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Feb 03 2026

Grok Imagine 1.0登場、xAIがSora・Veo対抗の動画生成市場に本格参入

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📖 この記事で分かること

  • xAIが動画生成AI「Grok Imagine 1.0」を発表した
  • 720p・最大10秒の動画を生成でき、30日で12億本超が作られた
  • 開発者向けAPIも同時公開、競合との差別化を狙う
  • 安全性への懸念が残り、複数国で規制当局が調査を開始している

💡 知っておきたい用語

  • テキストto動画(Text-to-Video):文章を入力するだけでAIが自動的に動画を作る技術。料理のレシピを書くと、その通りの料理動画ができるようなイメージ。

最終更新日: 2026年02月03日

xAIが「Grok Imagine 1.0」を発表、動画生成AIの新たな選択肢に

イーロン・マスク率いるxAIは2026年2月2日(米国時間)、AI動画生成モデル「Grok Imagine 1.0」を発表しました。同社はこれを「これまでで最大の飛躍」と位置づけています。

新バージョンでは720p解像度で最大10秒の動画生成が可能になり、音声品質も「劇的に向上」したとxAIは説明しています。テキストから動画を生成する機能に加え、静止画を動かすことも可能です。フォローアッププロンプトによる編集機能も備え、生成後の調整ができます。

Grok Imagine 1.0はX Premium Plus加入者向けに提供されており、追加課金なしで利用できます。X Premium Plusは月額22ドルで、Grok Imagineのほか広告削減やGrok全機能へのアクセスなどが含まれます。

30日間で12億本超、驚異的な利用規模を記録

xAIは、Grok Imagineが過去30日間で12億4500万本の動画を生成したと発表しました。単純計算で1日あたり約4150万本、1秒あたり約481本という規模です。

この数字はユーザー数の開示がないため利用実態の評価は難しいものの、生成AIサービスとしては異例の規模といえます。背景には、Xの膨大なユーザーベースへの直接統合と、追加料金不要というアクセスの容易さがあると考えられます。

xAIは2025年3月にAI動画スタートアップのHotshotを買収しており、同社の技術とxAIが保有する世界最大級のスーパーコンピューター「Colossus」の計算資源を組み合わせた成果が、今回のリリースに結実した形です。

開発者向けAPIも同時公開、エコシステム構築を狙う

xAIは「Grok Imagine API」も同時に公開しました。これは動画生成とビデオ編集の機能を統合したAPIで、開発者が自社サービスに動画生成機能を組み込めるようになります。

公式発表では、xAIはレイテンシーとコスト効率で競合(Sora、Veo、Kling、Runway)に対して優位性があると主張しています。HeyGenなどの動画生成サービスとの連携も発表されており、単なるコンシューマー向けツールにとどまらない展開を見据えています。

APIの具体的な料金体系は公式ドキュメントに記載されていますが、本記事執筆時点では詳細を確認できていません。利用を検討する開発者はxAI Consoleで最新情報を確認してください。

安全性への懸念が残る——複数国で規制当局が調査

一方で、Grok Imagineには深刻な安全性の問題が指摘されています。2025年12月から2026年1月にかけて、非同意のディープフェイク画像や未成年者の性的コンテンツがGrokで生成されたとする報告が相次ぎました。

英国のインターネット監視団体Internet Watch Foundationは、Grokで生成されたとされる11〜13歳児童の違法画像がダークウェブ上で流通していると報告しています。マレーシアとインドネシアはGrokへのアクセスをブロックし、EU、英国、インド、ブラジルなどでも規制当局が調査を開始しました。

xAIはこれを受け、画像生成機能を有料会員限定に制限する措置を取っています。しかし発表直前の数週間で、安全チームの主要メンバー3名(Vincent Stark、Norman Mu、Alex Chen)がxAIを退職したと報じられており、安全対策の実効性には疑問符が付きます。

Grok Imagine 1.0は技術的には競争力のある製品ですが、利用を検討する際はこうした安全性の議論を踏まえた判断が求められます。


よくある質問

Q: Grok Imagine 1.0は誰が使えますか?

A: X Premium Plus(月額22ドル)の加入者が利用できます。サブスクリプション内で追加料金はかかりません。開発者はGrok Imagine APIを通じて自社サービスに組み込むことも可能です。

Q: OpenAIのSoraと比べてどこが違いますか?

A: Grok Imagine 1.0は720p・最大10秒、SoraはHDで最長20秒とされています。提供形態は似ており、GrokはX Premium Plus(月額22ドル)に含まれ、SoraもChatGPT Plus(月額20ドル)またはChatGPT Pro(月額200ドル)に追加料金なしで含まれています。画質や一貫性の比較は第三者評価が出揃っていないため、現時点では判断が難しいです。

Q: 日本から利用できますか?

A: X Premium Plusに加入していれば日本からも利用可能です。ただし、一部の国ではGrok自体がブロックされているケースがあり、各国の規制状況には注意が必要です。


まとめ

xAIの「Grok Imagine 1.0」は、720p・10秒の動画生成と開発者向けAPIを備え、動画生成AI市場への本格参入を示しました。30日間で12億本超という利用規模はXプラットフォームとの統合が奏功した結果といえます。一方、安全性に関する深刻な懸念と複数国での規制調査が進行中であり、利用にあたってはこれらのリスクを踏まえた判断が必要です。


【用語解説】

  • Grok Imagine【グロック イマジン】: xAIが開発するAI画像・動画生成モデルの名称。テキストや静止画から動画を自動生成する。
  • Colossus【コロッサス】: xAIが保有する世界最大級のスーパーコンピューター。約20万基のNVIDIA GPUを搭載し、AI学習の基盤となっている。
  • CSAM(Child Sexual Abuse Material)【シーサム】: 児童性的虐待素材の略称。その生成・所持・配布は多くの国で違法とされている。

免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。AI技術は急速に進歩しているため、機能や制限は予告なく変更される場合があります。


引用元:

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KOJI TANEMURA

15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。

技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。

また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。