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あなたの曲は誰のもの?Sunoが所有権問題に公式声明

2026年1月8日

📖 この記事で分かること
・Sunoで作った音楽の権利が誰のものかが明確になった
・11月の契約と12月の規約表現変更騒動の真相と公式の対応内容
・Pro/Premierプランと無料プランで権利がどう違うか
・AI音楽クリエイターが今すぐ確認すべきこと

💡 知っておきたい用語
Knowledge Base【ナレッジベース】:よくある質問(FAQ)をまとめたヘルプページのこと。ユーザーが疑問に思うことの答えが書かれている


最終更新日: 2026年1月8日

AI音楽生成ツール「Suno」が、楽曲の所有権をめぐる混乱に終止符を打ちました。1月7日、Suno公式X(旧Twitter)アカウントが声明を発表し、「実際にはポリシー変更はなかった」という衝撃の事実を明らかにしています。

この騒動、実に興味深い展開でした。多くのクリエイターを不安にさせた「所有権問題」の真相とは何だったのでしょうか。

なお、当サイトでは別記事で規約変更について詳しく報じていますが、今回の公式声明で状況が大きく変わりました。最新情報を正確にお伝えします。

何が起きていたのか?規約変更騒動の経緯

事の発端は、2025年11月25日のWarner Music Group(WMG)との和解契約でした。この歴史的な契約を受けて、12月にSunoはKnowledge Base(ヘルプページ)の表現を変更します。

これまでの表記では、Pro/Premierプランのユーザーは「楽曲を所有する(you own the songs)」と明記されていました。ところが12月の更新後、この表現が「商業利用権を付与される(granted commercial use rights)」に変更されたのです。

「所有」から「利用権の付与」へ。この微妙な、でも重要な言葉の違いに、多くのクリエイターが反応しました。

コミュニティで広がった懸念

Reddit の SunoAI コミュニティでは、規約変更を懸念する投稿が相次ぎました。「自分が作った曲の権利が奪われるのでは?」「収益化に影響は?」といった声が溢れたのです。

実際、表現の変更は単なる言い回しの問題ではありません。法的には「所有権」と「利用権」は全く異なる概念です。音楽業界では、楽曲の権利処理は収益に直結する重要な問題。クリエイターが敏感に反応したのは当然でした。

業界メディアも相次いで報道。12月22日、Digital Music Newsは「Sunoは所有権ポリシーを調整した」と報じ、12月26日にはMusic In Africaが「ユーザーは一般的に楽曲の所有者とは見なされなくなった」と伝えました。

正直なところ、私も最初にこの変更を知ったときは「えっ、そんな大きな変更を?」と驚きました。AI生成コンテンツの権利問題は複雑で、慎重に扱うべきテーマだからです。

Sunoの公式声明|実は「変更なし」だった

そして2026年1月7日、Suno公式アカウントが声明を発表しました。その内容は、多くの人にとって意外なものでした。

公式声明の全文(日本語訳)は以下の通りです:

「最近、Knowledge Base(FAQ)を更新しましたが、プラットフォーム上の所有権について明確に説明できていませんでした。多くの方がこの点を指摘してくださり、深く関心を寄せていただいたことに感謝します。

明確にします:ProおよびPremierプランで制作した出力物(Output)はあなたが所有し、それらを商業的に使用する権利も付与されます。Basicプラン(無料)の場合、Sunoが出力物の所有者となり、非商用目的での使用が許可されます。

Knowledge Baseを以前のバージョンに戻しました。また、記事の更新が公開されている間も、出力物の所有権に関するポリシーには一切変更がなかったことをお知らせします」

注目すべき点は、「ポリシー変更はなかった」という明言です。Knowledge Baseの表現が一時的に変更されたものの、実際の権利関係には何の変更もなかったというのです。

騒動の時系列を整理すると

混乱を避けるため、正確な時系列を整理します:

  1. 2025年11月25日:Warner Music Groupとの歴史的な契約を発表
  2. 2025年12月:Knowledge Baseの表現を「所有権」→「商業利用権の付与」に変更
  3. 2025年12月22日:Digital Music Newsが変更を報道
  4. 2026年1月初旬:Redditで懸念が急速に拡大
  5. 2026年1月7日:Suno公式が明確化声明を発表+元の表現に復元

表現変更の理由は?

では、なぜ表現を変更したのでしょうか。公式声明では明言されていませんが、11月のWarner Music Group契約後、12月にかけて法務チームが慎重に対応した結果だった可能性があります。

AI生成コンテンツの著作権は、法的にグレーゾーンが多い領域です。米国著作権局は一般的に、AI生成された音声を著作権として認めていません。このような状況で、「所有権」という強い表現を避け、「商業利用権の付与」という慎重な表現にしようとしたのかもしれません。

ただ、その結果としてユーザーの混乱を招いてしまった。それを受けて、Sunoは迅速に元の表現に戻し、明確な声明を出したわけです。

あなたの曲の権利は今どうなっている?

では、実際のところ、Sunoで作った楽曲の権利はどうなっているのでしょうか。公式声明に基づき、プラン別に整理します。

Pro / Premierプラン(有料)の場合

  • 所有権:あなたが所有者です
  • 商業利用:可能(Spotifyなどでの配信、販売、ライセンス供与など)
  • 収益:100%あなたのもの(Sunoは収益の分け前を要求しない)
  • 利用範囲:同期ライセンス、ダウンロード販売、ストリーミング配信など自由
  • サブスクリプション終了後:作成時にProまたはPremierプランに加入していれば、解約後も所有権と商業利用権は維持される

Basicプラン(無料)の場合

  • 所有権:Sunoが所有者
  • 商業利用:不可
  • 利用範囲:個人的な非商用目的のみ
  • 禁止事項:ストリーミングサービスへのアップロード、収益化されたYouTube動画での使用、販売など

この違いは極めて重要です。無料プランで作った楽曲をSpotifyにアップロードすると、規約違反になります。

「所有権」と「商業利用権」の違い

ここで、少し専門的な話をします。「所有権」と「商業利用権」は、実は異なる概念です。

簡単に言えば:

  • 所有権(Ownership):そのものが自分のものであるという権利
  • 商業利用権(Commercial Use Rights):それを使ってお金を稼ぐことができる権利

たとえば、あなたがCDを買ったとします。そのCDの物理的な所有権はあなたにありますが、そのCDに収録された音楽を自由にコピーして販売する権利はありません。

Sunoの場合、Pro/Premierプランのユーザーは両方を持っています。楽曲の所有権があり、かつそれを商業的に利用する権利もある。これは、実務的には非常に強い権利です。

クリエイターが今すぐ確認すべきこと

今回の騒動から学べることは何でしょうか。AI音楽クリエイターとして、以下の点を確認してください:

1. 現在のプランを確認

  • 商業利用したい場合は、Pro以上のプランが必須
  • 無料プランで作った楽曲は、後から有料化しても商業利用不可の可能性

2. 楽曲作成時のプランを記録

  • どのプランで作成したかが重要
  • サブスクリプション終了後も、作成時のプラン条件が適用される

3. 規約の最新版を定期確認

4. 配信前の権利確認

  • ストリーミングサービスへのアップロード前に、必ず権利を確認
  • 規約違反はアカウント停止のリスクあり

個人的には、AI生成音楽の権利問題は今後も複雑化すると予想しています。Warner Musicとの契約は始まりに過ぎず、他のレーベルとの関係、新しい法規制など、変数が多すぎるからです。

AI音楽の権利問題、今後の展望

今回の騒動は、AI生成コンテンツの権利をめぐる複雑さを浮き彫りにしました。注目すべき点をいくつか挙げます。

著作権のグレーゾーン

米国著作権局は、AI生成された音声に対して一般的に著作権を認めていません。つまり、Sunoで作った楽曲は、法的には「著作権で保護されない」可能性があるのです。

これは何を意味するか?あなたが作った楽曲を、他の誰かがコピーして使っても、著作権侵害として訴えることが難しいかもしれないということです。

ただ、Pro/Premierプランでは「所有権」が明確に認められているため、Sunoの規約上はあなたの権利として保護されます。

レーベルとの関係

Sunoは2025年11月25日にWarner Music Groupと画期的な契約を結びましたが、Sony MusicやUniversal Music Groupとの訴訟は継続中です。2026年には「ライセンスされたモデル」が登場する予定で、権利関係がさらに複雑になる可能性があります。

実務的なアドバイス

正直なところ、完全に理解できていない部分もあります。でも、これだけは確実に言えます:

AI音楽で本気で収益化を考えているなら、Pro以上のプランは必須。そして、規約の変更には常に注意を払う必要があります。

今回のSunoの対応は、ユーザーの声に迅速に応えたという点で評価できます。でも、AI音楽の権利問題はまだ始まったばかり。これからも変化し続けるでしょう。

よくある質問

Q: 無料プランで作った曲を、後からProプランにアップグレードして商業利用できますか?
A: 公式には明記されていませんが、原則として楽曲作成時のプランが適用されると考えられます。商業利用したい場合は、最初からProプランで作成することをお勧めします。確実を期すなら、Sunoサポート(support@suno.com)に個別に問い合わせてください。

Q: Sunoで作った楽曲の著作権は登録できますか?
A: AI生成された音声部分は、米国著作権局によって一般的に著作権保護の対象外とされています。ただし、あなた自身が作詞した歌詞や、自分で追加した要素(生演奏の追加など)には著作権が発生する可能性があります。詳細は著作権の専門家にご相談ください。

Q: Warner Music契約後、既存の楽曲の権利はどうなりますか?
A: 今回の公式声明によれば、既存の楽曲の権利関係に変更はありません。11月25日の契約発表前に作成された楽曲も、作成時のプラン条件が引き続き適用されます。

まとめ

Sunoの所有権騒動は、12月のKnowledge Base表現変更がユーザーの懸念を招いたものの、実際のポリシー変更はなかったという結末を迎えました。1月7日の公式声明により、Pro/Premierプランユーザーは楽曲を所有し、商業利用権も持つことが改めて確認されました。

ただ、AI音楽の権利問題は今後も変化し続けるでしょう。2025年11月のWarner Music契約は業界の転換点ですが、他のレーベルとの関係、新しい法規制、技術の進化など、注目すべき要素は山積みです。

クリエイターとして大切なのは、規約を定期的に確認し、自分の作品の権利を正しく理解しておくことです。

あなたの創造的な活動が、権利の不確実性に邪魔されませんように。そして、AI音楽という新しい表現の可能性を、思い切り楽しんでください。

関連記事:Suno所有権問題の詳細解説(12月時点の報道)

【用語解説】

  • Knowledge Base【ナレッジベース】:よくある質問(FAQ)や使い方をまとめたヘルプページ。ユーザーが自分で問題を解決できるように情報を整理したもの。
  • 商業利用権(Commercial Use Rights):作品を使ってお金を稼ぐことができる権利。販売、配信、ライセンス供与などが含まれる。
  • Output【アウトプット】:AIが生成した結果物。Sunoの場合は、生成された楽曲のこと。
  • Pro/Premierプラン:Sunoの有料サブスクリプションプラン。商業利用権が付与され、楽曲の所有権もユーザーに帰属する。
  • Warner Music Group(WMG):世界三大レコード会社の一つ。Sunoと2025年11月25日に画期的な和解契約を締結し、AI音楽の未来に向けた協力関係を構築した。

免責事項: 本記事の情報は2026年1月8日時点のものです。AI音楽サービスの規約は変更される可能性がありますので、商業利用の前には必ず最新の公式情報をご確認ください。法的助言が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

Citations:
[1] Suno公式X(Twitter)- 所有権に関する公式声明(2026年1月7日) https://x.com/suno/status/2008732260477079754
[2] Suno公式Knowledge Base – 権利と所有権 https://help.suno.com/en/articles/2416769
[3] Suno公式Terms of Service https://suno.com/terms
[4] Digital Music News – Sunoの2026年ポリシー変更プレビュー(2025年12月22日) https://www.digitalmusicnews.com/2025/12/22/suno-warner-music-deal-changes/
[5] Music In Africa – Warner Music契約後の所有権規約調整(2025年12月26日) https://www.musicinafrica.net/magazine/suno-adjusts-ai-music-ownership-terms-after-warner-music-partnership
[6] mystats.music – 2026 Suno法的ガイド https://mystats.music/blog/suno-ai-legal-guide-2026

KOJI TANEMURA

15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。

技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。

また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。

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