Cloudflare Clef - Cloudflare、画像も判定できる判断専用AI「Clef」を公開。Jev互換でオープンソース anchor left anchor right

Oct 02 2026 AIニュース

Cloudflare、画像も判定できる判断専用AI「Clef」を公開。Jev互換でオープンソース

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📖 この記事で分かること

  • Clef と Clef-flash が何をするモデルか
  • Jev との違い(画像・速さ・料金)
  • Workers AI で使うときの制限
  • テキストの判定を乗り換えるべきか

💡 知っておきたい用語

  • 判断専用AI:文章を書かず、決められた選択肢ごとの確率だけを返す AI。申込書の「はい・いいえ」欄に丸を付ける係のようなもの

最終更新日: 2026年10月2日

▶ 公式ページ

Cloudflare Clef - Cloudflare、画像も判定できる判断専用AI「Clef」を公開。Jev互換でオープンソース

Cloudflare Clef とは

この記事のポイント

  • Cloudflare が 2026年10月1日(米国時間)、判断専用AI「Clef」と軽量版「Clef-flash」(いずれも2026年10月時点)を公開しました。
  • TypeSafe AI の Jev と同じ形で呼べ、Jev にない画像入力に対応します。
  • Workers AI での料金は入力 100 万トークンあたり Clef が $0.24、Clef-flash が $0.09 です(2026年10月時点)。

Cloudflare Clef は、文章を生成せず、渡した質問の選択肢ごとに確率を返す「判断モデル」です。Cloudflare の Workers AI チームが初めて自社で学習させたモデルで、Workers AI 上で提供され、重みも Apache 2.0 ライセンスで Hugging Face に公開されました。

問い合わせが急ぎかどうか、どの担当に回すか、といった判断を、大規模言語モデルに毎回文章を書かせずに 1 秒未満で返すための部品です。画像を判断材料に使える点が、先行する Jev との最大の違いです。

判断専用AIが半月で3つ出そろった

9月半ばから、文章を書かない判断専用の AI が相次いで登場しています。

  • 9月15日: TypeSafe AI が 文章を書かない AI「Jev」を公開
  • 9月29日: OpenAI が DevDay で Decisions API を発表
  • 10月1日: Cloudflare が Clef と Clef-flash を公開

Cloudflare は発表の中で、Jev への関心の高さが「速く、小さく、用途を絞った分類モデル」の需要を示したと書き、強化学習の取り組みを始める領域にそこを選んだと説明しています。API【エーピーアイ】も Jev と完全に互換で、送る中身(判断の材料と質問)と返ってくる答えの形が同じです。

当サイトの OpenAI Decisions API と Jev の比較では、「判断の材料に画像が入る業務なら、選べるのは料金未公表の Decisions API だけ」と結論づけました。Clef は画像を受け付けたうえで料金を公表しており、この前提が変わりました。

仕様と料金

Clef は精度重視の大型版、Clef-flash は速さ重視の軽量版で、どちらも Jev と同じ 3 種類の質問(はい・いいえの確率、選択肢から 1 つ、段階評価)に答えます。

Clef Clef-flash Jev
画像の入力 対応 対応 非対応
一度に読める量 65,536 トークン 65,536 トークン 32k トークン
応答の速さ(中央値) 209.3 ミリ秒 38.8 ミリ秒 524.1 ミリ秒
入力の料金(100 万トークン) $0.24 $0.09 $0.042(2026年10月時点)

速さは Cloudflare が 43 種類の評価で測った中央値で、Jev の速さと読める量も同社の測定・説明によるものです。料金は各社の公表値で、Jev は出力が無料、Clef の料金表に載っているのは入力の単価だけです。

Workers AI で使うときの制限

1 回に送れる質問は 64 個まで、画像は PNG・JPEG・WebP を 4 枚までです(2026年10月時点)。画像は 1 枚 4MiB・1,600 万画素以内で、外部の URL ではなく画像のデータをリクエストに埋め込んで渡します。Cloudflare は、リクエストと応答を読まず、保存せず、学習にも使わないと明言しています(後述のファインチューニングを使う場合を除く)。

速い理由

Clef は、入力を一度読み込んだあと、文章を 1 語ずつ書く工程を経ずに、すべての選択肢の点数を並列に計算します。土台は Qwen3.8-27B と Qwen3.5-9B(2026年10月時点)で、本体の重みは固定したまま、選択肢を採点する部分と小さな追加部品だけを学習させています。公開された重みでは動画のフレームも入力でき、モデルカードは NVIDIA H200 1 枚での動作を確認したとしています。

使いどころ

最初に効くのは、Web ページや画像を見て分類する処理と、大量の問い合わせの振り分けです。

Cloudflare 自身は、脅威情報を扱うチームで Web サイトの分類に Clef を使っています。Browser Run でページを取得・描画し、「ファッションの確率 95%、ネット通販 85%、フィッシング 1% 未満」のように答えさせる形です。取得から分類までにかかったのは 2.2 秒で、同じ処理を汎用モデルの gpt-oss-120b(2026年10月時点)で行うと 4.7 秒かかり、返ってきた分類も 2 つだけでした。

画像を材料にできるため、商品画像の分類、画面のスクリーンショットの振り分け、生成した画像の検品といった用途も 1 回の呼び出しで組めます。

あわせて、Clef を自社の判断に合わせて追加学習させる強化学習のサービスの提供も始めました。最初は Cloudflare の技術者チームが伴走し、のちに利用者が自分で学習から再配置まで行える仕組みにする計画です(2026年10月時点)。AI Gateway を通したやり取りを学習データに使う構成で、すでに AI Gateway を使っている企業なら、手元のやり取りがそのまま材料になります。

編集部の見方

編集部は、画像を判断材料に使う処理なら Clef がいま試す第一候補だと見ます。一方で、テキストだけの判定を Jev から乗り換える理由はまだ弱いと考えます。

  • 根拠1: 当サイトが比べてきた 3 つのうち、画像を受け付けて料金も公表し、今日から使えるのは Clef だけです。Decisions API は 10月1日時点で料金が公表されていませんでした。
  • 根拠2: 精度の比較表は Cloudflare 自身の測定で、項目によって勝ち負けが分かれます。問い合わせの意図分類(BANKING77)は Clef 94.20 対 Jev 79.74 と差が大きい一方、ツールを呼ぶべきかの判断(When2Call)は Jev が 80.97 対 72.37 で上回ります。
  • 根拠3: 料金は Clef が Jev の約 5.7 倍、Clef-flash でも約 2 倍です。テキストを大量に判定する処理では、Jev の安さが効きます。

編集部も業務の自動化で Jev を判定に使っていますが、画像を判定したい場面では、別の AI で画像を一度文章に起こしてから Jev に渡す二段構えにしていました。Clef ならこれを 1 回の呼び出しにまとめられる可能性があり、手元の画像で試す価値があります。ただし日本語での精度は公表資料に記載がないため、自社のデータで確かめてから本番に入れるのが確実です。

この見方が変わる条件は、Jev が画像入力に対応した場合と、Clef の日本語での精度が低いと分かった場合です。


よくある質問

Q: Jev から Clef に切り替えるとき、コードの修正は必要ですか?

A: 送る中身と返ってくる答えの形は同じです。変わるのは送り先と認証で、Workers AI のエンドポイントと Cloudflare の API トークンを使います。

Q: 日本語の文章や画像も判定できますか?

A: 画像は PNG・JPEG・WebP を 1 回 4 枚まで渡せます。日本語の精度は公表資料に記載がないため、自社のデータで確かめるのが確実です。

Q: 自社のサーバーで動かせますか?

A: 重みは Apache 2.0 ライセンスで Hugging Face に公開されています。モデルカードは NVIDIA H200 1 枚での動作を確認したとしており、大型の AI 用半導体が必要です。


まとめ

Cloudflare Clef は、Jev と同じ形で呼べて、画像も判断材料にできる判断専用 AI です。料金は Jev より高いものの、画像を伴う分類を 1 回の呼び出しで済ませられる点で、これまで空いていた場所を埋めました。テキストの判定は Jev、画像を含む判定は Clef と使い分けるのが、現時点では現実的です。


【用語解説】

  • Workers AI: Cloudflare の世界中の拠点で AI モデルを動かすサービス。サーバーを用意せずに API で呼べる
  • ファインチューニング: 公開済みのモデルを自社のデータで追加学習させ、特定の判断に強くすること
  • Apache 2.0: 商用利用や改変を認めるオープンソースのライセンスの一つ

引用元:


この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。

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KOJI TANEMURA

15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。