GWM Worlds 2 は、Runwayが2026年9月3日に公開した、映像と音声を操作可能な環境として生成する研究プレビューです。
📖 この記事で分かること
- GWM Worlds 2が何を生成するモデルか
- 720p/24fpsと48kHz音声の意味
- テキスト操作できる世界モデルの用途
- まだ研究プレビューとして見るべき理由
💡 知っておきたい用語
- 世界モデル: 環境の見え方や動きを予測し、操作に応じて変化を生成するモデル
- 自己回帰モデル: 過去に生成した内容を使いながら、次の出力を順に作るモデル
- WorldPrompt: Runwayが説明する、世界の状態と時間ごとの行動を表す入力形式
最終更新日: 2026年9月4日
▶ 公式ページ
- Introducing GWM Worlds 2(Runway Research)

GWM Worlds 2は「動画を作る」だけのモデルではない
この記事のポイント
- Runwayは2026年9月3日、GWM Worlds 2(2026年9月時点)を研究プレビューとして公開しました。
- 720p/24fpsの連続動画と48,000Hz音声を、入力に反応しながらリアルタイム生成します。
- 用途は映像制作だけでなく、ゲーム、仮想キャラクター、ロボット、身体性エージェントのシミュレーションまで広がります。
Runwayは2026年9月3日、研究プレビューとしてGWM Worlds 2を発表しました。公式説明では、連続する720p動画を24fpsで生成し、48,000Hzの音声も同時に扱う、リアルタイムのインタラクティブ世界生成モデルとされています。
重要なのは、これは単に「きれいな動画を数秒作る」モデルではない点です。ユーザーは環境、登場する主体、見た目、物理ルール、雰囲気を定義し、その中でテキストアクションやカメラ操作を使って世界を動かします。生成結果は固定のクリップや台本に閉じず、新しい入力から続いていきます。
Runwayは2025年12月にGWM Worldsを紹介していました。今回のGWM Worlds 2は、その延長として音声生成と、より豊かな主体・シーン制御を追加した位置づけです。
WorldPromptで「続く世界」を指定する
GWM Worlds 2の特徴は、入力をWorldPromptという形式で整理していることです。公式説明では、世界を「持続する文脈」と「時間とともに変わる出来事」に分けて扱います。
持続する文脈には、環境の説明、登場する主体、材質、照明、周囲の音、重力や衝突などのルール、最初のフレームが含まれます。一方、時間ごとの出来事には、移動、ジェスチャー、物体操作、発話、音、カメラの移動が入ります。
この設計により、モデルは単発のプロンプトから短い映像を作るだけでなく、「この世界では何が変わらず、何が次に起きるのか」を分けて受け取れます。ゲームや仮想空間のように、同じ環境の中でプレイヤーや監督役が操作を加える用途と相性が良い構造です。
リアルタイム生成はまだ研究段階だが用途が広い
Runwayは、GWM Worlds 2を自己回帰型の拡散ビデオ・音声モデルと説明しています。各ステップでは、最初のフレームと世界設定、現在のカメラ入力やテキストアクション、過去に生成したフレームを条件にして、次の映像と音声を生成します。
用途として公式ページが挙げているのは、インタラクティブエンターテインメント、仮想キャラクター、ロボットや身体性エージェントのシミュレーション、生成的なデザインやインターフェースです。特にエージェント制御の例では、キャラクターや環境をエージェントに操作させる使い方が示されています。
ただし、すぐに商用ゲームエンジンを置き換える話として読むのは早いです。公式ページでも、リアルタイム操作では事前に用意したアクションプロンプトをキーやマウス操作に割り当てるデモが説明されています。自由入力だけで、低遅延かつ安定した体験を作るには、まだ実装上の工夫が必要です。
生成AIの競争軸が「映像」から「環境」へ移る
ここ数年の生成動画は、短いクリップをいかに高品質に作るかが中心でした。GWM Worlds 2は、その競争軸を少しずらしています。目指しているのは、完成済みの動画ファイルではなく、入力に応じて続く環境です。
これは、制作現場にとっても意味があります。映像制作では、先にシーンや演出の候補を試すプロトタイピングに使える可能性があります。ゲームやインタラクティブコンテンツでは、背景やキャラクターの反応を、あらかじめすべて手作業で作り込むのではなく、生成モデルで試す流れが見えてきます。
AIエージェントの評価にも接点があります。静的なベンチマークではなく、視覚と音を持つ環境の中で、エージェントがどう行動するかを見る用途です。Runway自身も、GWM Worlds 2をエージェント評価や訓練に使える可能性に触れています。
編集部の見方
編集部は、GWM Worlds 2を「動画生成の新モデル」よりも、「生成AIを操作可能な環境へ近づける研究」と見るのが妥当だと考えます。
根拠は3つあります。第一に、公式発表が720p/24fpsの映像品質だけでなく、48,000Hz音声、テキストアクション、カメラ操作、継続生成を同時に説明していることです。単発動画ではなく、体験としての世界を作ろうとしています。
第二に、WorldPromptが環境、主体、ルール、時間ごとの行動を分けて扱っている点です。これは映像生成というより、インタラクティブなシミュレーションの入力設計に近いです。
第三に、Runwayが用途としてロボットや身体性エージェントのシミュレーションを明示していることです。生成動画の応用先が、広告やSNS動画だけではなく、AIエージェントの訓練・評価にまで広がっています。
この見方が変わる条件は、リアルタイム操作の遅延や一貫性が、実際の開発現場で使える水準に届かない場合です。研究プレビューの段階では、商用導入よりも、方向性を読む発表として捉えるのが安全です。
よくある質問
Q: GWM Worlds 2は一般ユーザーがすぐ使えるサービスですか?
A: 公式発表では研究プレビューとして紹介されています。一般向けの提供条件や料金は、今回の記事で確認した公式ページ内では明示されていません。
Q: 普通の動画生成モデルと何が違いますか?
A: 固定長の動画を一度作るだけでなく、環境や主体を定義し、テキストアクションやカメラ操作に応じて続きの映像と音声を生成する点が違います。
Q: 仕事で見るならどこが重要ですか?
A: すぐ導入できるかより、映像生成がゲーム、ロボット、AIエージェント評価のような「操作できる環境」に広がっている点が重要です。
まとめ
GWM Worlds 2は、生成動画を短い完成クリップから、入力に応じて続くインタラクティブな世界へ進める研究プレビューです。720p/24fpsの映像と48,000Hz音声をリアルタイムに扱う点は分かりやすい進化ですが、本質はWorldPromptと継続生成にあります。
現時点では商用利用の即戦力というより、生成AIが「見るコンテンツ」から「操作する環境」へ進む流れを示す発表として読む価値があります。
【用語解説】
- 拡散モデル: ノイズから画像や動画を段階的に作る生成AIの代表的な方式。
- 身体性エージェント: ロボットや仮想キャラクターのように、環境の中で行動するAIエージェント。
- リアルタイム生成: ユーザー操作や入力に反応しながら、その場で映像や音を作る方式。
引用元:
- [1] Introducing GWM Worlds 2(Runway Research)
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。