Claude Code 2.1.260 は、Claude Fable 5.1 のプロンプトキャッシュがツール実行結果のあとに付く文脈を対象にしておらず、ツールを呼ぶターンごとに未適用の入力として送り直していた不具合を修正した更新です。
📖 この記事で分かること
- ツール実行後の文脈がキャッシュ対象外だった不具合
- 入力とキャッシュ読み取りの単価差は40倍
- エージェント用途ほど影響が出やすい理由
- /cost でキャッシュミスの原因が見えるように
💡 知っておきたい用語
- プロンプトキャッシュ: 毎回同じ内容を送り直さずに済ませる仕組み。会議で前回の資料を配り直さず「お手元の資料」と言うのに近い。
最終更新日: 2026年9月4日
▶ 公式ページ
- Claude Code v2.1.260 リリースノート(GitHub)
- Claude 料金ページ(Claude 公式)

Claude Code 2.1.260 が修正した内容
この記事のポイント
- Claude Code v2.1.260(2026年9月時点)が、Claude Fable 5.1 のプロンプトキャッシュが「ツール実行結果のあとに付く文脈」を対象外にしていた不具合を修正しました。
- その文脈はツールを呼ぶターンごとに、キャッシュ未適用の入力として送り直されていました。
- Fable 5.1 の入力は100万トークンあたり10.00ドル、キャッシュ読み取りは0.25ドルで、単価差は40倍です(2026年9月時点)。
Anthropic は日本時間の9月4日、Claude Code の v2.1.260 を公開しました。修正項目のうち課金に直接効くのが、Claude Fable 5.1 のプロンプトキャッシュに関する不具合です。
リリースノートには「Claude Fable 5.1 のプロンプトキャッシュがツール実行結果のあとに付く文脈を対象にしておらず、ツールを呼ぶターンごとにキャッシュ未適用の入力として送り直されていた」と記載されています。つまり、本来ならキャッシュから読み出されるはずの部分が、毎回あらためて入力として計上されていたことになります。
単価差は40倍、ただし増加額は公式に示されていない
影響の大きさは単価表から逆算できます。Claude Fable 5.1 の料金は、入力が100万トークンあたり10.00ドル、出力が50.00ドル、プロンプトキャッシュの読み取りが0.25ドル、書き込みが12.50ドルです(2026年9月時点)。
キャッシュが効いていれば0.25ドルで読み出せた分が、入力として送り直されると10.00ドルで課金されます。単価にして40倍の差です。
ただし、これはあくまで単価の比較です。実際に請求額が何割増えていたかは、公式には示されていません。送り直されていた文脈がセッション全体のトークンに占める割合は、使い方によって変わるためです。ここを断定するだけの材料は現時点でありません。
ツールを多く呼ぶ使い方ほど影響が出やすい
構造上、影響が出やすいのはツールを繰り返し呼ぶ使い方です。対象が「ツール実行結果のあとに付く文脈」である以上、ツール呼び出しの回数が増えるほど、送り直される機会も積み上がります。
ファイルを読み、コマンドを実行し、その結果を踏まえてまた次の操作へ進むコーディングエージェントの使い方は、まさにこの形に当てはまります。逆に、ツールをほとんど使わない一問一答に近い使い方であれば、該当する文脈自体が積まれません。同じモデルを使っていても、影響の出方が用途で分かれる点は押さえておく価値があります。
なお v2.1.260 では、Fable 5.1 まわりでもう1つキャッシュに関わる改善が入りました。セッションの途中で /effort を変更してもプロンプトキャッシュが無効化されなくなっています。こちらは不具合修正ではなく挙動の改善という位置づけです。
Fable 5.1 の料金体系そのものについては、キャッシュ読み取りの値下げを含む公開時の変更点も併せて確認できます。
キャッシュミスの原因が確認できるようになった
同じリリースで、キャッシュの状態を確認する手段も追加されました。/cost とステータスラインの prompt_cache フィールドに、プロンプトキャッシュが外れた「推定される原因」が表示されます。リリースノートでは、ツール定義やシステムプロンプトが変わった場合、TTL を超えて放置された場合が例として挙げられています。
このほか v2.1.260 では、ANTHROPIC_DEFAULT_FABLE_MODEL のピン留めに付けた [1m] タグを model: fable のエージェントが無視し、200K のコンテキストウィンドウで動いてしまう不具合も修正されています。1M コンテキストのモデル向けに、上限の手前で自動コンパクトが走るようになった点も併せて入りました。
編集部の見方
編集部は、この修正で最も重いのは不具合そのものより 「気づけなかった」という点 だと見ています。
- 根拠1: 症状が「動かない」ではなく「請求が増える」だったため、利用者側からは異常として認識しにくい構造でした。エラーも警告も出ません。
- 根拠2: 単価差が40倍あるため(2026年9月時点)、割合としては小さく見える差分でも金額としては効きます。
- 根拠3: 同じリリースで
/costに原因表示が追加されたことは、確認手段が不足していたことの裏返しでもあります。
実務としては、v2.1.260 へ更新したうえで、/cost とステータスラインの prompt_cache を一度見ておくのが妥当です。キャッシュが効いている前提でコストを見積もっていた場合、前提の確認になります。
この見方が変わる条件は、Anthropic が影響範囲や期間について追加の説明を出した場合です。実際に課金へどの程度反映されていたかが示されれば、評価の重心は「気づきにくさ」から「影響の実額」へ移ります。
よくある質問
Q: 自分の環境が影響を受けていたか確認できますか
A: 過去にさかのぼって確認する手段は、リリースノートには記載されていません。v2.1.260 以降であれば /cost とステータスラインの prompt_cache でキャッシュミスの推定原因を確認できます。
Q: Fable 5.1 以外のモデルも対象ですか
A: この修正項目で名指しされているのは Claude Fable 5.1 です。他のモデルについての記載はありません。
Q: 料金の返金や調整はありますか
A: リリースノートに返金や調整に関する記載はありません。公式からの案内も現時点で確認できていません。
まとめ
Claude Code v2.1.260 は、Claude Fable 5.1 のプロンプトキャッシュがツール実行結果のあとの文脈を対象外にしていた不具合を修正しました。該当部分は毎ターン、キャッシュ未適用の入力として送り直されており、入力とキャッシュ読み取りの単価差は40倍です。実際の増加額は公式に示されていません。ツールを繰り返し呼ぶエージェント用途ほど構造的に影響を受けやすく、更新後は /cost でキャッシュの状態を確認しておくと前提のずれに気づけます。
【用語解説】
- プロンプトキャッシュ: 繰り返し送る内容をあらかじめ保持しておき、2回目以降は安く読み出す仕組み。読み取りと書き込みで単価が分かれる。
- コンテキストウィンドウ: モデルが一度に読み取れる分量の上限。
- TTL【ティーティーエル】: 保持しておく有効期間。これを過ぎるとキャッシュは失われる。
引用元:
- [1] Claude Code v2.1.260 リリースノート(GitHub)
- [2] Claude 料金ページ(Claude 公式)
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。