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Feb 18 2026

「死後も投稿するAI」Meta特許報道の要点

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📖 この記事で分かること

  • 何が「特許」として報じられたのか(機能の概要)
  • 特許=実装ではない理由と、断定できない点
  • 一次情報(公報)確認の現状と、根拠の扱い方
  • 倫理・プライバシー・なりすまし等の主要論点

💡 知っておきたい用語

  • デジタル遺産:故人のオンラインアカウントやデータの扱い(相続・管理・追悼設定など)

まず何が報じられたのか

海外メディアDexertoは、Metaが「ユーザーがSNSから離れている間、そのユーザーの振る舞いをAIで“シミュレート”する」技術に関する特許を取得したと伝えました。報道によれば、過去の投稿、コメント、DM、リアクション等の履歴(ユーザー固有データ)を学習し、本人の文体や反応傾向に近い形で投稿や返信を続け得る、という想定です。

対象となる不在の理由には、長期休止(デジタルデトックス)に加え、死亡した場合も含まれるとされています。また、音声やビデオ通話のような、より高度なコミュニケーションの可能性に触れている、という説明もあります。

一次情報(特許文書)はどこまで確認できる?

今回のDexerto記事はBusiness Insiderの報道を参照しており、特許の文言として「ユーザーが長期の休止を取る、または死亡した場合」を例示している、と紹介しています。

一方で、Dexerto本文・Business Insiderのページ上(メタデータ/構造化データを含む)では、特許番号やUSPTO等の公報リンクが明示されていないため、本稿執筆時点では当該特許を一意に特定し、一次資料へ直接リンクして根拠を示すところまで到達できていません。

このため本稿では、特許の具体的内容(付与時期や出願年、記載者名など)については、「報道ベース(伝聞)」として区別して記述します。

特許=実装ではない(Metaの意図は断定できない)

Dexertoは、Metaが「特許は必ずしも製品化を意味しない」と説明し、(報道によれば)「この例を進める予定はない」との趣旨のコメントがあったと伝えています。

企業が特許を出す理由は、将来の選択肢確保や防衛目的などさまざまで、特許が付与された=近い将来に提供されると断定することはできません。

懸念点:倫理・プライバシー・なりすまし

実装の有無とは別に、同種の技術が社会に出る場合、論点は多岐にわたります。

  • 同意と死後のプライバシー:本人が生前に同意したとしても、死後にどこまで“本人らしさ”を再現してよいのか。DMや音声等には第三者の情報も含まれ得ます。
  • なりすまし/詐欺のリスク:本人に近い受け答えが可能なほど、悪用時の被害は拡大します。周囲が真偽を見抜けず、金銭詐欺や情報搾取に使われる懸念があります。
  • グリーフ(悲嘆)への影響:追悼・慰めになり得る一方、喪失の受容を妨げる可能性もあります。用途(追悼/商用運用)で評価は変わります。

よくある質問

Q: 特許を取ったなら、もう実装が決まったの?

A: 一般に、特許の取得は「アイデアや技術的な手段を権利化した」ことを示すにとどまり、製品化を意味しません。報道でもMetaは実装を示唆しない説明をした、とされています。

Q: 故人のアカウントが勝手に投稿するのは合法?

A: 国・地域や契約(利用規約)、相続・プライバシー法制、本人の同意の有無で判断が変わります。現状はケースごとの解釈になりやすく、制度整備が追いついていない領域です。

Q: なりすまし対策はできる?

A: 「AIが投稿したことの明示」「権限管理(遺族/本人指定者の承認)」「強固な本人確認」「監査ログ」などは考えられますが、完全な対策は難しく、運用設計が重要になります。

【用語解説】

  • デジタル遺産 : 故人のアカウント、クラウドデータ、サブスク等を含む“オンライン上の資産・情報”の総称
  • なりすまし : 本人を装って発信・連絡し、信用を悪用する行為(詐欺や情報搾取に直結)
  • グリーフテック : 悲嘆(グリーフ)を支援する目的で、故人のデータ等を活用する技術やサービスの総称

免責事項: 本稿は公開情報(報道)に基づく解説であり、特定の企業や技術の意図・方針を断定するものではありません。法的評価は国・地域や個別事情で異なるため、必要に応じて専門家へご相談ください。

引用元:

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KOJI TANEMURA

15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。

技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。

また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。