📖 この記事で分かること
- Google Cloud の Model Garden に加わった OpenAI の 3 モデルの名前と用途
- API 利用と Codex CLI の推論先指定が初日からできること
- 請求が Google Cloud の 1 枚の請求書にまとまる仕組み
- 限定プレビューの対象と、ZDR など今後提供とされている項目
💡 知っておきたい用語
- Model Garden:Google Cloud 上で自社・他社・オープンのモデルをまとめて選び、呼び出せるカタログ
- 限定プレビュー(private preview):一部の顧客だけが先に使える段階。一般提供前なので対象や条件が変わりうる
最終更新日: 2026年10月23日
▶ 公式ページ
- Google Cloud brings OpenAI models to customers(発表ブログ)(Google Cloud Blog)

Google Cloud が OpenAI のモデルを Model Garden に追加
この記事のポイント
- Google Cloud は 2026 年 10 月 21 日、OpenAI の GPT-6 Astra、GPT-6.1 Sol、GPT-6 Luna(2026年10月時点)を Model Garden に追加し、一部の企業顧客向けに限定プレビューを始めました。
- API から利用でき、手元の Codex CLI や Desktop の推論先(モデルの呼び出し先)を Gemini プラットフォームに向けられます。
- 利用料は Google Cloud Marketplace 経由で 1 枚の請求書にまとまり、既存の利用コミットメントと割引プラン FSP の対象になります。
- ZDR(入力と出力をサービス側に残さない)オプションと、Gemini for business・Google Antigravity での提供は「coming soon」です(2026年10月時点)。
Google Cloud を基盤にしていて OpenAI のモデルを別契約で使っている開発者は、同じプラットフォームの API と請求の中で GPT-6 系を評価できるようになります。ただし現時点では一部の企業顧客向けの限定プレビューです。Google Cloud は、3 モデルを Model Garden で順次提供しており、今後さらにモデルを追加するとしています。
対象の 3 モデルは GPT-6 Astra、GPT-6.1 Sol、GPT-6 Luna です。このうち GPT-6 Astra について Google Cloud は、コーディング、コンピューター操作、専門業務、科学研究といった負荷の高い作業向けと説明しています。GPT-6.1 Sol と GPT-6 Luna の位置づけは、発表ブログの該当箇所では個別に説明されていません。
Google Cloud はこの発表で、主要なクローズド LLM 3 系統すべてを扱う唯一の大手クラウドになったとしています。あわせて、Model Garden で扱うモデルは自社・サードパーティ・オープンを合わせて 200 以上(2026年10月時点)だとしています。
初日からできること
API 経由の開発と、手元の Codex CLI・Desktop の推論先指定が、発表当日から可能です。Codex CLI は OpenAI のコーディングエージェントを端末で動かすコマンドラインツールで、Desktop はそのデスクトップ版です。Google Cloud は、顧客は API を通じてこれらのモデルで構築でき、ローカルの Codex CLI と Desktop のワークフローを Google Cloud の Gemini プラットフォーム(Gemini を含む同社のモデル提供基盤)に直接つないで推論させられると説明しています。
技術者にとっての差分は、モデルそのものより呼び出し口と課金の統合です。既に Model Garden で Gemini や他社モデルを使っている環境なら、同じプラットフォームの API を通じて GPT-6 系を並べて評価できます。Codex CLI を使っているチームは、エージェントの推論先を Google Cloud 側に寄せる選択肢が増えます。
請求面では、OpenAI モデルの取引が Google Cloud Marketplace を直接経由するため、利用料は 1 枚の Google Cloud 請求書に載ります。Google Cloud は、既存のクラウド利用コミットメント(一定期間の利用額を事前に約束する契約)から差し引かれ、モデル提供元を横断して Flexible Savings Plans(FSP、利用額に応じた割引プラン)の対象になるとしています。コミットメント消化の見込みが立たないチームにとっては、ここが評価の実利になります。
データの扱いについて Google Cloud は、プロンプト・コンテキスト・出力は顧客が指定したデータ境界(データを置ける範囲として顧客が定めた領域)の中に留まり、基盤モデルの学習には使われないとしています。
制約と今後の予定
限定プレビューは一部の企業顧客が対象で、Google Cloud は「順次提供中」としています。自社が対象に入っているかは、Google Cloud に確認するのが先です。対象外であれば、現段階で待つしかありません。
Zero Data Retention(ZDR)オプションは「coming soon」です(2026年10月時点)。ZDR はプロンプトや出力をサービス側に保存しない運用の選択肢で、保存期間の規定で ZDR を要件にしている環境では、提供が始まるまで本番採用の判断を保留する必要があります。評価環境での検証と本番採用は分けて考える段階です。
Gemini for business(Google の業務向け Gemini 提供)と Google Antigravity(Google のエージェント型開発環境)での OpenAI モデル提供も「Coming soon」とされています(2026年10月時点)。現時点で使えるのは Model Garden の API 経由と、Codex CLI・Desktop からの推論先指定です。
料金の具体額や対象リージョンは、今回の情報パックの範囲には含まれていません。評価の前に、Marketplace 上の掲載情報で確認する必要があります。
編集部の見方
編集部は、この発表で技術者がいま動く意味があるのは、Google Cloud のコミットメントや FSP を既に持っているチームに限られると見ています。
- 根拠 1: 利用料が同じ請求書に載り、既存コミットメントから差し引かれ、FSP の対象になると Google Cloud が明記しています。別契約で OpenAI を使っている場合、支払いの一本化だけで調達側の負担が変わります。
- 根拠 2: 対象は一部の企業顧客の限定プレビューです。コミットメントのないチームが新たに申し込む動機は、現時点では薄いと見ます。
- 根拠 3: ZDR は「coming soon」の段階で、保存期間要件のある本番ワークロードは評価までが現実的です。
この見方が変わる条件は、ZDR オプションの提供が始まり、限定プレビューの対象が広がったときです。その時点で、Model Garden で Gemini と GPT-6 系を同じ API・同じ請求で並べて比較できる環境は、マルチモデル運用の選択肢として一段実用的になります。
よくある質問
Q: 誰が使えますか?
A: Google Cloud は、一部の企業顧客向けの限定プレビューとして順次提供中としています。一般提供の時期は発表ブログの該当箇所に記載がなく、今後さらにモデルを追加する予定とだけ説明しています。
Q: 請求はどうなりますか?
A: Google Cloud Marketplace を直接経由するため、利用料は 1 枚の Google Cloud 請求書に載ります。Google Cloud は、既存のクラウド利用コミットメントから差し引かれ、Flexible Savings Plans(FSP)の対象にもなると説明しています。
Q: 入力データは OpenAI 側の学習に使われますか?
A: Google Cloud は、プロンプト・コンテキスト・出力は顧客が指定したデータ境界の中に留まり、基盤モデルの学習には使われないとしています。ZDR(Zero Data Retention)オプションは「coming soon」とされています。
まとめ
Google Cloud は 2026 年 10 月 21 日、OpenAI の GPT-6 Astra、GPT-6.1 Sol、GPT-6 Luna を Model Garden に追加し、一部企業顧客向けの限定プレビューを始めました。API 利用と Codex CLI・Desktop の推論先指定は初日から可能で、利用料は Google Cloud の請求書に統合されます。ZDR と Gemini for business・Google Antigravity での提供は今後とされており、保存期間要件のある本番採用はその提供を待つ判断になります。
【用語解説】
- ZDR【ゼットディーアール】: Zero Data Retention。プロンプトや出力をサービス側に保存しない運用オプション。Google Cloud は OpenAI モデル向けに「coming soon」としている
- FSP【エフエスピー】: Flexible Savings Plans。Google Cloud の利用額に対する割引プラン。今回、OpenAI モデルの利用料もモデル提供元を横断して対象になるとされている
- Codex CLI: OpenAI のコーディングエージェント Codex を手元の端末で動かすコマンドラインツール。今回、推論先を Google Cloud の Gemini プラットフォームに向けられるようになった
引用元:
- [1] Google Cloud brings OpenAI models to customers(Google Cloud Blog)
この記事について: AI 支援で執筆、編集部が事実確認・編集しています。誤りや追加情報があれば Contact よりお知らせください。
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15 年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア / テクノロジーライター。AI エージェントの実務活用を研究し、現場や経営者向けセミナーでその知見を発信。本メディア tech-noisy.com では、一次情報に基づく最新ニュース・解説記事を執筆。また、音楽生成 AI による DJ パフォーマンスを企業イベントで行うなど、テクノロジーと表現の融合も探求している。