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ChatGPT Apps マネタイズ入門:会話から売上を作る方法

2025年12月16日

📖 この記事で分かること
・ChatGPT Appsで「どうやってお金を稼ぐのか」の基本
・External CheckoutとInstant Checkoutという2つの方式
・あなたのビジネスにどう組み込めるか
・今日から準備できる具体的なステップ

💡 知っておきたい用語
・External Checkout(エクスターナル・チェックアウト):ユーザーが支払いをする時に、開発者が用意した自分のサイト(自社ドメイン)に移動して決済を完了させる方式です。ChatGPT Appsは「入口」として機能し、お金のやり取りは外部で行います。


最終更新日: 2025年12月16日


AIアプリを作っても、集客が一番大変じゃないですか?

正直なところ、どれだけ良いアプリを作っても、「誰にも使ってもらえない」という壁にぶつかることってありますよね。
広告を打つにはお金がかかるし、SNSでバズらせるのも簡単ではありません。

ChatGPT Apps が注目されているのは、すでに何億人もの人が使っているChatGPTの中に、自分のアプリを置ける可能性があるからです。
しかも、OpenAIは開発者向けに「Apps SDK」という仕組みを用意していて、外部のサービスやデータをChatGPTにつなげられるようにしています。

では、ここからどうやって「自分の売上」に変えていけばいいのでしょうか。
公式ドキュメントを丁寧に読み解いていくと、実に興味深い設計が見えてきます。


ChatGPT Apps マネタイズの全体像:2つの決済方式

まず、難しい話を抜きにして、構造だけ押さえましょう。

OpenAI公式のマネタイズページ(https://developers.openai.com/apps-sdk/build/monetization)では、開発者に対してこう説明しています:

  • ChatGPT Appsを作るとき、どうマネタイズするかは開発者が選ぶ
  • 現在、一般提供されている推奨方法はExternal Checkout
  • さらに、Instant Checkoutという、ChatGPT内で即座に決済できる仕組みも用意されている

つまり、マネタイズの基本パターンは次の2つです。

  1. External Checkout:ユーザーを自社サイトに誘導して決済
  2. Instant Checkout:ChatGPTの会話の中でそのまま決済

それぞれ、どんな仕組みでどう使い分けるのか、もう少し詳しく見ていきます。


External Checkout:今すぐ使える「基本形」

External Checkoutは、構造がかなりシンプルです。

  • ユーザーはChatGPT Appsを使っている
  • 有料プランや有料コンテンツに進みたくなる
  • アプリがユーザーを、開発者の自社ドメイン(Webサイトなど)へ誘導
  • 実際の決済は、そのサイト上の決済システム(Stripeなど)で完結

公式ドキュメントでは、これが「today, the recommended and generally available approach(今日、推奨されている一般的なアプローチ)」と明記されています。

注目すべき点は、

  • お金の流れはあなたのビジネス側で完結する
  • ChatGPTは超強力なフロントエンド兼入口として機能する

という構造になっていることです。

ここでの開発者の自由度は高く、価格設定も、サブスク設計も、全部自分でコントロールできます。
ただ、「ChatGPT→外部サイト」という遷移が発生するため、ユーザー体験としては一度流れが途切れます。


Instant Checkout:会話の中で完結する決済体験

一方、Instant Checkoutはどうでしょうか。

OpenAIは「Buy it in ChatGPT」という発表で、ChatGPT内で商品やサービスをそのまま購入できる仕組みとしてInstant Checkoutを紹介しています。

ざっくりいうと:

  • ユーザーはChatGPTとの会話の中で、
  • 商品やサービスを提案される
  • 「これを買いたい」と選ぶ
  • そのままChatGPT上で、
  • 支払い方法を選び
  • 購入を確定できる

これって、想像以上にすごいことです。
会話の流れが途切れずに、そのまま決済まで進めるということは、コンバージョン率が劇的に高くなる可能性があります。

ただし、現時点では:

  • どのような商品・サービスが対象になるか
  • 手数料やレベニューシェアの条件

といった詳細は、まだ完全には公開されていません。

個人的には、単発購入・小さめの決済・デジタル商品など、「会話の流れの中で今すぐ買いたい」にマッチしやすいものと相性が良さそうだと感じています。


Agentic Commerce Protocol:会話と決済をつなぐ「共通ルール」

Instant Checkoutとセットで語られているのが、Agentic Commerce Protocolです。

公式の説明では、

  • ChatGPTのようなエージェントが
  • 外部のコマースシステムと安全にやり取りし
  • 会話の中からそのまま決済に進めるためのオープン標準

として位置づけられています。

開発者視点でいうと、
「ChatGPTが”買う”という行為を代行する時に、どんな情報をどうやり取りするかのルールセット」
と捉えるとイメージしやすいと思います。

ここでも、

  • プラットフォーム(ChatGPT)が担う責任範囲
  • 開発者側のバックエンドが担う責任範囲

この2つの境界線が、ビジネスロジック的にはとても重要になってきます。


「マネタイズできる」の裏側:気になるビジネスロジック

ここからは、公式情報を踏まえたうえでの開発者目線の感想・推測です。

正直なところ、「マネタイズできる」と公式がはっきり言っている以上、裏側には必ず何らかのビジネスロジックが存在します。

個人的に気になっているのは、ざっくり次の3つです。

① 価値の分配ロジック

ユーザーにとっての価値は、

  • ChatGPT本体の会話体験
  • あなたのアプリが提供する機能・専門性

の組み合わせで生まれます。

「どこまでがプラットフォームの価値で、どこからがアプリの価値か」を、OpenAIがどう見積もっているのか。
ここは、レベニューシェアや料金モデルの設計に直結するはずです。

② トラフィックと売上の関係

  • External Checkoutの場合、売上は基本的に開発者側で完結します。
  • Instant Checkoutを使う場合は、
  • 決済の一部または全部がChatGPTの中で行われる
  • その対価として、何らかの利用料や手数料が発生する

という構造が自然に想像できます。

「どの決済フローを選ぶかによって、どのくらいプラットフォーム側にフィーを払うのが普通になるのか?」
という点も、今後の公式アナウンスで注視したいところです。

③ アプリの露出ロジック(ディレクトリ・ランキング)

Apps SDKの発表では、

  • ChatGPT内にアプリディレクトリ(ストア)を用意し
  • ユーザーがアプリを検索・閲覧できるようにする

という計画が説明されています。

実際にディレクトリが動き始めると、

  • どのアプリがどれだけ露出されるか
  • どんな指標(品質・利用率・売上など)がランキングに効くのか

が、ビジネス的にはかなり大きな意味を持ちます。

「マネタイズできる」という話の裏側には、「誰のアプリがユーザーの目に触れやすいか」というロジックも必ず存在するはずで、ここは個人的に一番気になっているポイントです。


External Checkoutを前提に、今から設計できるビジネスロジック

とはいえ、全部が見えるまで待っていると、何も始められません。
現時点で公式に「推奨」とされているExternal Checkoutを前提に、開発者が自分で設計できるビジネスロジックはかなりはっきりしています。

パターン1:ChatGPT Appsを「信頼を作る入口」にする

  • ChatGPT上では、
  • 無料で一部機能を提供
  • 問題解決の「手触り」を感じてもらう
  • 外部サイトに遷移した後で、
  • 拡張機能
  • 高頻度利用
  • チーム利用

などを有料オプションとして提供。

ここでは、
「会話の中で信頼を作り、外部で決済する」
というシンプルなロジックが成立します。

パターン2:既存サブスクの価値を底上げする”AIフロントエンド”

Apps SDKは、既存のバックエンドと直接つなぎ、既存顧客がログインしてプレミアム機能にアクセスできるように設計されています。

  • すでにサブスクビジネスがある場合、
  • ChatGPT Appsは「AIコパイロット」「AI相談窓口」として機能し、
  • 既存プランの価値を底上げする役割を担えます。
  • 新しい料金プランを増やさなくても、解約率の低下や利用頻度の向上という”間接的マネタイズ”が期待できます。

具体的な始め方:4ステップで動き出す

では、「じゃあ何からやればいいの?」という方に向けて、具体的なステップをまとめます。

ステップ1:公式マネタイズページを読む

まずは、以下のページを一通り読みます:

ここで、

  • どのような方針でマネタイズ機能が提供されているのか
  • 開発者に求められるポリシーや品質基準は何か

を把握しておきます。

ステップ2:1つの課金ポイントを決める

公式のマネタイズ機能が整う前提で、

  • どこでお金をいただくのが自然か
  • 無料でどこまで開放するか

を決めて、アプリ設計に織り込みます。

ここは、今すぐ決済を実装しなくても大丈夫です。
「将来、ここを有料にする」という前提で、機能を分けておくだけでも意味があります。

ステップ3:Apps SDKの基本チュートリアルを動かす

次に、Apps SDKの基本的なチュートリアルに沿って、

  • シンプルなアプリを1つ作ってみる
  • ChatGPTからそのアプリを呼び出せる状態にする

ここまでは、まだマネタイズとは関係なくても構いません。
「ChatGPTの中で自分のアプリが動く感覚」を体験することが大事です。

ステップ4:小さく検証→本格化

Instant Checkoutやディレクトリの進化に合わせて、そのロジックをどう重ねるかを考えます。

この「小さく作って、公式の変化に合わせて育てる」というスタイルが、現時点では一番現実的です。


よくある質問

Q: 今から始めても、もう遅くないですか?
A: 正直なところ、一般的なチャットボット市場は競争が激しくなってきています。ただ、ChatGPT AppsとInstant Checkoutの組み合わせは、まだ始まったばかりです。特定の業界やニッチな課題に絞れば、今からでも十分チャンスはあります。

Q: External CheckoutとInstant Checkoutはどう使い分ければいいですか?
A: External Checkoutは、しっかりした自社サイトやサブスクモデルがある場合に向いています。一方、Instant Checkoutは、単発購入や小額決済、デジタル商品など「会話の流れで今すぐ買いたい」ニーズに合います。両方を組み合わせることも可能です。

Q: どのくらい稼げる可能性がありますか?
A: ここは「間違いなく○○円稼げる」とは言えません。ユーザー数、価格設定、アプリの価値、競合状況によって大きく変わります。ただ、ChatGPTという大きな入口の中にアプリを置けるため、従来よりも「試してもらえる確率」が高いことは期待できます。


まとめ:マネタイズできる=ビジネスロジックが”共存”する世界

  • 2025年12月時点での公式情報を見ると、
  • External Checkoutは「今もこれからも使われる基本形」
  • Instant Checkoutは「ChatGPT内で完結する決済体験」を実現する新しい選択肢
  • Agentic Commerce Protocolは、その裏側を支えるオープン標準

として位置づけられています。

  • レベニューシェア率や細かい料金モデルの数値は、まだ完全には公開されていませんが、「マネタイズできる」と公式が言い切っている以上、プラットフォームとアプリ開発者の間には、必ず何らかのビジネスロジックが存在します。
  • 開発者として今できるのは、
  1. External Checkoutを前提に、自分のビジネス側のロジックをしっかり設計する
  2. 「どこで価値を作り、どこでお金をいただくか」を今のうちから言語化しておく
  3. Instant Checkoutやディレクトリの進化に合わせて、そのロジックをどう重ねるかを考える

という3ステップです。

「マネタイズ出来るのはかなりあつい!」という感覚は、公式情報だけを見ても間違いなく共有できます。

一方で、「その裏でどんなビジネスロジックが動いているのか?」というモヤモヤも、開発者にとってはむしろ面白い観察ポイントです。

その”見えないロジック”を追いかけつつ、自分のアプリ側のロジックをどう設計するか。
ここが、ChatGPT Apps時代の稼ぎ方を考えるうえで、一番クリエイティブな部分だと個人的には思っています。


【用語解説】

  • Apps SDK:ChatGPT用のアプリ開発キット。開発者が自分の機能やデータソースをChatGPTから呼び出せるようにするための仕組みです。
  • External Checkout:ユーザーが支払いをする時に、開発者の自社サイトに移動して決済を完了させる方式。
  • Instant Checkout:ChatGPTの会話の中で、そのまま支払いを完了できる決済方式。
  • Agentic Commerce Protocol:ChatGPTのようなAIエージェントが、外部のコマースシステムと安全にやり取りするためのオープン標準。
  • API【エーピーアイ】:ソフトウェア同士が情報をやり取りするための「窓口」となる仕組みです。

免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。必ず最新情報をご確認ください。AI技術およびChatGPT Appsのマネタイズ仕様は急速に変化しており、機能や条件は予告なく変更される場合があります。

Citations:
[1] OpenAI Developers – Apps SDK Monetization: https://developers.openai.com/apps-sdk/build/monetization
[2] Buy it in ChatGPT: https://openai.com/index/buy-it-in-chatgpt/
[3] Introducing apps in ChatGPT: https://openai.com/index/introducing-apps-in-chatgpt/

KOJI TANEMURA

15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。

技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。

また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。

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