導入時に知っておくべきコストと制約

Agent Teamsは強力な機能ですが、現時点ではリサーチプレビューの段階であり、いくつかの制約と注意点があります。

まずコスト面では、各チームメイトがそれぞれ独立したClaudeインスタンスとして課金されます。5人構成のチームであれば、単一セッションの約5倍のトークンを消費する計算です。APIユーザーの場合、Opus 4.6の料金は入力100万トークンあたり5ドル、出力100万トークンあたり25ドルで、チーム規模に比例して費用が増加します。

現時点での既知の制約は以下の通りです。

  • セッションの再開(レジューム)に対応していない
  • ネストされたチーム(チーム内チーム)は未対応
  • シャットダウン時の挙動に課題がある

利用環境については、APIユーザーのほか、Max(月額100ドル/200ドル)プランの加入者がClaude Codeを通じて利用できます。

Anthropicが推奨する導入のベストプラクティスとしては、まずコードレビューやライブラリ調査のような「読み取り中心」のタスクから始めること、チームメイトの進捗を適宜確認すること、そして無人での長時間稼働を避けることが挙げられています。

なお、Agent Teamsの登場以前から、開発者コミュニティではOpenClawやclaude-flowなど独自のマルチエージェントツールが開発されていました。Anthropicはこうした需要を認識したうえで、ネイティブ機能として実装したと見られています。


よくある質問

Q: Agent Teamsは無料プランで使えますか?

A: 現時点ではAgent TeamsはClaude Code上のリサーチプレビュー機能です。Claude Codeの利用にはAPIアクセスまたはMaxプラン(月額100ドルまたは200ドル)の加入が必要で、無料プランでは利用できません。

Q: Agent TeamsとOpenAIのCodexアプリはどう違いますか?

A: Agent Teamsは複数のClaude Codeセッションが共有タスクリストとメッセージングで協調する仕組みです。OpenAIのCodexデスクトップアプリもマルチエージェント的な機能を提供していますが、アーキテクチャや協調の方式が異なります。Agent Teamsではチームメイト同士の直接的なメッセージ交換が特徴です。

Q: チームメイトの数に上限はありますか?

A: 公式ドキュメントではチームメイト数の明確な上限は記載されていません。Claudeがタスクの複雑さに応じてチームメイト数を決定するか、ユーザーが明示的に指定することも可能です。ただし、チームメイト1体ごとにフルのClaudeインスタンスが課金されるため、コスト面での考慮が必要です。


まとめ

Claude Codeの「Agent Teams」は、AIコーディングアシスタントの使い方を「1対1の対話」から「チームでの並列協調」へ拡張する試みです。リサーチプレビューの段階であり、セッション再開の非対応やコストの増大など課題は残りますが、コードレビューやマルチモジュール開発など明確に分割可能なタスクでは大きな効率化が期待できます。まずは読み取り中心の小規模タスクから試し、チーム運用の感覚をつかむのが現実的な第一歩です。


【用語解説】

  • エージェントチーム【えーじぇんとちーむ】: Claude Codeで複数のAIインスタンスを並列起動し、チームとして協調作業させる機能。リーダーセッションがタスクを割り当て、メンバーが独立して作業しながら互いに連携する。
  • サブエージェント【さぶえーじぇんと】: 単一セッション内で起動される補助的なAIワーカー。メインエージェントにのみ結果を報告し、他のサブエージェントとは直接やり取りできない。
  • コンテキストウィンドウ【こんてきすとうぃんどう】: AIモデルが一度に処理できるテキストの量。Opus 4.6では最大100万トークン(ベータ)に対応しており、大規模なコードベースの処理が可能。
  • リサーチプレビュー【りさーちぷれびゅー】: 正式リリース前の実験的な提供形態。機能は利用可能だが、制約やバグが存在する可能性があり、今後仕様が変更される場合がある。

免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。


引用元:

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KOJI TANEMURA

15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。

技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。

また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。